DTMでメインに使うソフトのことをDAWと言います。
DAWにはたくさんの種類がありますが、どれを選んだら良いのかわからないという人も多いんじゃないでしょうか。
そもそも、これから音楽制作を始めようと思っている人にとってDAWというのはなかなか馴染みがない言葉ですよね。
DAWというのは「Digital Audio Workstaion(デジタル・オーディオ・ワークステーション)」という言葉の略で、パソコンを使った音楽制作の中心的な役割を担うソフトです。
現代の音楽制作では、DAWの内部でギターやベース、ボーカルのレコーディングをしたり、シンセやピアノといった音源のソフトを打ち込んだりと、音楽制作には欠かせない存在になっています。
今回は作曲家でもありギタリストでもある筆者サッキー(@sakky_tokyo)が、DAWの選び方から初心者でも使いやすい定番・おすすめのDAWまでをしっかりと解説していきましょう!
まずは選び方から解説するので、すぐにオススメDAWをチェックしたい人は下からジャンプしてみてくださいね。
DAWの選び方
まずはDAWを選び方をざっくり紹介していきます。
DAWを選ぶときに注意すべきポイントは主に以下の3つ!
- DAWの得意分野(ジャンル)はなにか
- DAWのグレードはどれにするか
- 付属音源やエフェクトの質
それぞれを簡単に解説していきましょう。
DAWの得意分野はなにか
今はどのDAWも高性能なので、最終的な曲のクオリティはDAWによって左右されることはありません。
基本的にひとつのDAWでどんなジャンルの曲も作ることができます。その点はどれを選んでも変わりません。
しかしながら、DAWにはそれぞれ得意分野もあるので、作りやすいジャンルというのも変わってきます。
例えばAbleton LiveやFL Studioはダンスミュージックが得意、ProToolsはオーディオ編集が得意とよく言われるDAW。
もしあなたが特定ジャンルの曲を沢山作るつもりなら、そのジャンルが得意なDAWを選んだほうが無難でしょう。
そのほうが作業効率もアップしますし、情報交換もしやすいです。
DAWのグレードはどうするか
同じDAWでも下位グレードや上位グレードがあり、値段や機能が変わってきます。
例えばCubase上位バージョン「Cubase Pro」と下位バージョン「Cubase Artist」では値段が2万円近く違い、上位グレードにしかついていない機能もあります。
これはCubaseに限ったことではありません。
「このDAWのあの機能が使いたかったのに」とならないように、グレードによって何が変わってくるかをしっかりとチェックして購入しましょう。
付属音源やエフェクトの質
DAWにはエフェクトや音源プラグイン、ループ素材などが付属しているものも多いです。
初期費用がそこまで用意できない人などでも、これらの付属音源やプラグインが充実したものを購入すれば本格的な音楽制作がすぐに始められます。
DAWのに付属している音源やエフェクトの質が高ければ、最初からクオリティが高い音源が作れるので、ぜひチェックしておきましょう。
【無料あり】定番・オススメのDAW 7選!
選び方がわかったところで、実際に初心者にオススメのDAWを紹介していきます。
結論から言えばオススメDAWは以下の通り。
- Cakewalk By Bandlab(無料)
- Steinberg Cubase
- Ableton Live
- PreSonus Studio One
- Image-Line FL Studio
- Apple Logic Pro
- Avid Pro Tools
それぞれを詳しく解説していきましょう!
最高峰の無料DAW「Cakewalk By Bandlab」
- 完全無料のDAW
- もともとは「SONAR」という有料DAW
- 以前は有料だったものが無料になったのでかなり高性能
- もちろん日本語対応済み
- Mac非対応
Cakewalk By Bandlabは、以前は「SONAR」という名前の有料DAWでした。
しかしながら会社の経営難によりSONARの存続が不可能になり、他の会社が買収。
最終的にBnadlabが引き継ぎ、無料のDAWとして復活を果たします。
そんな経緯があるDAWなので、無料とはいえ性能は有料DAWと匹敵するレベルです。(もちろん無料DAWということで付属のエフェクトや音源は少なくなってしまいましたが)
無料DAWなので今後の開発など、将来性を疑問視する声もありますが、現時点でそこまで問題があるわけではありません。
続くかわからない初心者DTMerのファーストチョイスには最適だと思います。
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日本国内トップシェア!「Steinberg Cubase」
出典:amazon.co.jp
- 国内シェアトップ
- コードアシスタント機能など初心者に嬉しい作曲補助機能も搭載
- HALion Sonic SEというマルチ音源が付属し、届いたその日から本格的な音楽制作ができる
- 64bit floatに対応し、音質がよくなった
Cubaseは日本国内シェアがトップクラスのDAWで、プロ・アマ問わず、多くのミュージシャンが使用しています。
国内シェアが非常に高いということもあり、日本語での情報が非常に豊富。
何か困ったことがあったら日本語で検索し、問題が解決しやすいというメリットは英語が苦手な人にとっては助かりますよね。
Cubaseの特徴としてまず挙げられるのが、なんでも高機能にこなしてしまうということ。
そもそも、まともに使えるDAWが少なかった時代からCubaseは存在してきたので、DAWの歴史を切り開いてきたソフトでもあります。
今となってはさまざまな高機能DAWがありますが、それらの機能を発明してきたのがCubaseなのです。
そういった経緯から、CubaseはDAWに関する、ありとあらゆる機能が揃っているといっても過言ではありません。(その分操作が複雑で、仕組みを理解するのが難しいという人もいます)
機能面で初心者が嬉しいものの一つに、例えばコードアシスタント機能というものがあり、ワンクリックでいろいろなコードを瞬時に入力が可能です。
それ以外にもVariAudioというピッチ修正ソフトが付属していて、Cubaseのコード機能と組み合わせれば自動で歌のハモリが作れたりもします。
また、ボーカロイドを使用する、いわゆるボカロPにも人気があります。
CubaseではVOCALOID Editor for Cubaseという、DAWと連動して動かせるボーカロイド用エディターが使用でき、これがあればDAWの内部だけでボーカロイドの打ち込みが大幅効率アップ。
この機能のために、ほかのDAWから乗り換えるボカロユーザーも多いようです。
最近では64bit floatの処理にも対応し、音質が高まったことでますます注目を集めています。
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海外人気トップ!「Ableton Live」
出典:amazon.co.jp
- 海外でのシェア率トップクラス
- EDMなどのダンスミュージックが作りやすい
- ライブなどでのパフォーマンスにも最適
- さまざまなメーカーがAbleton Liveに最適化してある機材を出していて、それを使えばすばやく作業ができる
Cubaseが国内で最も人気のDAWではありますが、世界で一番人気なDAWがAbleton Liveと言われます。
主にエレクトロ系やダンスミュージック系など、ループベースの音楽が得意なDAWで、数多くのEDMプロデューサーが使用していることで知られます。
(もちろん、これらの音楽だけしか作れないというわけではなく、バンドサウンドやJ-POPなど、ありとあらゆるジャンルが作れますよ!)
付属音源やプラグインの質も高く、他の追加音源やプラグインを買わなくても十分に制作が可能です。
たまに、Ableton Liveは音が悪いなんて評判がありますが、それはかなり昔のことで、最近では音質もよくなっています。
そもそも音質が悪かったら海外でシェアトップになるわけがありませんよね。
Liveの特徴といえば、非常に高機能でありながら直感性に優れており、他のDAWで何クリックも必要な作業がLiveならワンクリックで済んでしまうこと。
筆者も、このとてつもない作業効率の良さに魅了されて、数年前からメインのDAWとして使用しています。
さらに「PUSH」など、Ableton Live専用の外部コントローラーなども多く、これらを使えばさらに制作効率のアップが可能です。
また「Live」の名の通り、リアルタイム性にも優れ、音を止めることなくその場でどんどんと制作していけるのも魅力です。
ライブパフォーマンスなどにも使用されることが多く、DJプレイにも適しています。
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新たな定番DAW「PreSonus Studio One」
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- サイズが小さく動作が軽いので低スペックマシンでも使える
- 64bit floatを駆使したクリアな音質
- DDP書き出し機能など、他のDAWにはないマスタリング機能を搭載
Studio Oneは2009年の登場以降、着々と国内シェアを伸ばし、今ではCubaseに迫る勢いを誇っています。
後発のDAWという点を活かし、これまでのDAWの機能を操作性や視認性をアップして綺麗にまとめつつも、今までにない新機能も搭載してあるというバランスの良さが特徴です。
64bit floatという処理によって、他のDAWに比べて音質がいいという点も評価されています。
DAWを初めて触る初心者でもわかりやすいインターフェイスでありながらも、慣れていけば難しい処理やプロが求めるような本格的な操作ももちろんできるので、将来的にプロを目指している人にもぴったりです。実際にプロでも使用している人が多くいます。
Studio Oneは制作だけでなく、マスタリング機能が非常に優れていることでも知られています。
楽曲制作には音を混ぜるミキシングという作業のあと、音圧を上げたりCDなどに登録する情報を書き込むマスタリングといった作業があるのですが、Studio Oneは他のDAWではマスタリングでの面倒な処理が簡単にできたり、他のDAWではできないことも簡単にできます。
音質の高さも相まって、楽曲制作は他のDAWでやるけれど、ミックスやマスタリングはStudio Oneでやるというユーザーもたくさんいます。
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ダンスミュージック特化!「Image-Line FL Studio」
出典:amazon.co.jp
- ダンスミュージックに特化した独特の操作性
- 付属しているエフェクトの質が良い
- ライフタイムアップデートに対応し、一度購入すればあとは無料でアップデートし続けられる
Image-Line社製のFL StudioはAbleton Liveと並んで、ダンスミュージック系のプロデューサーに人気のDAWです。
非常にシンプルでわかりやすい操作性で、初心者にもオススメできます。
直感的に音楽を作っていけるので、音楽理論が苦手な人やトラックの細かいセッティングなど、まどろっこしいことが苦手な人でも安心して使っていけるでしょう。
付属している音源やプラグインの完成度も高く、DAWを購入するだけですぐに本格的な音楽制作に移れます。
また、海外でのシェアが非常に高く、YouTubeのチュートリアル動画でもよく使われています。
「EDM tutorial」などのキーワードでYoutube上を検索すれば、実際にFL Studioを使っている人の教則ビデオがたくさんあるので、勉強がしやすいというメリットもあります。
コストパフォーマンスが非常に高い点も人気です。
FL Stduioはライフタイムアップデートという制度をとっており、一度購入すればその後は生涯無料でアップデートができます。
(他のDAWではバージョンが変わるような大きなアップデートが入るたびに課金するシステムを取っているものが多い)
いつでも最新のバージョンが無料で手に入るというのは素晴らしいですよね。
以前はWindows専用のDAWでしたが、今ではMacにも対応し、どんな人でオススメできるDAWになりました。
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Mac専用高コスパDAW「Apple Logic Pro」
- Mac専用DAW
- 大量のループ素材やソフト音源が付属し、これだけで本格的な音楽を作ることができる
- 他のDAWに比べてかなり安く、コストパフォーマンスに優れている
LogicはAppleによるMac専用のDAWとして、世界的に人気になりました。
オーディオやMIDIのレコーディングの操作性も高く、プロ・アマ問わず高い人気があります。
中には、Logicを使うためにWindowsからMacに乗り換えたという人も。
GrageBangはLogicの初心者用といった位置づけなので、iPhoneやiPadなどでGarageBandの使い方に慣れている人は、仕組みなども理解しやすいでしょう。
最初からApple Loopsとよばれる高品質なループ素材や、プラグイン、完成度の高いソフト音源などが大量に付属しているので、購入したその日から本格的な音楽制作が可能。
さらに、ドラムの自動打ち込み機能やテンポ検出機能など、初心者に嬉しい機能も多数搭載しています。
このような本格的な仕様でありながらも、フルバージョンでも非常に安く、コストパフォーマンスに優れているという点も魅力的です。
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プロ・レコーディングスタジオ御用達!「Avid Pro Tools」
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- プロのレコーディングスタジオで御用達のDAW
- オーディオのレコーディングと編集に特化
- 自宅で作った曲をそのままスタジオに持ち込むことができる
プロのオーディオレコーディングでは必ずと言ってもいいほどProToolsが使われます。
「プロ御用達ということは操作なども難しいのでは?」というイメージがあるかもしれませんが、その逆で、非常にシンプル。
プロは面倒で複雑な処理などしなくても、自分の技術と経験でカバーするので、使う道具はシンプルなものが好まれます。
オーディオの録音や編集にかけてはProToolsの右に出るものはないと言っていいでしょう。
ミスしたテイクの修正などもやりやすいですし、テイク管理も簡単です。
逆にMIDIやシーケンサー周りは他のDAWよりも機能が少ないので、ギターやベースなどを録音して曲を作っていく人にオススメです。
音楽業界の標準ソフトなので、家で制作したプロジェクトファイルをそのままスタジオに持ち込めるといったメリットもあります。
フルバージョンは非常に高価ですが、将来的にプロを目指している人は操作に慣れておく意味でも一度は使っておいた方が良いと思います。
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まとめ
以上がDAWの選び方とおすすめDAWの解説でした。
DAWにはたくさんの種類があり、どれにしようか迷ってしまいますが、自分にぴったりのものを見つけることができれば、楽しく音楽ライフを送ることができます!
有料のDAWでも無料のデモバージョンがあるので、一度デモを使ってみてから購入するというのも一つの手段です。
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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