どうも、作曲家のサッキー(@sakky_tokyo)です!
最近は日本でもEDMなどがかなり受け入れられてきて、ダンスミュージックが人気になってきていますよね。
それにともなってDTMでダンスミュージックを作りたいと思っている人が増えているんですが、想像よりも難しくて挫折してしまう人が後を絶ちません。
特に初心者にとって難しいのがMIX(ミキシング)と呼ばれる、音を混ぜる作業ではないでしょうか。
ダンスミュージックのMIXは他のジャンルにはない特有の処理などもありますので、今までにロックなどを作ったことがある人でも苦戦する作業です。
そこで、この記事ではダンスミュージックの鬼門、MIXのやり方やコツについて基本的な部分を解説していきたいと思います!
初めて曲を作る方はもちろん、今までロックなどのバンド系音楽を作ってきた人が初めてダンスミュージックを作るときにも参考になる内容なので、ぜひチェックしていってください。
【今回の動画】
YouTubeでこの記事と同じ内容の動画を公開しています!
音声やデモソング付きで内容をチェックしたい方はYouTubeの動画から、文字で読みたい方はこのままこの記事を読み進めてみてください。
ダンスミュージックの主役はメロディじゃない!
突然ですが、実際にダンスミュージックのミックスをやる前に考えてほしいことがあります。
それは「ダンスミュージックの主役は何か」ということです。
恐らく多くの人がメロディやボーカルといったパートを挙げるのではないでしょうか。
ですが、ぶっちゃけてしまうとこれは間違い。
では何がダンスミュージックの主役なのかというと、結論からいえばキック(バスドラム)です!
それに次いでというか、ほぼ同じくらいなのがベース。
その後にボーカルやメロディが来るといった感じ。
つまり
キック(バスドラム)≧ベース>ボーカル・メロディ
ということですね。
なぜこういう順番なのかというと、そもそもダンスミュージックは洋楽から発展した音楽ジャンルです。
海外ではクラブやパーティーを想像してもらえればわかりますが、音楽というのは踊るために作られています。
その中でもダンスミュージックは「ダンス」と銘打っていることもあり、普通の洋楽以上に踊れることにスポットライトを当てて作られているわけです。
なので、踊りやすいようにリズムを強調する必要があるので、リズム楽器の根幹をなすキックやベースが主役になってきます。
実際にミックスをするときにもこのことを意識して音量バランスを整えていくとやりやすくなるので、ダンスミュージックの主役はキックやベースといったことを肝に銘じておきましょう。
ミックス実践編
ダンスミュージックの基本的な考え方を押さえたうえで、早速ミックスの実践編に移りたいと思います。
まずは音選び
ダンスミュージックのミックスをする上で一番重要になってくるのが、「まずは音選びをこだわる」ということです。
難しい音楽理論や高度な演奏技術などはダンスミュージックには必要ではありません。
いかにかっこいい音で踊らせるかというのがダンスミュージックでは重要になってきます。
なので、かっこいい音を選んでこないとおしまいなんです。
よく、気に入らない音をミックスでどうにかしようと考えている人がいますが、まったくオススメできません。
そうではなく「気にいるんだけどこの曲にはちょっとだけ違和感があるな」という音を加工してフィットさせるくらいがダンスミュージックのミックスです。
なので、ダンスミュージックでは作編曲・ミックスを同時進行でやるようにしてください。
そうすることによって、音が気に入らなかったとしても、すぐにシンセのプリセットやサンプル音源など音選びに戻って作業できるようになります。
できるだけ完成形に近い状態を耳で聴きながら楽曲制作をすることができるのもこの制作方法のメリットです。
この方法は普段バンド系の音楽を作っている人からすると邪道っぽいと感じるかもしれませんが、僕はマスタリングも同時でやっているので、さらに邪道。
ダンスミュージックは全てを同時進行で作る人が多いので、そういったスタイルを取り入れて行くとダンスミュージックらしい音作りが可能になってきます。
ベースはサブベースがメイン
ダンスミュージックのベースは大きく分けて2種類あります。
1つは他の音楽ジャンルでも使われるような普通のベースですが、もう1つ「サブベース(Sub-Bass)」と呼ばれるベースがあるんです。
このサブベースの「サブ」は「サブタイトル(副題)」などに使われる「副」という意味ではなく、「サブウェイ(地下鉄)」などに使われる「低い、下の」という意味の「サブ」ですから気をつけておいてください。
むしろダンスミュージックではサブベースこそがメインのベースになってきます。
さきほども書きましたが、重低音こそがダンスミュージックの主役。
サブベースがないダンスミュージックは、バンズにレタスだけ挟んでハンバーガーと言ってるようなもんです。
どんな音か確認したい方は下の動画で時間指定してあるので、チェックしてみてください。
サブベースは、普通のベースの1オクターブ下でSineを鳴らす方法が一般的なので、知らなかった人はぜひ覚えておきましょう。
キックとベースを共存させるためのサイドチェインコンプ
低音域は音がぶつかると濁ってしまうので、バンド系の音楽などの場合、ベースとキックの帯域を分けるのが一般的ですよね。
ですが、ダンスミュージックの場合、キックもベースもとても低いところで鳴るので、帯域を分けられなくなってしまいます。
そこで活用したいのが、サイドチェインコンプやダッキングと呼ばれるテクニックです。
このテクニックではキックが鳴っている一瞬だけベースの音量を落とし、キックが消えたらベースが再び鳴ってくるという処理をします。
上の画像では赤い矢印の部分でキックが鳴るのですが、そのときにボリュームのオートメーションでベースの音量を落としています。
このようにオートメーションを書く方法以外にも、サイドチェインコンプという名の通り、コンプレッサーのサイドチェイン機能を使う方法もあります。
この辺は音作りの好みなので、いろいろと試してみてしっくりくる方法を見つけてみましょう。
ちなみに、サイドチェインコンプはベース以外にもいろいろなパートに使われています。
一瞬で音量が落ちることで独特のうねりを出すことができ、それがダンスミュージックらしさを演出するので、ぜひサイドチェインコンプのやり方はマスターしておいてください。
シンセの音作りをかっこよくする方法
シンセの音作りがうまくいかなくて悩んでいる人は結構多いんじゃないでしょうか。
そんなときにはミックスでどうにかするよりも、適切なプリセットを選んで来るとか、レイヤーで音作りをするという方法がオススメです。
プリセットを選びは好きなものを選んでくればいいので、詳しい説明は割愛しますが、僕はSpliceでプリセットを探すことが多いです。
レイヤーについて解説しておくと、レイヤーというのは日本語でいう「層」で、音楽制作では複数の音を重ねて音作りをすることをレイヤーと言います。
サウンドを確認したい方は下の動画で該当部分を時間指定してあるので聴いてみてください。
違う質感のサウンドを組み合わせることで、新しいサウンドを作り出せるので、ぜひ音作りの選択肢に入れておきましょう。
サウンドエフェクト
あとダンスミュージックに特有なものといえば、楽曲を盛り上げるためのノイズなどのサウンドエフェクトをたくさん使うということも挙げられますね。
そうすることによって楽曲の雰囲気をよりゴージャスに演出することができます。
これもミックスというよりもアレンジメントの分野になってきますが、ゴージャス感が足りなくてミックスでどうにかしようとしている人が多いので一応紹介しておきます。
上の画像はYouTubeの動画で使っている曲のサウンドエフェクトです。
たくさんの種類のサウンドエフェクトを使用して、音の質感をコントロールしているのが分かると思います。
まとめ
以上がダンスミュージック向けMIXの解説でした!
最後に今回の記事で特に重要なことをまとめておくと
- ダンスミュージックの主役はキックやベースの低音楽器
- MIXよりもまずは音作りをこだわる
この2点がとても大切になってきます。
初心者の方はとりあえずこの2つを頭に入れながら楽曲制作をしてみてください。
また、筆者はダンスミュージック関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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