音楽で食べていこうと思っている方なら、個人事業主という言葉を聞いたことがあると思います。
個人事業主というのはいわゆる自営業者のことで、音楽で食べている人の大多数がこれに当てはまります。
とはいえ、ほとんどのミュージシャンはそんなことを考えずに音楽を始めるので、個人事業主になるタイミングが分からないことも多いでしょう。
ということで、今回はバンドマンやミュージシャンが個人事業主にになるのにおすすめのタイミングや、個人事業主になることのメリットやデメリットを開設していきたいと思います。
音楽での収入が多くなってきたら個人事業主になることがおすすめ
では、どのタイミングで個人事業主になるべきか、というと「音楽での年間収入が20万円を超えそうになったとき」だと思います。
これはどうしてかというと、確定申告と関係があります。
確定申告が必要なのは主に以下の4つの条件に当てはまる人です。
- サラリーマンやフリーターなど、給与所得を得ている人で、その年の副業所得が20万円以上の人
- アルバイトを掛け持ちしていて、年末調整を受けていないバイトの所得と、副業での所得の合計が20万円以上の人
- フリーランス(個人事業主)の人でその年の事業所得が38万円以上の人
- 年収2000万円以上の人
多くのミュージシャンはアルバイトや会社員として働いている方が多いと思うので、「バンドでの収入が20万円を超えた人」は確定申告が必要になります。
個人事業主にならなくても確定申告はできますが、個人事業主になったほうが税金面でのメリットがたくさんありますので、このタイミングで個人事業主になるのがおすすめです。
もちろん、個人事業主にならなくてもそのままバンド活動を続けることはできますが、収入が増えたら確定申告をしなければならないことに変わりありません。
マイナンバー制度などで税務署のチェックも厳しくなっていますので、いらぬ脱税疑惑をかけられるくらいなら、個人事業主になってお得に確定申告をしましょう。
個人事業主って何?
そもそも個人事業主というのは、読んで字のごとく「個人」で「事業」をする人のことを指します。
つまり、会社などに雇われることなく自分でお店などを経営している人のことです。
個人事業主について厳密に理解するためには、誰が「個人」で、何が「事業」にあたるかということを考えなければいけません。
「個人」というのは皆さん人間のこと。これについては説明はいらないでしょう。
では、何が「事業」なのかというと、簡単に言えば反復・継続・独立している仕事のことをいいます。
なので、自分の音楽が事業にあたるかどうか迷った時は、このことを参考に考えてみましょう。
個人事業主になるメリット
個人事業主になれば税金がかなりお得になることも
個人事業主として稼いだお金は事業所得として計上できる可能性が高いので、さまざまな税金的メリットを受けることができます。
例えば、事業所得の確定申告を青色申告と呼ばれる方法ですれば、10万円の控除を受けられたり、家族に払った給料を経費にすることができたりします。
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その他にも、屋号で銀号口座を開設できるので、経費や収入の計算が楽になったり、税理士に無料相談できる機会が増えたりするなど、様々なメリットがあります。
仕事としてバンド運営をするマインドが養える
金銭的なメリットだけでなく、個人事業主になれば音楽を仕事としてやっていくマインドが養えるのではないでしょうか。
普段、なんとなくバンド活動をやっているとわからなかった経費や収入の流れを意識するようになるので、結果的に音楽で稼げる可能性が格段に上がります。
個人事業主になることのデメリット
失業保険がもらえなくなる可能性がある
個人事業主になると失業保険がもらえなくなる可能性があります。
あなたがメインで働いている会社を辞めたとしても、個人事業主を続けているのなら失業の状態ではないと判断される可能性があるのです。
失業保険を貰うための前提はあなたが失業をしていることですので、個人事業主を廃業しない限りは失業保険をもらえなくなるかもしれません。
扶養に入れない可能性がある
両親や、パートナーの扶養に入っている方は、個人事業主になると扶養から外れてしまう可能性があります。
特に健康保険は注意が必要です。
一般に、健康保険の扶養に入る条件は年収130万円以内といわれていますが、
個人事業主の人が扶養に一切入れないような規則になっているものや、経費を認めず単純に収入だけで判断されるものがあるのでご注意ください。
会社に副業がバレる可能性がある
個人事業主になると音楽を副業としてやっている場合は、会社にそのことがバレてしまう可能性があります。
あなたがお住いの自治体にもよりますが、特別徴収税額通知書という書類が会社に送られ、この通知書の中にはどの所得で申告が行われたか分かる場合があるのです。
雑所得として収入を計上している場合は、何の所得かわからないので副業をしているかどうか分かるわけではありませんが、
事業所得として計上している場合は一発で副業をしていることがバレてしまいます。
会社に副業を隠しておきたいときには雑所得に計上するか、自治体に確認してから事業所得として計上するようにしましょう。
個人事業主になるには「事業届」を提出する必要がある
さて、個人事業主になりたい方は「開業届」というものを税務署に提出する必要があります。
これは「私は個人で事業を営んでいます」と宣言するための書類です。
事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが法律で決められていますが、実際のところ遅れても罰則などは特にないので、どうするかよく考えてから提出してもOKです。
提出の際に屋号を決めることができるので、好きなものを考えておきましょう。
また、青色申告の申請もこのときにできます。
まとめ
個人事業主になると、多少のデメリットはあるものの、さまざまなメリットを受けることができます。
本気で音楽で食べていこうと思っている人ならば、開業届を出して個人事業主になることをおすすめします。
それではまた。