DTMを始める時って、PCやDAW、オーディオIF等お金がかかるものばかり。
できるだけ費用を抑えてDTMを始めたいという方も多いんじゃないでしょうか?
なので今回はそんなDTMerにおすすめしたいフリー音源・エフェクトプラグイン・DAWをご紹介したいと思います。
この記事の構成は以下の通りなので、すでに欲しいソフトのジャンルが決まっている方は、下からジャンプしてみてください。
それでは早速行ってみましょう!
【今回の動画】
この記事の中で、特に筆者がオススメしたいものを3つ選んでYouTubeで紹介しています。
どんなサウンドかチェックできるので、ぜひこの記事とあわせてご覧ください!
おすすめフリーDAWソフト
Cakewalk by BandLab(Windows専用)
Windowsユーザーにオススメな無料DAWなら、Cakewalk by BandLabです。
もともとはSONARという有料DAWを無料化したものなので、機能的には有料DAWと遜色ありません。
無料ではありますが、開発は止まっていないので今後も使い続けていくことができます。
ちなみにこのDAWにはドラムやギター、エレピ等のソフト音源も付属しますし、エフェクト類も一通り付属しているので、Windowsの方向けの無料DAWならこれ一択かなと思います。
もちろん外部のプラグインも使用することができるので、予算的に無料DAWにしようと考えている人はぜひどうぞ。
GarageBand(Mac専用)
Macユーザーにオススメな無料DAWならGarageBand一択です。
位置づけ的にはLogic Proという有料DAWの下位グレードなんですが、DAWに必要な要素は一通り揃っています。
どのMacにも工場出荷時にインストールしてあるので、面倒なインストール作業も不要です。
おすすめのフリー音源プラグイン
マルチ音源のフリーソフト
Komplete Start
Native Instrumentsのプラグインバンドル「Komplete」の無料バージョン。
無料ではありますが、500以上のサウンドとエフェクト、600MBのサンプルが搭載されており、無料でDTMを始める人なら、持っておいて損はないプラグインです。
ダウンロードとインストールにはNative Instrumentsのアカウントが必要になりますので、この際にアカウントを作っておきましょう。
Kontakt 6 Player
Native Instrumentsのサンプラーとして、サードパーティ製プラグインにも多数使われている「Kontakt」の無料版です。
この「Kontakt Player」は先程の「Komplete Start」にも収録されていますが、他のフリー音源を使う時にも必要になることがありますので、Kontakt Startはいらないという方でもこちらは確実にゲットしておきましょう。
Spitfire Audio LABS
「LABS」シリーズは、Spitfire Audioから出ているフリー音源です。
Spitfire Audioは最近かなり人気があるDTMソフトメーカーで、ストリングスやブラスといったオーケストラ系のプラグインが有名ですね。
「LABS」シリーズはマルチ音源と言っていいのかわかりませんが、かなりの種類が出ているのでこの項で紹介しておきます。
(ラインナップはかなり多すぎてここでは紹介しきれませんので、下のリンクからご確認ください)
フリー音源ということで調整できるパラメーターがかなり少ないのですが、サウンドのクオリティは非常に高いです。
SampleTank Custom Shop
マルチ音源「Sample Tank」のフリーバージョン。
IK Multimediaでユーザー登録をするだけで簡単にゲットすることができます。
無償音源はIK Multimediaのユーザーページより個別にダウンロードする方式になっており、最終的に30種類の音源が無償で使用可能です。
UVI Workstation
UVIの音源は動作させるのにこのUVI Workstationが必要です。(Native InstrumentsのKompleteみたいなものです)
このソフト自体は無料で、しかもデモ用のサンプルライブラリも収録されていますので、フリー音源として使えます。
シンセサイザーのフリー音源
Synth1
DTMをしている人が一番最初に使うシンセとして名高いフリーのシンセサイザーソフトです。しかも国産。
このSynth1はシンセの基本構造をしっかりと押さえて作られているので、シンセの音作りはとりあえずこれで勉強してみましょう。
DEXED
YAMAHAの「DX7」というアナログFMシンセをシミュレートしたソフトです。
フリー音源でFMシンセは珍しいのでぜひダウンロードしてみてください。
完全再現の評判の通り、かなり本物に近い音がします。
またGUIもDX7を再現していますのでテンションが上がりますよね。
u-he Zebralette
「Diva」や「Zebra2」といったシンセサイザープラグインで有名なu-heというメーカーのフリーソフト。
このソフトは「Zebra2」をもとに作られており、クオリティの高いサウンドを作ることができます。
Model E
Cubaseで有名なSteinbergが開発しているフリーシンセサイザー。
ベースに特化したシンセサイザーとしても有名ですが、もちろんウワモノも作れます。
オシレーターが3つ搭載され、幅広い音作りが可能です。
ピアノ・エレピのフリー音源
Soft Piano
Spitfire Audioというメーカーが出しているピアノ音源。
非常に柔らかい音が特徴で、使い所によっては有料音源に匹敵するか、それ以上のクオリティです。
静かな雰囲気のインスト楽曲はもちろん、チルアウト系のポップスや歌モノにも使えると思います。
ELECTRIC PIANO
こちらもSpitfire Audioから、エレピ音源です。
おそらくローズピアノをサンプリングしているんじゃないでしょうか。
非常に透明感のある、「エレピらしい」音が鳴らせます。
これが無料というのは素晴らしい時代になりました。
PIANO ONE
フリーのピアノ音源の中ではかなりのクオリティです。
硬めの音で、クラシックからポップスまでいけちゃいます。
Awesome Piano
非常に硬い音がするピアノ音源。
ADSRがいじれるフリーのピアノ音源は珍しいのではないでしょうか。
機能や音色的にダンスミュージックやポップス向けです。
Sweetcase E.P.
往年のヴィンテージ・エレクトリック・ピアノをプラグイン化した音源です。
元の楽器については明かされていませんが、モデリングではなくサンプリングベースで作られた音源とのこと。
サンプルはテープ・サチュレーターや真空管EQ/コンプレッサーといったアナログアウトボードで処理されているらしく、面倒な処理をしなくてもメロウで甘い音がします。
ギター・ベースのフリー音源
Ample Guitar M Lite Ⅱ
マーティンのアコースティックギターをサンプリングしたプラグイン。
この音源はAmple Guitar M Lite ⅡというAmpleSoundのギター音源の無料版です。
有料で販売されているモノの無料版なのでかなりクオリティの高い音がします。
Kriminal LP SG Custom
SGというエレキギターをシミュレートした音源で、ロックテイストな音が出ます。
軽めな感じのサウンドなので、カッティングフレーズなどにもいいかもしれません。
HumbuckerFREE
Humbucker Guitar 2.0というギター音源のデモバージョン。
デモバージョンではありますが、音もリアルで操作性も良いので初心者なら十分でしょう。
Ample Bass P Lite Ⅱ
フェンダーのプレシジョンベースをサンプリングした音源。
Ample Guitar M Lite Ⅱと同じメーカーです。
ドラムのフリー音源
Addictive Drums 2 体験版
「Addictive Drums 2」はXLN Audioの大人気ドラム音源です。
プロでも使うようなクオリティの製品なのですが、その体験版はなんと無期限で使用できます。
体験版は「Fairfax Vol.1」というキットのキック、スネア、ハイハット、クラッシュシンバルが1種ずつ収録されていて、MIDIパターンまでついてきます。
タムやライドシンバルがないものの音質自体は製品版と同じですので、まさに即戦力なフリープラグインです。
MT Power Drum Kit 2
アコースティック・ドラム音源。
以前は有料で販売されていた製品であり、クオリティは確かなものです。
12種類のキットで構成されており、ポップスやロック、ヘヴィメタルに至るまでオールジャンルに対応しています。
また、MIDIグルーブも多数収録されているので、ドラムのことがよくわからなくてもコピペで対応できます。
DrumMic’a
マイクやヘッドフォンの老舗メイカーであるゼンハイザーのドラム音源。
動作には「KONTAKT Player」が必要です。
ダウンロードまで少し難しいのでこちらのページを参照してみてください。
Shino Drums
しのさんという方が作ったフリードラム音源。
APIコンソールと高品質なマイクで録音したのに無料というのは凄いですよね。
音は結構生々しく、スネアがカンカン鳴ります。
オーケストラ系のフリー音源
Spitfire Audio / LABSシリーズ
現在、有料オーケストラ音源として大人気のメーカーSpitfire Audioが出している無料音源シリーズがLABSです。
LABSにはピアノなどさまざまな音源がありますが、オーケストラ関連でおすすめなのが以下のもの。
- Strings(標準的なストリングス)
- Strings 2(上記の音源にはない奏法が収録されたストリングス音源)
- Frozen Strings(冷たい感じのストリングス)
- Amplified Cello Quartet(チェロのカルテット)
- Scary Strings(おどろおどろしいストリングス)
- Choir(クワイヤ)
- Soft Piano(アタックが優しいピアノ)
- Pipe Organ(パイプオルガン)
- Modular Piano(シンセっぽいピアノ)
- Music Box(オルゴール)
かなりサウンドのクオリティが高いので、とりあえずダウンロードしておいて損はありません。
Performance Samples / Freebiesシリーズ
こちらも有料音源メーカーが出しているフリー音源シリーズ。
もともとは有料製品の無償版なので、音質的には最高レベルです。
さまざまな音源に混ぜて使えるのでぜひ手に入れておきましょう。
ダウンロードをするときはトップページ「Libraries」から「Freebies>各種音源の名前」、そして「FREE」というボタンを押します。
その後注文画面が表示されますが無料なので安心して必要事項を記入しましょう。
入力したメールアドレスにオーソライズ番号が届きます。
Versilian Studios Chamber Orchestra 2 Community Edition
上位バージョン「Chamber Orchestra 2」は有料ですが、こちらの「Community Edition」は無料で公開されています。
KontaktとVSTそれぞれのバージョンがあります。
これ一つでオーケストラに必要なセクションが全て揃うので、フリープラグインのみでオーケストラ楽曲を作ろうと思っている人にはオススメです。
ボーカロイドのフリーソフト
UTAU
無料のボーカロイドといえばUTAUです。
初音ミクや鏡音リンのように様々な音源が無料でリリースされているので是非探してみてください。
NEUTRINO
※Windows専用です
2020年に公開され、「非常にリアルに歌ってくれるAIシンガー」として話題になりました。
細かい調整をせずとも楽譜に音符を並べて歌詞を付けるだけで自然に歌ってくれるので、実際使ってみるとかなり驚きます。
歌声のラインナップは現在以下の4種類です。
- 東北イタコ
- 東北きりたん
- 謡子
- JSUT
ただ、パソコンを使うのがそこまで得意じゃない人だと、歌声のデータを作るまで結構手間取ってしまうと思います。
MuseScoreという無料ソフトで楽譜を作り、それをNEUTRINOに読み込ませなくてはいけないのですが、MuseScoreもNEUTRINOも操作が結構独特なんですよね。
少しでも楽に作業を進めるためには、以下の手順がいいと思います。
- DAWで作ったMIDIデータをMuseScoreに読み込ませる
- 自動で作られた楽譜の変なところを手直しする
- 音符に歌詞を付ける
- できた楽譜データをNEUTRINOに読み込ませる
この手順ならMuseScoreでわざわざ1音ずつ音符を打っていく手間が省けるので、多少は楽になるんじゃないかと。
ちなみに、MIDIでメロディを打ち込むときには、クオンタイズなどをしっかりかけて音のタイミングや長さをシビアに決めたほうが、MuseScoreで楽譜を作る時に楽になります。
また、最後の「楽譜データをNEUTRINOに読み込ませる」という工程も結構難しいので、上の動画を参照しながらやってみてください。
おすすめのフリーエフェクトプラグイン
エフェクト系総合バンドル
Blue Cat AUDIO Freeware Plug-ins Pack II
無料でありながら高品質なプラグインを数多く手がける「Blue Cat AUDIO」というメーカーのプラグインバンドルです。
内容は以下の通り。
- Chorus
- Digital Peak Meter
- Flanger
- FreqAnalyst
- Gain Suite
- Phaser
- Stereo Chorus
- Stereo Flanger
- Triple EQ
基本的なエフェクトは揃っているのでとりあえずDLして使い方を覚えてみましょう。
コンプレッサーのフリープラグイン
AudioDamage Rough Rider2
通称「バカみたいなスネアになるコンプ」
勿論スネアだけではなく色々なものに使えます。
音のはサチュレーションが深くかかったビンテージコンプといった感じです。
汚し系のコンプって感じですね。
Xfer Records OTT
OTTはSerumというシンセサイザーソフトで有名なXfer Recordsのフリーソフトです。
いわゆる「マルチバンドコンプ」と呼ばれるプラグインで、特定の音域ごとに別々にコンプをかけられます。
もともとはAbleton LiveというDAWに付属しているマルチバンドコンプレッサーに「OTT」というプリセットがあり、それを再現したものなんだとか。
「OTT(Over The Top=限界突破)」という名前の通り、音としてはかなりバキバキ系です。
そのままだとかなり音がキツいことが多いので、コンプレッション具合を調整して使ってみてください。
BeatSkillz MAX1
素直な音がするコンプです。
かなり視認性も良く、多機能なのでオススメ。
イコライザーのフリープラグイン
Sonimus SonEQ
低域・高域がかなりマイルドに調整できます。
色々な楽器に活躍しますが、個人的にはシンセ系におすすめです。
デジタルな細さをうまく補正してくれます。
Tokyo Dawn Records TDR Nova
フル機能のダイナミクス付きEQを4基装備したプラグインらしいです。GUIもカッコイイですね。
バスやマスターにかけても破綻しにくいと評判です。
IK Multimedia T-Racks Classic Equalizer
結構派手目に掛かるEQ。
カットは勿論ですが、ブーストしたときの太さが凄いです。
アンプシミュレーターのフリープラグイン
AmpliTube Custom Shop
ギターやベースに使えるアンプシミュレーター。
もともとは「Amplitube」という有料版のソフトですので、音のクオリティかなりのものです。
基本構成のみとはいえ、普通に使うだけならこれで充分です。
ピッチ補正のフリープラグイン
KeroVee
ニコニコ系の歌ってみたなんかでよく目にしますね。
その名の通り「ケロケロボイス」的な処理が得意ですが、普通にナチュラルにも補正できたり、男声から女声に変更ということもできます。
ステレオイメージャーのフリープラグイン
Ozone Imager
iZotopeという有名なプラグインメーカーによるフリーのステレオイメージャー。
簡単にステレオ感を広げたり狭めたりできるプラグインです。
また、アナライザー機能もついているので、ステレオ感の確認もできます。
レコードシミュレーターのフリープラグイン
iZotope Vinyl
iZotopeが無料で配布しているレコードの質感を再現するためのプラグイン。
Lo-fi Hip Hopなどでよく使われています。
年代ごとのレコードの質感を選べたり、ピッチのヨレを大きくしたりもできます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回紹介したものは全て無料ですので、使わないかもしれないけどとりあえずインストールしておくというのもオススメです。
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