今回はFuture Bassでよく使われるシンセの音作りを解説していきたいと思います。
具体的には、以前ツイートしたこんな感じの音です。
Future Bassだと、こういったサウンドをよく耳にしますよね。
今回はこの音をSerumというシンセで作っていきましょう。
音作りのコツは2つ
まずはこういう音を作るためのコツを解説しておきます。
コツは以下の2つ。
- レイヤー
- 音を揺らすバリエーション
それぞれ解説していきます。
レイヤーについて
レイヤーは日本語で言うところの「層」で、複数の音を重ねて音作りすることを言います。
さっきの音も実は2つのサウンドを同時に鳴らしていて、「芯となる音」+「まわりを包み込む音」という意識で今回は音作りをしています。
1トラックだけでは難しい音作りも、レイヤーするだけで作りやすくなるので、EDM系のジャンルでは必須テクニックです。
音を揺らすバリエーションについて
Future Bassに限らず、ダンスミュージックでは音を鳴らしながら変化させるサウンドがよく使われます。
今回のシンセサウンドもあの手この手で音を変化させて作っているので、ぜひさまざまな揺らし方を覚えておきましょう。
揺らし方は大きく分けて3つあります
1つ目が「エンベロープ」、2目が「LFO」、3つ目が「オートメーション」です。
シンセに詳しくない人もいると思うので簡単に違いを説明しておきます。
- エンベロープ:鍵盤を押したらシンセが1回だけ自動で音を揺らしてくれるという揺らし方です。
- LFO:シンセが自動で変化させてくれるのはエンベロープと同じですが、鍵盤を押している間、音が周期的に変わり続けます。
- オートメーション:シンセではなくDAWに設計図のようなものを書いてそれ通りに変化させてくれます。
この3種類の揺らし方をシンセのボリュームなどのパラメーターに割り振ることで、音に変化を付けていくとしっかりとしたサウンドが作れます。
実際にFuture Bassサウンドを作ってみよう!
ということで、先程の「レイヤー」「音の揺らす」というのを踏まえて、冒頭のシンセの音を作っていきましょう。
今回はSerumというシンセを使いますが、Massive XやSylenth1、Spireなど他のシンセでも使い方さえしっかりわかっていれば似た音は作れるようになるので安心してください。
「芯となる音+周りを包む音」の2種類をレイヤーさせていくので、最初は「芯になる音」から作っていきましょう。
芯となる音の作り方
結論からいえば、この画像の通りにセッティングすれば音が作れます。
SerumのFX(エフェクト)は使っていないので、この画面をそのまま真似すればOKです。
一応文章でも解説しておきましょう。
まずはOSCの1つ目について。
波形を「Basic_McB」にして、Wavetableの位置を10時あたりに変えます。
そしてUNISONを増やして音に厚みを出します。このとき、芯になる音はDetuneをかけすぎると音像がぼやけてしまうので、そこまで強くかけないようにしてください。
LFOはボリューム、とWARPの「Bend-」に対してかけていきます。
2つ目のOSCは1つ目のOSCに華やかさを添えるイメージで作っていきます。
波形はそのままSAW。
そして華やかさということでOCTを1上げ、UNISONも増やし、ほどほどにDetuneをかけましょう。
こちらも同様にボリューム、「Bend-」大してLFOをかけます。
さらにアタック感を出すためにノイズを追加します。
ノイズはホワイトノイズを選ぶといいでしょう。
このOSCとノイズの音をローパスフィルターに放り込んで、カットオフに対してもLFOをかけます。
1つ目の芯となる音についてはこれで完成です。
「包み込む音」の作り方
2つ目「包み込む音」を作っていきます。これは簡単です。
まずはOSCの波形はどちらもSAWを選び、片方をオクターブあげます。
さらにボイスを増やして、今度はDetuneを強めにかけることでふわっと感が演出しましょう。
こちらの音はボリュームと「Bend-」にLFOをかけるだけでOKです。
さっきみたいにフィルターLFOをかけるとまとまりすぎて包み込む感じがなくなってしまいますので注意。
コンプとリバーブで最終調整
これだけでも良いんですが、実はもうちょっと手を加えるとさらにそれっぽくなります。
たとえば、おなじみサイドチェインコンプをかけて音をうねらせるとか。
僕の場合はボリュームのエンベロープでサイドチェインを再現することが多いです。
そっちのほうが自由度が高いので。
最終的にはマルチバンドコンプやリバーブをかけて音にお化粧をしていきます。
僕はOTTという無料のマルチバンドコンプをよく使います。
OTTは無料ですが、海外の超有名DJも使っているので、ぜひゲットしてみてください。
おわりに
解説は以上となります。
まとめておくと、「レイヤー」と「音の揺らし方をたくさん知っておく」というのが大切です。
この2つをしっかりと押さえておけば、大抵の音は自分で作れるようになるはずです。
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