ミックスのクオリティが低くて困っているDTMerやMIX師の人はたくさんいると思います。
そんな皆さんにオススメしたいミックステクニックの一つとして「リファレンス音源の活用」というものがあります。
今回はそんなリファレンス音源の選び方と使い方について詳しく解説していきましょう。
リファレンス音源とは
リファレンスは英語でいうところの「reference」で、「参照する」や「参考にする」といった意味があります。
ということは「リファレンス音源」という言葉は「参考音源」という意味。
ですが、一言にリファレンス音源といっても、いろいろな意味が含まれていたりもします。
例えば、趣味として音楽をリスニングしている人たちの間では、ヘッドホンやスピーカーの性能を確かめるための参考音源として、リファレンス音源という言葉を使ったり。
音楽制作の現場では主に作曲やミキシングの際のお手本となるような音源のことを指す場合が多いです。
このページでは、ミックスでのリファレンス音源について解説するので、「ミックスでの参考になるような音源」という意味でリファレンス音源を使うことにしましょう。
リファレンス音源の選び方
さて、リファレンス音源という言葉の意味がわかったところで、実際にリファレンス音源を選ぶときの条件を解説していきましょう。
筆者がミックス用のリファレンス音源を探すときには以下の3つのポイントを条件にしています。
- 制作している楽曲とジャンルや方向性が似ているもの
- 世間一般のリスナーから評価が高い音源
- 高音質音源が手に入れられるもの
①については言うまでもないでしょう。
全くジャンルや方向性が違う音源を選んでもあまり参考になりません。
②については、音源の信頼性に関わってきます。
世間一般のリスナーから高い評価を受けている音源というのは、裏を返せばその曲のミキシングを世間のリスナーが好意的に受け入れたということ。
ミキシングに正解はないとよく言われますが、一般リスナーが好むミキシングとそうではないミキシングは確かに存在するので、売れている音源のほうがリファレンスとしての信頼度は自然と高くなります。
しかも、有名なアーティストの曲は担当しているエンジニアも凄腕の人ばかりなので、リファレンスにはぴったりです。
③はミキシングの効率をよくするための条件です。
いくら自分の曲と方向性が似ていて、世間からの評価が高い音源だったとしても、低音質な音源しか入手できなかったら意味がありません。
最低でもCD音源と同等の音質ではないとリファレンス音源としては厳しいと思います。
これらの条件に当てはまる曲を探そうとしても、簡単に見つからないときもありますよね。
そんなときは、売れている洋楽の中から制作している曲と同じジャンルの曲を選んでおけば、ほぼ間違いありません。
海外の有名音楽チャートから上位の曲を何曲か試聴して、よさそうな音源をピックアップしましょう。
筆者の場合はビルボード・チャートのこのページの下にある、ジャンル別のチャートをよく参考にしています。
リファレンス音源の使い方
リファレンス音源の選び方はわかりましたか?
最後にリファレンス音源のおおまかな使い方を解説します。
MIXの比較対象として
リファレンス音源の基本的な使い方ですね。
新しく立ち上げたトラックにリファレンス音源を貼り付けて、いつでも聴けるようにしておくととても便利です。
リファレンス音源はマスタリング済みのものがほとんどだと思いますので、ゲイン(音量)をミキシング中の曲に合わせておくのも忘れずに。
また、リファレンストラックにアナライザーを入れておくと、自分のトラックとの違いが視覚的にもわかりやすくなります。
特にミックス初心者は耳だけでマネしようとしても上手くいかないことがほとんどだと思いますので、アナライザーは必須です。
耳をフラットな状態に戻す
ミックスが長丁場になってくると、耳が音源に慣れてしまい、判断力が鈍ってしまうのはよくあることです。
そういうときには適度に休憩を挟むのはもちろんですが、リファレンス音源を使って耳をフラットな状態に戻すと作業が捗ります。
具体的には休憩をした後に、リファレンス音源を30秒ほど聴けば大体フラットな状態になるので、作業の復帰後は適切な判断力が戻ると思います。
モニター環境の調整
リファレンス音源はモニター環境の調整にも便利。
外出先などで普段とは違ったモニター環境で作業するときには必ずリファレンス音源を持参しましょう。
こういう場合のリファレンス音源は、普段のモニター環境で何回も聴いた耳に馴染みがある音源がオススメです。
普段から何十回も聴いている音源だとミックス感も覚えていると思うので、その曲を聴きながら周波数特性や音の広がり方など、モニター環境のクセの違いを洗い出していきます。
例えば、普段のモニター環境よりも100Hz以下の低音が出ていないと気付いたときには、それに気をつけながら作業をしていきましょう。
もしスピーカーやヘッドホンが普段使っているものよりもクセがかなり違う場合は、全体の出音をEQで調整するというのも一つの手段です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
リファレンス音源があるのとないのとではミックスのクオリティがかなり違ってきます。
これまでミックスが上手く行かなかった人だけでなく、ミックスのクオリティにばらつきがあって困っている人にもリファレンス音源は有効です。
このページを参考にして、ぜひ活用してみてください。
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