ギター始めて一番最初に欲しくなるエフェクターといえば、かっこいいロックサウンドが出る歪み系エフェクターですよね。
歪み系エフェクターには「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」などの種類に分かれていますが、皆さんはその違いって知っていますか?
今回はそんな歪み系エフェクターの違いについて解説してみたいと思います。
歪み系エフェクターとは?

オーバードライブ・ディストーション・ファズの違いの前に、まずは歪み系エフェクターとはそもそも何なのか、ということについて解説してみたいと思います。
まず大体の人が「ギターサウンド」と聞いてイメージするのは、「ギューン」「ジャジャジャーン」といった感じかっこよくて攻撃的な音ではないでしょうか。
ですが本来、ギターからはこのような音は出せませんでした。
ギター経験者なら知っていると思いますが、本来のギターサウンドは下の動画のような透き通った響きをしています。
このようなクリーンな音もそれはそれで良いのですが、昔のギタリストたちは「もっと派手にしてえぜ……」とサウンドに変化を求めていました。
そんな歴史の中で発見されたのが、今私たちがロックな曲でよく耳にする「ギュイーン」といった歪んだサウンドです。
なんでそんな音が出せるようになったのかというと、もともとはアンプで思いっきりボリュームを上げたときの音割れサウンドが歪みの始まりだと言われています。
ですが、大きなアンプで音量を上げすぎると耳にも悪いですし、機材にも負荷がかかるため、アンプの音割れを再現できる歪み系エフェクターが開発されました。
現代の歪み系エフェクターには大きくわけて「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」の3種類があり、各エフェクターメーカーがそれぞれ違った機種を出しています。
「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」の違い

オーバードライブ・ディストーション・ファズそれぞれの違いとは一体何なのか…?
実はこの3種類、明確な違いというのは存在しないんです!
つまり製作者が「これはファズ」といったらファズ、「ディストーションだ」といえばディストーション。
もちろん、オーバードライブと言いながらもディストーション的なサウンドが出たりするものも多いです。
ちなみに音が割れる原理も同じで、ほんとに感性で決めれています。
ですが、「ファズ>ディストーション>オーバードライブ」の順に歪み量が多いというのがギタリストの共通イメージです。
豆知識:クランチサウンド、ブースターとは?
歪み系エフェクターについて調べているとおそらく「クランチ」「ブースター」といった言葉もよく出てきますよね。
これらの違いは以下のようになっています。
クランチサウンドというのは「割れた音」のことで、一般的にはちょっとだけ歪んだ音のことを指します。
人によって定義は違いますが、オーバードライブほどは歪んでいない音というのが共通したイメージでしょう。
音はアンプでも作れますし、歪み系エフェクターのドライブノブをほんの少しだけ回すことでも得られます
ギターソロなど、曲中で急激に音量が大きくなるところなどで使われるのがブースターです。
一時的に歪み量を増やしたり、音量を上げたりするために使うエフェクターで、オーバードライブやディストーションペダルでも代用することができます。
音の傾向

先程も書いたように「ここからここまではファズ、ここからはディストーション」といったような明確な違いというのは実はありません。
しかしそれでは名前を付けて区別する意味がなくなってしまうので、ギタリスト皆が共通して持っているようなサウンドのイメージというのはあります。
ここではそれぞれの音の傾向について解説していきましょう。
ファズサウンドのイメージ
歪み系エフェクターの中でも特に強く歪むのがこのファズ系エフェクターです。
ファズというのは英語で「毛羽立った」といったような意味なんだとか。
歪み系エフェクターの中でも最も歴史が古く、あの伝説のギタリストであるジミ・ヘンドリックスの時代にはすでにファズが登場していました。
音の傾向としてはとにかく歪みが強く、音が潰れてしまうこともよくあります。というか音を潰すことを狙って使うのがほとんどです。
歪みが強すぎるのでピッキングのニュアンスなどを出しにくく、コード感もほとんど出ません。
しかしながら強烈な個性を発揮するエフェクターなので、現代の音楽でもしばしば使われます。


ディストーションサウンドのイメージ
ディストーションは現代のロックミュージックで最も多く使われている歪みエフェクターで、数多くの種類のペダルがメーカーで開発されています、
歪みの強さとしてはファズとオーバードライブのちょうど中間あたりと考える人が多いようです。
ファズよりもピッキングニュアンスやコード感を出しやすいのですが、歪み量はそこそこ多いのでコード・カッティングやアルペジオにはそこまで向きません。
主にパワーコードなどのストロークや、ギターソロなどによく使われます。

オーバードライブサウンドのイメージ
3種類の中でも最も歪み量が少なく、ナチュラルなサウンドを得られるのがオーバードライブです。
もともとはアンプで過大入力した音を再現するために作られたエフェクターということもあり、温かみのあるスムースなサウンドを得られます。
音が潰れず、ピッキングニュアンスやコード感も出しやすいため、カッティングやアルペジオなどにも向いています。
また、比較的深めにかければいわゆる攻撃的なロックサウンドも出せるので、汎用性も高いです。


まとめ
3種類の歪み系エフェクターに、それぞれ明確な定義があるわけではありませんでしたが、それぞれイメージされる音には違いがあるというのが結論になります。
皆さんもエフェクターの購入をするときにはどんな音が出るのかチェックしてから購入してみてくださいね。
それではまた。