バスドラムの演奏に欠かせないフットペダル。
ドラムを始めたばかりのころはスタジオやライブハウスの備品を使うことも多いですが、慣れてくると自分好みのマイペダルが欲しくなってきますよね。
ですが、初めてペダルを買うときには何が良いのかわからないという人も多いでしょう。
今回はそんな人のために、ドラムペダルの選び方やおすすめのペダルを詳しく紹介します!
まずはフットペダルの選び方から解説していくので、「選び方は知っているから早くおすすめ商品が知りたい!」という人は下の目次からジャンプしてみてくださいね。
フットペダルの選び方
おすすめを紹介する前に、まずはフットペダルの選び方を確認しておきましょう。
自分に合ったフットペダルを選ぶには、まずペダルの各パーツの名前を知っておく必要があります。
各パーツの違いによって演奏性が変わってくることがあるので、それも踏まえながら選び方を解説していきたいと思います。
シングルペダル or ツインペダル
まず部品の前に、重要になってくるのがシングルペダルにするかツインペダルにするかということです。
フットペダルといえばシングルタイプを使って演奏することが多いので、基本的に初心者ならシングルペダルでOK。
ですが、メタルやハードロックといったバスドラムを高速連打するジャンルを演奏したいときにはツインペダルが必要になってきます。
ツインペダルでもシングルペダルと同じ奏法が出来るので「大は小を兼ねる」理論で言えば、シングルしか使う予定がない人でもツインペダルを買うというのもアリでしょう。
ただツインペダルはシングルペダルよりも価格が高いことが多いので予算によって自分に合ったものを選んでみてください。
ドライブ(ストラップ部分)の種類
ストラップ部分のことをドライブと言いますが、ドライブには大きく分けて3種類あり、それぞれに特徴があります。
オールラウンドなチェーンドライブ
一番多く使われているタイプです。
音量を揃えやすく、パワーも出ます。
チェーンにはダブルとシングルのものがあり、ダブルはシングルよりも音量が出しやすいですが、反応が重めです。
軽やかな動きのベルトドライブ
ベルトドライブはチェーンに比べて軽やかな動きで、ニュアンスが出しやすく、ジャズプレイヤーなどに多く使われています。
ただ、音量はチェーンのほうが出しやすいです。
動きに若干の癖があるため演奏者の好みが分かれます。
ニュアンスが出しやすいダイレクトドライブ
フットボードとビーター部分が金属でダイレクトに連結されているタイプ。
動きがダイレクトに伝わり「遊び」部分がありません。演奏者のニュアンスを出しやすく、反応もかなり速めです。
チェーンやベルトに比べて音量を出せるようになるまで時間がかかりますが、慣れれば問題ありません。
値段が高い傾向にあり、上位機種などによく搭載されています。
ビーターの素材・形状
ビーターの素材や形状によっても音質が変化します。
とはいえ、購入後でもビーターだけ別売りしているものを買えば交換可能なので、そこまで深く悩む必要はありません。
オーソドックスなフェルト素材
現在、最も多くのフットペダルに使われているのはフェルト素材のタイプ。
どんなジャンルにも対応できるので迷ったらフェルトを選んでおきましょう。
素材を切り替えられる2wayタイプ
2wayのビーターは片側はフェルト、もう片方は樹脂の2パターンを使い分けることが出来るタイプが多いです。
(まれに木材・樹脂などの組み合わせもあります)
フェルトに対して樹脂素材は強いアタックを得ることができるため、メタルやハードロックといったジャンルよく使われます。
オールジャンルな円柱型・粘りのあるアタックの平型
ビーターの形は大きく分けて2種類存在します。
円柱形は多くのペダルに使われている一番スタンダードなタイプ。対して平型は粘りのあるアタックが得られ、ロックなどの強いアタックが求められるジャンルでよく使われています。
真円カム or 偏心カム
真円カム
偏心カム
シャフトがカムの中心を通っている方が真円カムと呼ばれ、癖のない挙動が特徴です。
初心者はまず真円カムから慣れていくことをオススメします。
対して偏心カムはシャフトがカムの中心以外のところを通っているタイプで、真円カムに比べて細かいニュアンスを出しやすいと言われています。
偏心カムは動き方に若干の癖があるのが特徴です。
アンダープレートの有無
アンダープレートがあることによってペダルが横ブレすることを防ぎ、演奏に安定感が出ます。
パワーや安定感を求める人はアンダープレートが有るモデルを買うことをおすすめします。
またアンダープレート無しの方はより安定感こそ劣るものの、折りたたみ出来るものも多く携帯性に優れ、また値段も安い傾向にあります。
フットボードの形状・長さ
フットボードの長さや形状によっても演奏性が変わってきます。
最近はロングタイプのフットボードが増えてきていますが、こちらは通常のものに比べてスピードが出しやすく音量を稼ぎやすいのが特徴です。
またデザインによっても滑りやすいものや滑りにくいものがあり、自分が靴で演奏するのか靴下で演奏するのか、はたまた裸足なのかといったことや、演奏者の好みよっても合うものが変わってきます。
おすすめのフットペダル
選び方がわかったところで実際にオススメのペダルを紹介していきます!
YAMAHA|FP7210A
ペダル | シングル |
ドライブ | シングルチェーン |
ビーター | フェルト |
カム | 真円 |
アンダープレート | 無し |
お金のない初心者に一番オススメなのがこのモデル。
1万円以下という圧倒的な安さなのにもかかわらず、フットペダルに必要な要素は一通り満たしているという圧倒的コストパフォーマンスの高さが特徴です。
品質もそこそこで、初めてマイペダルを買うという人におすすめできます。
変な癖もないので、2台目のもっと良いペダルを買うときにもスムーズに移行できるはずです。
ただこの機種はシングルペダルだけしかないので、ツインペダルが欲しい初心者の人は他の機種を買いましょう。
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TAMA|Iron Cobraシリーズ
ペダル | シングル、ツイン |
ドライブ | ダブルチェーン |
ビーター | 2way |
カム | 真円、偏心 |
アンダープレート | 有り |
アイアンコブラはTamaのドラムペダルの中でもベストセラーで、数多くのプロドラマーたちも使用しています。
パワフルなサウンドでありながらもスムースで安定感のある踏み心地が評価されてきました。
アイアンコブラシリーズは現在いくつか種類があり、上位機種・下位機種といった違いだけではなく、カムの種類によって「パワーグライド」「ローリンググライド」「デュオグライド」に分けられています。
- パワーグライド:偏心カムによる力強いサウンドとスピーディーな踏み心地(スピード・パワー特化系)
- ローリンググライド:真円カムによる素直でコントロールしやすい踏み心地(万能系)
- デュオグライド:HP600に搭載されている機構。アタッチメントの付け外しによりパワーグライドとローリンググライドの切り替えが可能(超万能系)
こうみるとデュオグライド一択じゃん、って感じですがデュオグライドはHP600という中位機種でしか搭載されていません。
上位機種のHP900などはパワーグライドかローリンググライドを選ばなければいけませんし、下位機種のHP200Pはパワーグライドのみ。
とはいえHP600もかなり使いやすいペダルなので、いろいろ試してみたい初心者や中級者の人はHP600が圧倒的にオススメです。
また、同じ機種でもシングルペダルとツインペダルのバージョンがあるので購入の際には間違わないように注意してください。
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シングルペダル
ツインペダル
Pearl|Demonatorシリーズ
ペダル | シングル、ツイン |
ドライブ | シングルチェーン |
ビーター | 2way |
カム | 真円、偏心切替式 |
アンダープレート | 有り |
打楽器メーカーPearlのエントリーモデル。
Pearl Demonatorシリーズのラインナップには、シングルペダルのP-930、ツインペダルのP-932があります。
このペダルはシングル、ダブル共にアタッチメントの取り外しによって真円カム偏心カムの切り替えが可能です。
シングルチェーンではありますが、その分価格も安くなっており、シングルペダルタイプでは1万円前後というコストパフォーマンスの良さが魅力と言えるでしょう。
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Pearl|Demonシリーズ
ペダル | シングル、ツイン |
ドライブ | ダブルチェーン、ダイレクト |
ビーター | フェルト |
カム | ー |
アンダープレート | 有り |
自分好みにペダルをカスタマイズしていきたい人におすすめなのがこのデーモンシリーズ。さきほどのDemonatorよりも高価になりますが、そのぶんカスタマイズ性や耐久性、操作性がアップしています。
このペダルの凄いところはフットボードの長さをロングとショートの2段階調節可能だったり、フットボードのグリップの強さを自分好みに調節できたりと、カスタマイズ性の高さにあります。
もちろん、ペダルそのもののクオリティも非常に高く、非常に軽い踏み心地とコントロールのしやすいので、初心者にもオススメです。
デーモンシリーズには現在シングルペダル「P-3000」、ツインペダル「P-3002」の2種類があります。
- P-3000C:チェーンドライブ、シングルペダル
- P-3002C:チェーンドライブ、ツインペダル
- P-3000D:ダイレクトドライブ、シングルペダル
- P-3002D:ダイレクトドライブ、ツインペダル
幅広いラインナップがあるので自分好みのペダルを見つけることが可能です。
自分好みのセッティングにすれば演奏の幅がぐっと広がりますよ。
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シングルペダル
ツインペダル
YAMAHA|FP9500D・DFP9500D
ペダル | シングル、ツイン |
ドライブ | ダイレクト |
ビーター | 2way |
カム | ー |
アンダープレート | あり |
YAMAHAのダイレクトドライブタイプのフットペダル。
非常に軽快な踏み心地でコントロールもしやすく、愛用しているプロなども多くいます。
チェーンタイプなどに比べると若干パワーは落ちる傾向にありますが、慣れればその辺もコントロール可能です。
ダイレクトドライブの中でも比較的安価な部類で、FP9500Dがシングルペダル、DFP9500Dがツインペダル仕様にあたります。
フットボードは滑りやすい素材なので、スライド奏法やスウィベル奏法をしている人にとってはその点も嬉しいですよね。
また、ビーターの角度を変えることなくフットボードの角度を調整できるという機構も採用していて、セッティングの幅が広がっています。
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DW|5000シリーズ
ペダル | シングル、ツイン |
ドライブ | ダブルチェーン |
ビーター | 2way |
カム | 真円、偏心 |
アンダープレート | 有り |
赤いアンダープレートが特徴的なペダル。数々の世界中のトップドラマーも愛用しています。
足に吸い付くような操作性で、チェーンドライブの中でもトップクラスの反応性の良さを誇り、ダイレクトドライブは苦手だけどスピーディーなペダルが欲しい、という人におすすめです。
また、音量がかなり大きく出せるペダルでもあり、女性ドラマーでもパワフルなプレーが可能になります。
速さと音量を両立させたいときにはこのペダルはぜひチェックしてみてください。
カムは以下の2種類があります。
- ターボ:パワー重視の真円カム
- アクセラレーター:スピード重視の偏心カム
型番では「TD4」となっているものがターボ、「AD4」となっているものがアクセラレーターです。
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シングルペダル
ツインペダル
SONOR|SN-PB Perfect Balance Pedal by Jojo Mayer
ペダル | シングル |
ドライブ | ベルト |
ビーター | フェルト |
カム | 真円 |
アンダープレート | 有り |
ベルトドライブの中で一番おすすめなペダルがこちら。
Sonorが出しているジョジョ・メイヤーモデルのペダルです。
ジョジョ・メイヤーは世界的なドラマーであり、そんな彼が20年以上探し求めた操作性を実現したのがこのモデルなんだとか。
とても軽やかな印象のペダルでありながら、しっかりと音量も出せるというのがこのペダルの魅力。
シャフト部分が短いため非常にレスポンスが速く、まさに「直感的」という言葉がふさわしい踏み心地です。
シンプルなデザインもかっこいいですよね。
ちなみにこのペダルは折りたたむと結構小さくなるので、持ち運びにも優れています。
この辺もツアーで全世界を飛び回るジョジョ・メイヤーのこだわりを感じますよね。
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DW|MDD,MCDシリーズ
ペダル | シングル、ダブル |
ドライブ | ダブルチェーン、ダイレクト |
ビーター | フェルト平型 |
カム | 可変 |
アンダープレート | 有り |
最後にDWのハイエンド機種をご紹介します。
ペダルの中では非常に高価な部類に入りますが、その分操作性やポテンシャルもピカイチ。
カムは真円~偏心に調整可能で、ビーターの重さも下の画像のように重りの抜き差しで変えられます。
ラインナップの違いとしては以下の通りです。
- MDD:チェーンドライブ、シングルペダル
- MDD2:チェーンドライブ、ツインペダル
- MCD:ダイレクトドライブ、シングルペダル
- MCD2:ダイレクトドライブ、ツインペダル
精度がかなり高く、ガタつき等がほとんどないので、踏んだエネルギーがそのまま伝わる感覚があります。
特にダイレクトトライブは足に吸い付くような感覚があるので、チェーンドライブやベルトドライブに慣れている人だと逆に使いにくいかもしれません。
少し値段高いですが、初心者でもこういうペダルを知っておくと、あとで2台目3台目のペダルを買うときの選択肢の幅が広がりますよ。
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シングルペダル
ツインペダル
まとめ
以上がおすすめのフットペダルの紹介です!
ペダルによって操作性が違うので、しっかりと自分に合ったものを選ぶのが重要になってきます。
ぜひあなたにぴったりのペダルで素敵な演奏をしてくださいね。
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