【DTM】なぜ「プロ・上級者はトラック数が多い」と言われるのか?

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DTMをやっていると、「プロはトラック数が多い」ということを聞ことがあるんじゃないでしょうか。

雑誌やインターネットの記事をみると、プロが自身のDAWの画面を公開していたりします。

20~40はまだしも、ときには100を超えるおびただしい数のトラックが並んでいることもありますよね。

ちなみにこんな本もあります。

こういうものを見ると初心者の方は「俺の曲、10トラックしかないんだけど大丈夫なの?」と心配になるかもしれません。

ということで今回は、なぜプロはトラックの数が多いのか、そして、プロクオリティの楽曲を作るためにはトラックを増やしたほうがいいのかということについて書いてみたいと思います。

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必ずしも「トラック数の多さ=曲の良さ」ではない

まず最初に断っておくと、単にトラック数が増えたところで曲がよくなるわけではありません。

確かに音数が増えれば聴きごたえのある、ゴージャズな印象になります。

しかしながら、音数が少なくてもカッコいい楽曲はたくさんありますよね。

ボーカルとギターだけの弾き語りや、ピアノソロの曲もたくさんあります。

なので、シンプルなほうがカッコいい曲なのに、トラック数を増やすためだけに楽器を足したりすることはないです。

それに、トラックの数と音色の数は必ずしも関係があるものではありません。

これらを理解しないと、「上級者のトラック数は多い=上級者は音数が多い=上級者になるためには音数を増やさなければいけない」と勘違いしてしまいます。

なぜ上級者のトラック数は増えがちなのか?

先ほどのように、べつにDTM上級者の作る楽曲は音数や楽器の構成数が多いというわけではありませんし、

トラック数を意図的に増やしたところで「いい曲」になるわけでもありません。

しかしながら、DTMに慣れて、技術が身についてくるとトラック数が増えてくるという傾向は確かにあります。

同じ楽器構成で楽譜的には全く同じ曲をDTMで作った場合、初心者より上級者のほうがトラック数が多くなるんじゃないでしょうか。

今回はこの原因を説明してみましょう。

音作りのため

音作りを追及していくとトラックは増えがちです。

具体的に言えば、上級者は音作りのために、もともとは同じ内容の1つのパートを複製して帯域ごとに処理を変えたり、同じフレーズでも異なる音色の楽器を重ねて音に深みを加えたりします。

たとえば、これは有名なティップスですが、EDMなどのベースを作るときは通常のベースに加えて、超低音域を補強するための「サブベース」という音色を作ります。

また、ギターやベースがメインのバンドサウンド楽曲でも、ドラムのパーツごとにトラックを分けたり、ギターでもコード弾きと単音弾きでトラックを分けたりすることも有名な方法ですよね。

ミックスが楽だから

オートメーションを書けば済むところも、音量管理を簡単にしたり、シーケンス画面を視覚的にわかりやすくしたりするために、トラックを分ける場合があります。

例えば、僕は同じ音色の楽器をAメロ、Bメロ、サビで3つに分けることがあります。

こうすることで、セクションごとの音量管理が楽になるんですね。

Bメロに比べてサビの音量を上げたいとき、サビに鳴るトラックだけを集めてバスでまとめておくと簡単に操作できます。

それ以外にも、ドラムのタム類をまとめたバストラックを作ったり、ボーカルをダブルで重ねたり、いろいろと試行錯誤をすることが多いです。

ワンショットの効果音などが増えるから

クラブ系などに顕著ですが、声ネタやライザーノイズ、インパクト系の効果音、昔ならオケヒットなどを楽曲の彩りのために追加しますよね。

これらのワンショット効果音は楽曲全体を通して鳴っているわけではありませんが、1トラック使います。

最近はバンドサウンドの楽曲でも、クラブ系っぽいアレンジの楽曲も増えているので、効果音でトラックが増える傾向があるんじゃないでしょうか。

目立つわけではないが、聴覚上重要な音を追加するから

効果音と重複するところがありますが、トラックの帯域バランスや奥行きなど考えて、目立たない音を追加することが多いです。

高音域が足りないときには、高音域を補うシンセを入れたり、奥行きを出すためにパッド系の音色を入れたりします。

最初からトラックが多いわけではない

トラック数が増える理由は説明した通りですが、重要なのは「最初からトラック数を多くしよう」と思っているわけではないということです。

「なんとなく音に深みが足りない」から、「プロジェクトを楽に管理したい」から、トラックが増えるのであって、

現状が満足できる音で、管理もそこまで大変ではないのなら楽器やトラックをむやみやたらに増やすことはありません。

世の中には、ボーカルとギター1本だけの弾き語りだけでも素晴らしい世界観を持っている楽曲や、ピアノだけのクラシック曲など、

トラック数が少なくても多くの人を感動させる音楽がたくさんあります。

必要なら増やす、いらないならそのまま。

肝心なのはそれを判断できる耳を育てることではないでしょうか。

個人的にはそう思っています。

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