音楽番組でよくある「当て振り」の見抜き方をミュージシャンが紹介します

音楽番組でよくある「当て振り」の見抜き方をミュージシャンが紹介します

音楽番組を見ているとき「あれ、動きと音が合ってないな?」と思ったことはありませんか?

それは当て振りが原因。

歌の「口パク」だけでなく、楽器も演奏していないことがあるんです。

今回はそんな当て振りの見抜き方をミュージシャンである筆者が解説します!

 

当て振りとは

まず「当て振り」とは何なのかということを簡単に解説しましょう。

当て振りというのはバンドなどでミュージシャンが音に合わせて「演奏したフリ」をすること。

ボーカルなら口パクですね。楽器の場合、口パクを文字って「手パク」という人もいるようです。

単純に言えば「ギターを持ってエアギターをする」みたいな感じですね。(ギターだけではありませんが)

 

最近ではアーティストやバンドのボーカルが口パクをしていることがよく問題になっていたことから、歌の口パク自体は減ってきました。

ですが、演奏に目を向けてみると、まだまだ当て振りが多いというのが実態。

「歌だけ生で演奏が当て振り」といった音楽番組が多く、本当にカラオケをしているのと同じになっています。

 


なぜ当て振りをするのか

問題になるなら、なぜ当て振りを止めないのか?と疑問に思う人もいるでしょう。

実際には当て振り反対派のアーティストも多いのですが、さまざまな理由から音楽番組ではまだまだ当て振りが多いんです。

その理由を解説しましょう。

 

トラブル防止

音楽番組は生放送が多いですよね。

限られた時間のなかで様々なアーティストが1~2曲だけ披露するパターンがほとんどだと思いますが、アーティストによって使う楽器や人数が違うので、もし生演奏になると準備に相当時間がかかってしまいます。

それにもし途中でギターの弦が切れたり、アンプの音が出なくなったりしたときには予備の機材が必要になりますし、生放送だと持ち時間がかなり短いので演奏のやり直しも難しいでしょう。

そういった準備時間の削減やトラブルの防止のためにやむを得ず当て振りをする番組も多くあります。

 

費用の削減

ライブの演奏をそのままテレビに流すとどうしても音がしょぼくなってしまうんです。例えばiPhoneのカメラでそのままライブを録音したらしょぼい音ですよね?そんな感じです。

なので、マイクなどの別の機材を用意しなければいけませんし、音を混ぜたり調節したりする専門のスタッフも必要になります。

こういった機材の費用やスタッフの人件費も当て振りなら削減できるわけですね。

 

そういう音楽性

昔は当て振りを隠すアーティストが多かったですが、最近ではゴールデンボンバーなど当て振りを公言するアーティストも出てきました。

もちろん、そういう「ネタ」的な当て振りだけでなく、例えば激しいダンスパフォーマンスがメインのため息切れで歌えないアーティストや、エレクトロ系で加工した声を持ち味にしているアーティストなど、音楽性的に当て振りにせざるを得ない人たちもいます。

 

当て振りの見抜き方

当て振りを見抜く方法をいくつか紹介しましょう。

動きと音が違う

これが一番目立ちます。

音楽経験がない人でも、さすがにボーカルの口の動きと歌詞が違ったら口パクって分かりますよね。

それと同じようにギターやベース、ドラムなども音楽を経験している人なら「あ、この動きは当て振りだな」って気付いてしまうんです。

例えばギターの指の動きと音程が違ったり、ドラムの動きと出ている音が違うと当て振りだろうなってなりますね。

 

バンドなどの経験がない人でも簡単に見抜くには、音のリズムと動きのリズムの違いを観察する方法が分かりやすいでしょう。

基本的にテレビの映像と音に遅延(音ズレ)はほとんど無いはずなので、ちょっとでも音と動きのリズムがズレていると怪しいです。生放送だと特に。

 

アンプの電源が点いていない

ギターとベース限定の見抜き方としてはアンプの電源があります。

アンプというのはギタリストやベーシストの後ろに立っている大きなスピーカーのようなもので、これからギターやベースの音が出るわけです。

アンプは電源を入れないと使えないので、ここを見れば当て振りかそうではないか予想できるんですよね。

 

大抵のアンプは電源がオンになっていると電源ボタンが赤く光ります

 

とはいえアンプの電源ボタンが映るのは一瞬ですし、明るいステージだと電源が点いていてもわかりにくいので、見て判断するのは厳しいかもしれません。

 

マイクが立っていない

楽器の音を録音するにはマイクが必要です。

つまり、マイクが立っていないと録音できないので、当て振りかどうか判断できるわけですね。

 

ギターはアンプの前にマイクを立てて録音するのでよく見てみてください。(ベースは直接録音することが多いので、マイクが立っていなくても大丈夫)

 

一番分かりやすいのがドラム。

ドラムは大量にマイクを立てて録音するのが普通なので、立っていないとすぐに当て振りが分かってしまいます。

流石にドラムにマイクが立っていないのは分かりやすすぎるので、最近では当て振りでもドラムにだけダミーのマイクが立っている音楽番組も多いですが……

 

シールドが挿さっていない

エレキギターやベース限定の見抜き方としてシールドがあります。

シールドというのはギターやベースとアンプを繋ぐためのケーブル。

下の画像でいうなら黄色枠の部分にあるケーブルがシールドです。

これが挿さっているかどうかを見るのも当て振りかどうか判断できます。

最近だとワイヤレスタイプのものもあるのですが、結局ギターのシールドを挿す場所に挿し込んで使うので、この場所に何も挿さっていなかったらほぼ100%当て振りです。

 


おわりに

いかがでしたでしょうか。

当て振りの見抜き方をいくつか紹介しましたが、前述のように当て振りをしたくなくてもしなくてはいけないという事情もあります。

見抜いたとしてもSNSなどで安易に叩かず、さまざまな事情を推し量ってみてはいかがでしょうか。

それではまた。

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