編曲(アレンジ)は音楽制作初心者にとってはかなり難しい工程ですよね。
作曲などは何となくでもある程度まで形になりますが、編曲は専門的な知識が必要になってくるので、色々な音楽的素養が必要になってきます。
今回はそんな初心者にとっての鬼門である編曲のコツについて考えてみました。
挫折しない編曲のコツは「コピペ」
「音楽理論などを勉強してみたはいいものの、実際に自分の曲をアレンジするとなると何をやっていいかわからない……」
編曲を挫折してしまう方のほとんどは、編曲にこのような壁を感じる人が多いようです。
確かに音楽理論などを学べば、なんとなくメロディやコード進行を作れるようになります。
が、大抵の音楽理論っていうのはクラシックかジャズ寄りなので、全ての音楽ジャンルに適しているわけではありません。
ロックでクラシック的なコード進行を使うと童謡みたいになってしまいますし、ダンスミュージックでジャズ寄りのコード進行を使うと何か不気味で捉えようのない感じになってしまいます。
ジャンルによっては音楽理論で「禁止」されているコード進行なども当たり前のように使うんですよね。
しかも音楽理論といってもスケールとコードしか勉強しない人がほとんどです。リズムはどうすんのって感じじゃないですか?
そんな人にオススメなのが「コピペ編曲法」というもの。僕が今適当に名前をつけました。
簡単に言えば真似っこです。
ロックやファンク、ダンスミュージックなど、ジャンルには「そのジャンル足らしめる何か」が存在します。
その「何か」はジャンルによって異なっています。コード進行、リズム、音色などなど。
それをどっかの曲からそのまま真似してしまえというのがコピペ編曲法です。
こういうことを書くと、オリジナリティが全くなくなってしまうんじゃない?と疑問に思う人もいるかもしれませんね。
ですが、音楽おけるリズム進行や音色というのは、文章でいうところの文法や言葉。
小説家の人に「あんたの文章、日本語使ってる時点でパクリじゃん!」とは誰も思いませんよね?(思う人がいたら、ぜひオリジナル言語で小説を書いてください)
コード進行やリズム、音色、スケールなどを「言葉」や「文法」として覚え、それを使ってあなたなりの文章(=音楽)を作るというのが音楽制作。
ぜひ、いろいろな音楽を聴いてそれぞれの良いところを真似しましょう。
ただ、個人で作るぶんにはいくらでも真似していいんですが、一般公開するときにはある一定のラインを超えないようにしないと著作権的にまずいのは間違いありません。笑
それについてはこちらの記事でどうぞ!
参考記事:作曲における正しいパクリ方
「コピペ編曲法」のやり方
では実際にコピペ編曲法について具体的に説明してみたいと思います。
まずはジャンルを決めよう
編曲をするときにはジャンル決めを先にすることで効率よく作業を進めることができます。
おそらく作曲の段階でジャンルを意識しながら作っていると思うので、そのままでOK。
ただ「ロック」とか「ポップス」など、あまりに広いジャンルだとあんまり意味がないので、出来るだけ詳しいジャンルを決めておきましょう。
参考となる曲を集める
ジャンルが決まったら、参考曲(リファレンス)としてイメージに近い曲をいくつか用意しましょう。
リファレンス曲を聴きながらイメージを膨らませていきます。
聴きながら自分の曲にも使えそうな要素を抽出したり、逆に「自分ならこうする」という部分を探して、編曲の設計図を頭の中で描いていくと後々の作業がスムースです。
また、参考曲はDAWに直接貼り付けておくと、あとあと便利になりますよ。
テンポと楽器を決める
作るジャンルが決まったらテンポや楽器も決めてしまいましょう。
ジャンルによって自然なテンポや楽器構成などがあるので、最初は典型的なパターンで大丈夫です。
基本的には参考にした曲と同じで構いません。
これもまたコピペですね。
リズム楽器から作っていく
では実際に作業に移りましょう。
編曲はコード進行から作ろうとする人が多いですが、実は初心者だとドラムなどのリズム楽器から作っていくとかなり楽です。
メロディ+ドラムだけでもかなり曲っぽくなるので、その後のイメージが膨らませやすいんですよね。
参考曲からドラムフレーズを真似して打ち込むのはもちろん、ドラム音源に付属しているMIDIフレーズをコピペするだけでももちろんOKですよ!
もしできるなら自分のメロディに合わせてキメなどを作るとよりそれっぽくなります。
コード進行をコピペ
リズムが出来上がったらコード進行を作っていきましょう。
リファレンス曲のコード進行を真似してもいいですし、その他のコード進行パターンを当てはめて、合うものを探すのもオススメです。
コード進行を考えるときにはリズムトラックを聴きながら、リズミカルに打ち込んでいくとそのままトラックとして使えるので楽ですよ。
音色をコピペ
リズムとコード進行が出来たらあとは決めた楽器に合うフレーズを作っていくだけです!
フレーズを作るときには音色も真似するとイメージが膨らませやすくなります。
シンセなどはプリセットを活用したり、ギターなどはアンプシミュレーターでアンプモデルを真似してみたりすると理想の音が作りやすいですよ。
サンプリング素材を使う
最近ではいろいろなジャンルのサンプルライブラリやループ素材集などが販売・配布されています。
EDMなど、電子音が主体のダンスミュージックを作っている人ならサンプリング素材を使うことが多いですよね。
バンド出身の人だとサンプリング素材やループ素材を使うことに抵抗がある人がなぜか多いんですが、プロでもサンプリング素材を駆使しているので、別にずるいことではありません。
曲に合うフレーズやループを選ぶだけで、簡単にかっこいいサウンドになるので、ぜひ使ってみましょう。
まとめ
編曲は最初のツカミさえどうにかなれば、後はどんどんイメージが湧いてくるはずです。
まずは、人の真似でもいいのでフレーズを組み合わせてみて、そこで違和感を感じるところを自分なりに作り変えることで初心者でも編曲がしやすいと思います。
音楽だけではなく、どんなことでも最初は真似から始まるので、恥ずかしがらず色々な曲を聴いて参考にしてみましょう!
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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