楽曲コンペにメリットを感じないので僕は参加しないことにしました。

  • 最終更新日:2018.12.21
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  • 雑記
楽曲コンペにメリットを感じないので僕は参加しないことにしました。

どうも、サッキー(@sakky_tokyo)です。

突然ですが最近思うところがありまして、楽曲コンペに参加することをやめました

メリットに対してデメリットが大きすぎる気がするんです。

今回はその詳細を記事にして紹介したいと思います。

楽曲コンペとは

まず、楽曲コンペとはなんぞや、ということを説明しますね。

知ってる方は読み飛ばしてしまってOKです。

 

で、楽曲コンペとは何かと言いますと、日本の音楽業界では曲の制作を音楽作家に依頼する方法が大きく分けて2つありまして、1つは「作家を指名して曲を書いてもらう」という方法、そしてもう1つが「作家を指名せず、業界全体の多数の作家から曲を集めてその中から1曲を決める」という方法です。

前者は「決め打ち」と呼ばれ、後者が今回のテーマである「楽曲コンペ」またはそれを略して単に「コンペ」と呼ばれます。

 

コンペがどのように開催されるかと言われますと、ある日突然メールで「コンペシート」と呼ばれる発注書のようなものが作家事務所にばら撒かれます。

そこには以下の様にレコード会社が会議で決めた内容が書かれていますのでそれに沿って制作していきます。

「〇〇(アーティスト名)」の楽曲を募集致します。

 

【アーティスト】

20XX年7月にシングル発売が決まっており、

今年中に関連楽曲を4曲ほど制作をする予定です。

つきましては、下記のような2タイプの楽曲を募集いたします。

 

【募集楽曲イメージ】

コンセプト:

・どこか懐かしさを感じる楽曲でありつつ、今海外で流行しているダンサブルなサウンドを踏襲して20XX年らしさを出したい

・これまでの〇〇のイメージを覆すような楽曲でありながら、既存のファンにも愛されるような楽曲が欲しい

・ライブで盛り上がるようなギミックやインパクトがあると尚良い

・皆が口ずさめる覚えやすく良いメロディであることが大前提です

 

参考楽曲:

AAの「BB」(YouTube等のURL)

BBの「CC」(YouTube等のURL)

あくまでこれらは案ですので、自由な発想の楽曲を広く募集しております。

以上、よろしくお願いいたします。

 

■提出期限(締め切り):

Y月Z日(水)24:00迄

 

そして制作したものを事務所に提出し、事務所がレコード会社に提出します。

 

このようにしてレコード会社に集められたデモは新人アーティストでも通常50~100曲、人気アーティストの場合だとそれ以上です。

その中から1曲だけが採用されるということはつまり、それだけ倍率が高いということです。

 

次にコンペのメリットとデメリットについて見ていきましょう。


コンペのメリット

ベテランも新人も関係ない

コンペという性質上、新人もベテランも関係なく戦うことができます。

指名の仕事がほとんどない新人作家にとっては唯一名前を売るチャンスになります。

当たればかなりの収入になる

もし採用された楽曲がミリオンセールになった場合はかなりの印税収入を得ることができます。

さらに、カラオケの定番曲と呼ばれるような地位を獲得できた場合は長期的な収入になることもあります。

音楽力が上がる

コンペではロックから、演歌、ジャズ、EDMといった幅広いジャンルを募集します。

それらに対応していくためにはそれなりに音楽力が求められるため、やればやるほど音楽力が身に付いていくとも考えられます。

採用されたら他の仕事に繋がる場合がある

コンペに採用された場合、次の指名の仕事に繋がることもあります。

コンペのデメリット

採用されなければ基本的にタダ働き

コンペは採用された曲とだけ契約することになるので、いくら多くのコンペに参加しても採用されなければ金銭的報酬は得られません。

仮歌を他人に頼む場合はマイナスになることも

コンペに提出する楽曲のほとんどは仮歌を入りの指定がありますので、誰かしらに歌を歌ってもらわなければなりません。

自分で歌うことができる場合は良いのですが、自分と違う性別の仮歌で指定されたり、自分と同じ性別でも楽曲の方向性によっては合う合わないがありますので、多くの場合は仮歌シンガーさんにお金を払って歌ってもらうことになります。

つまり、採用されなければ仮歌の料金分だけ損をすることになります。

採用されたとしても印税が少ないことが多い

音楽市場が縮小しつつある現在では、採用されたとしても大した収入にならないことが多いです。

提出してしまった曲は自由に使えなくなる

基本的にコンペに提出中の楽曲は他のコンペに出せません。

不採用になった楽曲は一応自由に使えることになっていますが、事務所によってはそのまま営業に使うので一度事務所に提出してしまった楽曲は自分で自由に使うことができなくなることがあります。(僕の事務所がそうです)

だから僕はコンペに出すのをやめた

さきほどの様に考えるとメリットに対してあまりにデメリットが大きすぎる気がします。

90年台の様にCDが売れまくった時代ならメリットもそれなりにあったと思いますが、現在はCDもダウンロード販売も売上減。今はストリーミングが全盛です。

月1000円もしないで聴き放題のサービスが全盛の時代に、1枚数千円のCDが100万枚売れた時代のような収入を得ることはまず無理でしょう。

音楽の趣味が多様化した昨今ではロングヒットする作品が生まれにくいため、カラオケ印税も続いて数年でしょう。

 

そして何より、コンペに出した曲を自分で自由に使えなくなるのはかなり痛いと感じました。

コンペに落ちた曲をYouTubeに公開して広告収入が得られるかもしれませんし、ストック販売型のサービスに登録して収入を得られるかもしれません。

今は誰もがネット上で自由にミュージックビデオを公開したり、音源を配信出来る時代です。

メジャーでCDが1万枚売れても10万円程度しか印税収入が得られませんが、自力で1000円のアルバムを配信した場合、100枚程度売ればメジャーでCDを1万枚売るのと同等の利益にはなります。

 

またメジャーで実績を作る意味もあまりないのでは?と最近では思うようになりました。

以前は「メジャーで実績を作れば知名度を得られる」と思って頑張っていましたが、一体どこの誰がアイドルやシンガーソングライターに楽曲提供した作家の名前を調べるのでしょうか?

一部の人は調べて僕まで辿り着いてくれた人もいましたが、別にその方はそのアーティストが好きなのであって、僕の個人的な活動にお金を払ってくれるわけではありません。

要するに、いくらメジャーで音楽作家として実績を作ったところで、その実績が通用するのは「日本の音楽業界」という閉じた世界の内側だけです。

現在、日本の音楽はほとんど内需だけで消費されていますが、少子化の煽りを受けてその内需はどんどん減っていきます。

つまり今後はどんどんと海外に音楽を売り出さなければ日本のミュージシャンは生きていけません。

海外に売り出す能力に乏しい日本の音楽業界で実績作りに専念するよりも、自分自身が直接海外にアピールしたほうが今の時代だと効率がよさそうじゃないですか?

 

僕の身近には、メジャーでの実績を後ろ盾にDTM講師をやっている作家の方が多数いるため、僕も講師で食っていければいいやと思った時期があります。

しかし冷静に考えると、僕は別に人に教えるために音楽をやってきたわけではありません。(僕の先輩方には講師業のほうでそれなりに収入を得ることに成功し、作家業がほぼ副業になっている方が多数いますが、大体死んだ目をしてしています…)

 

そんなこんなで僕はコンペに出すことをやめました。

今後としては自分自身の活動に力を入れていきたいと思っています。

 


おわりに

繰り返しになりますが、今は誰でもネット上でリスナーの方から直接お金を受け取れる時代ですので、わざわざコンペで疲弊しなくてもいいのではないでしょうか。

こんな愚痴みたいな記事になってしまいましたが、この記事が皆様の役に立てば幸いです。

ではまた会いましょうサッキー(@sakky_tokyo)でした。

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