ハードウェアアンプシミュレーターの中でもPositive GridのBIAS HEADやBIAS RACKはハイクオリティなサウンドとコストパフォーマンスの良さで人気になりました。
そんな2つの機種をサウンドのクオリティはそのままに、より小型化・軽量化、そして低価格化したのがBIAS MINIシリーズです。
BIAS MINIには「BIAS MINI Guitar」と「BIAS MINI Bass」という2つの機種があります。
この2つの製品をチェックしていきましょう。
外観
BIAS MINI Guitar
BIAS MINI Bass
BIAS MINIシリーズの特徴
音が良く、そして音作りをとことん追い込める
BIAS MINIの大きな特徴、それは音の良さ。そして音作りの幅広さにあります。
製造元のPositive GridはBIAS AMPと呼ばれるアンプシミュレーターを開発したことで一躍有名になったメーカーです。
BIAS AMPはどちらかというとDTM向けのアンプシミュレーターで、発売されてたった数年でその音の良さから「定番」と呼ばれる地位をすでに確立しつつあります。
BIAS AMPについては別のページでも紹介していますので、よかったら参照してみてください。
BIAS MINIにもそのBIAS AMPが内蔵されていて、音の良さは折り紙付き。
Guitar・Bassともに16種類のプリセットが用意されていますが、そのどれもが素晴らしい出来なので、フロントパネルにある実機アンプでも見慣れたGainやEQのツマミをいじるだけで大抵の音は作れます。
しかもBIAS MINIの凄さは音の良さだけでなく、音作りの幅広さにもあるんです。
具体的に言うと、BIAS MINIシリーズではBluetoothやUSBでお手持ちのiOS端末またはパソコンに接続でき、専用のソフト上でアンプ内部のセッティングが変更可能になっています。
例えばプリアンプの真空管を交換したり、真空管のバイアス調整をしたりといった、実機では「メンテナンス」と呼ばれるような作業をすることによって音の傾向を変えることが可能です。
もちろんソフトウェアなので実機では不可能なセッティングにすることともできます。ゲインステージを上げることでバリバリに歪むJC120(ジャズコ)を作れたり。
この機能のおかげで自分だけのアンプサウンドを作り込めるようになります。
安い
BIAS MINI、2つ目の大きな特徴はその圧倒的な低価格さです。
高品質のアンプシミュレーターは20万円前後、パワーアンプ付きのものになると物によっては20万円後半~30万円代になることもありますよね。
ですがBIAS MINIはこの音質でありながら、なんと10万円前後で買えちゃうんです。
しかも300Wのパワーアンプが付いてこの値段ですから、他のハイエンド系アンプシミュレーターと比べると安さは一目瞭然。
軽くて小さい
BIAS MINIの軽さ、小ささはほかのハードウェア型アンプシミュレーターや実機アンプと比べると軍を抜いています。
なんと重さは2.5kg。大きさはちょっと大きめな本くらい。(少年ジャンプと同じくらい笑)
ギターやベースのギグバックにすっぽりと入る大きさです。
今までカートに載せてひーひー言いながら大きなアンプシミュレーターを運んでいたのが嘘のようですね。
デジタルアンプの強みを活かせる
もちろんBIAS MINIはデジタルアンプなので、セッティングのセーブや瞬時の呼び出しなどは自由自在。
MIDIコントロールも可能なので、MIDI出力ができるフットコントローラーをお持ちなら、エフェクター感覚でアンプのセッティングを変更することができます。
BIAS MINI GUITARとBIAS MINI BASSの違いは?
BIAS MINIシリーズにはGuitarとBassがありますが、それぞれの違いは何でしょうか。
調べてみると主に4つの違いがあるようです。
- デザイン
- プリセット
- スピーカーアウト端子(GuitarはTSのみ、BassはTSとスピコン)
- BassのみにMiddle Level Altボタンが付いている
4つめのMiddle Level ALTボタンというのはMiddleノブの周波数特性などを変えられるボタンだそう。
ちなみに、本体で直接操作できるプリセットはギター用、ベース用に分かれていますが、iOS端末やパソコン上ではプリセット以外のアンプを使うことが可能です。
それによってGuitarでもベースアンプが使えたり、Bassでもギターアンプが使えたりもします。
なので、Guitarを買ったら宅録でもギターしか使えない、というようなことはなさそうです。
ちょっと残念ポイント
人によってはちょっとマイナスポイントになりそうだなーと思ったのが「エフェクター機能がない」ということ。
もともとBIAS AMPというソフト自体がエフェクターが無いので、そのソフトを内蔵しているBIAS MINIもエフェクターが無いのは当然といえば当然ですが…
せっかくの小型化アンプシミュレーターなので、ちょっとしたエフェクトくらいは付いていてもよかったのかな、と。
ちなみBIAS FXというDTM向けエフェクターソフトもPositive Gridは販売しているので、できないことはなかったけれど、あえて付けなかったんだと思いますが。
おそらくBIAS MINIという製品の位置付けは、エフェクターやらなんやらが付いているアンプシミュレーターというよりも「アンプ」そのものなのではないかと。
背面にセンドリターンが付いていたりもするので、「アンプとしての役割を担う」的な意味でのアンプシミュレーターと言えそうです。
なので、エフェクターを使うときには自分で好きなものを使ってくれというメーカーの意図があるんでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
BIAS MINIは極上のアンプサウンドを安く、そして簡単に持ち運べるという意味では今までにない製品です。
ぜひ試してみてくださいね!
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