ギターを自宅で練習するときに、大きな音を出すとご近所迷惑になったり、家族に嫌がられたりと、大きなアンプを使いたくてもなかなか使いにくいですよね。
そんな自宅練習には、やっぱり小型のアンプがおすすめです。
昔からギターをやっている人だと「小型のアンプは音がしょぼい」というイメージを持っているかもしれませんが、最近のミニアンプは小さいのに音のクオリティが高いものが増えてきているんです。
今回はギター歴15年以上の筆者サッキー(@sakky_tokyo)が、ギターを自宅練習するときにオススメなミニアンプをいくつか紹介します!
動画でサウンドも聴けますので、あわせて確認してみてくださいね。
Positive Grid Sparkシリーズ
- スマホやiPadを使って便利に演奏や練習がしたい
- 一台でいろんなジャンルの音作りに対応できる小型アンプを探している
- 自宅練習でも重低音までしっかり鳴るアンプを使いたい
- 高品質なエフェクターが内蔵されている小型アンプを探している
そんなあなたに、このPositive Grid Sparkシリーズはいかがでしょうか。
Positive Gridは「真空管アンプのモデリング」にこだわったDTM用のアンプシミュレーターソフトで一気に有名になり、ハードウェアの世界でも徐々に人気が高まっているメーカー。
そんなPositive Gridが小型モデリングアンプとして開発したのがこのSparkシリーズです。
Sparkシリーズには下記3機種がラインナップされています。
Spark 40 | Spark MINI | Spark GO | |
---|---|---|---|
サイズ | 350 x 180 x 190 mm | 146.5 x 123 x 165 mm | 125 x 85 x 45 mm |
重さ | 5.2 kg | 1.5 kg | 0.346 kg |
出力 | 40W | 10W | 5W |
アンプモデル数 | 33 | 33 | 33 |
エフェクト数 | 43 | 43 | 43 |
バッテリー駆動 | 不可 | 可能 | 可能 |
Bluetoothスピーカー機能 | あり | あり | あり |
オーディオIF機能 | あり(USB TypeB) | あり(USB TypeC) | あり(USB TypeC) |
アンプモデルとエフェクトの数は全機種同じなので、ソフトウェアではなくハードウェアの違いのみです。
Sparkの大きな特徴としてまず挙げられるのが、小型のデジタルアンプとは思えないサウンド。
アンプタイプは以下の7つのカテゴリーがあります。
- ACOUSTIC
- BASS
- CLEAN
- GLASSY
- CRUNCH
- HI-GAIN
- METAL
※カテゴリーが7タイプというだけで、アンプモデル自体は33種類が内蔵されています
どのアンプも「さすがPositive Grid」と思えるクオリティで、これ1台で王道の音作りにはほとんど対応可能でしょう。
さらに嬉しいのが内蔵されているエフェクターの種類と品質です。
従来の小型アンプに内蔵されているエフェクターというと簡易的なものが多く、不満を感じてしまう人が多かったのではないでしょうか。
ですが、このSparkに内蔵されているエフェクターは今までの小型アンプの常識を覆すほど本格的。
エフェクターは以下の6つのカテゴリーに分かれ、全43種類が内蔵されています。
- ノイズ・ゲート
- コンプレッサー
- ディストーション(歪み系)
- モジュレーション
- ディレイ
- リバーブ
Positive GridはDTMで使われるギターやベース用のエフェクターソフトを作っているメーカーでもありますから、ここも「さすがPositive Grid」と思える特徴です。
しかもこれらのアンプやエフェクターは、スマホやタブレットと接続し専用アプリを使えば、より細かい音作りをすることが可能になっています。
(Spark MINI、Spark GOは本体にエフェクト用ツマミがないので、アプリでの音作りが前提です)
また、このアプリはSpotifyやApple Musicから音楽を流して演奏することができたり、YouTubeの楽曲のコードとその押さえ方をタイミングに合わせて自動的に表示してくれるという便利機能まであります。
しかも、このSparkはオーディオインターフェイス機能も搭載されており、DAWソフトの「Presonus Studio One Prime」まで付属しています。
ちなみにSpark40は、20-20,000 Hz対応の40Wフルレンジスピーカーが2発搭載されているので、小型アンプでありながらメタル系などの音作りでもきちんと重低音の「ズンズン感」が得られるのも特徴といえます。
かといって、Spark MINIやSpark GOもしょぼい音というわけではなく、かなりのクオリティです。
筆者は自宅練習でSpark GOを愛用しているんですが、家で使う分には音に関する不満はほぼありません。
小さいのに音量もかなり出ますし、低音のボリューム感もそこそこあります。
音や機能も素晴らしいのに価格もそこまで高くなく、何もかも至れり尽くせりといった感じのアンプではないでしょうか。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
YAMAHA THRシリーズ
最近の自宅用ミニアンプのトレンドといえば「モデリングアンプ」と呼ばれるものが多いですよね。
モデリングアンプは真空管ならではの歪み方をモデリングし、それをデジタルで再現するというアンプです。
本物の真空管アンプの場合、それなりの音量を出さないとペラペラな音になってしまいますし、真空管を温める手間もあるので、自宅練習ではなかなか気軽に使えるものではありません。
なので、真空管っぽい歪み方をするけれど、真空管を用いずに管理や使用の手間を省いたモデリングアンプが、今のミニアンプの主流になっています。
このYAMAHA THRシリーズはそんな家庭用モデリングアンプを普及させたきっかけとも言えるアンプで、今までの「モデリングアンプは音が悪い」というイメージを払拭しました。
THRシリーズの中でも、自宅練習におすすめな機種は以下の通りです。
THR5 V.2 | THR10II | THR30II Wireless | |
---|---|---|---|
サイズ | 271×167×120 mm | 368×183×140 mm | 420×195×155 mm |
重さ | 2.0kg | 3.0kg | 4.3kg |
出力 | 10W(5W+5W) | 20W(10W+10W) | 30W(15W+15W) ※バッテリー駆動時 15W(7.5W+7.5W) |
アンプタイプ | 5種類 Guitar Amp | 15種類 Guitar Amp モデル, 3種類 Acoustic モデル, 3種類 Bass Models, 3種類 Flat ボイシング *「THR Remote」アプリを使用することで全てのサウンドが使用可能 | 15種類 Guitar Amp モデル, 3種類 Acoustic モデル, 3種類 Bass Models, 3種類 Flat ボイシング |
アンプシミュレーション | CLEAN, CRUNCH, LEAD, BRIT HI, MODERN | CLEAN, CRUNCH, LEAD, HI GAIN, SPECIAL, BASS, ACO, FLAT | CLEAN, CRUNCH, LEAD, HI GAIN, SPECIAL, BASS, ACO, FLAT |
エフェクト | CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, DELAY, DELAY/REVERB, SPRING REVERB, HALL REVERB, *COMPRESSOR, *NOISE GATE (*の印がついているエフェクトはTHR Editor上でのみ使用可能です) | CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, ECHO, ECHO/REV, SPRING REVERB, HALL REVERB, *COMPRESSOR, *NOISE GATE (*の印がついているエフェクトはTHR Remote上でのみ使用可能です) | CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, ECHO, ECHO/REV, SPRING REVERB, HALL REVERB, *COMPRESSOR, *NOISE GATE (*の印がついているエフェクトはTHR Remote上でのみ使用可能です) |
バッテリー駆動 | 電池駆動可能 | 不可 ※ワイヤレスモデルは可能 | 不可 |
Bluetoothスピーカー機能 | なし | あり | あり |
オーディオIF機能 | あり | あり | あり |
THRⅡシリーズ(THR10II、THR30II Wireless)は、スマホやタブレットとBluetooth接続することもできます。
「THR Remote」というアプリを使えば、スマホやタブレットからも音作りができるようになるのも特徴です。
「THR Remote」では、本体だけではできないより細かい音作りが可能だったりするのも嬉しいですよね。
また、THRシリーズのすべてにオーディオインターフェイス機能が付属しているのも特徴のひとつ。
DAWソフト「Cubase AI」が付属しているので、届いたその日からDTMをすることが可能なので、「弾いてみた動画」などを作ろうと思っている人にもオススメできます。
デザインもおしゃれですし、部屋に置いておくだけでカッコイイのもおすすめポイントです!
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
Vox VX50 GTV
最近の小型アンプ界隈ではデジタルのモデリングアンプが流行っていますよね。
「そういうのも悪くはないけど、どちらかというとちゃんと真空管を使っているアナログなアンプで練習したい」という人も多いんじゃないでしょうか。
とはいえ真空管を使ったアナログ回路の小型アンプの場合、モデリングアンプのようにたくさんのアンプタイプが用意されていることが少ないですよね。
「一台で色んな音を作りたい場合は結局デジタルを選ぶしかない…」となってしまいがちです。
そんな状況のあなたにオススメしたいのが、VX50 GTVです。
このアンプの最大の特徴は真空管が搭載されているアナログ仕様のアンプでありながら11種類のアンプタイプが搭載されているという点です。
- DELUXE CL
- BOUTIQUE CL
- BOUTIQUE OD
- VOX AC30
- VOX AC30TB
- BRIT 1959
- BRIT 800
- BRIT VM
- SL-0D
- DOUBLE REC
- LINE
エフェクトは「MODULATION」「DELAY/REVERB」2系統に分かれていて、それぞれ1つずつ選ぶことが可能です。
- MODULATION:CHORUS、FLANGER、ORG PHASE、TWIN TREM
- DELAY/REVERB:A.DELAY、TAPE ECHO、SPRING、HALL
また、キャビネット・シミュレーターを搭載したヘッドホンアウトプットを搭載しているので夜間も可能自宅練習ができます。
プリセット保存も可能なので、快適な自宅練習ができるようになること間違いなしです!
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
VOX PATHFINDER10
「モデリングアンプなんて小難しいのはいらない!シンプルにアンプの機能だけあればいい」という人にオススメなのがこちらのアンプ。
家庭用アンプのベストセラー、VOX PATHFINDER10です。
かなりド定番なアンプなので、おそらくギター経験がある人なら一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
何か特筆すべき特殊な機能などはありませんが、アンプとしての音と操作性を小型アンプでどれだけ追求できるか、という一点にのみ力を注いでいるようなアンプで、音とコスパは最高クラス。
最近はモデリングアンプの勢いに押され気味ではありますが、まだまだ現役で使える小型アンプのひとつです。
特にクリーントーンやクランチが素晴らしいので、そういったサウンドが好きな人はぜひ使ってみてください。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
BOSS WAZA-AIR
自宅練習をより便利かつ手軽にしたい方には、このBOSS WAZA-AIRもオススメです。
こちらはなんとワイヤレスヘッドホン型のギターアンプという、一風変わった製品。
しかも、ただ単にヘッドホンからギターアンプのサウンドが聞こえるというだけではありません。
WAZA-AIRはジャイロセンサーを内蔵しており、ギターを演奏しながらVRのようなサウンド体験ができるのが最大の特徴です。
どういうことかというと「後ろからギターアンプの音が聞こえていたが、振り返ると今度は目の前から鳴っている」みたいな体験ができようになっているというわけですね。
「実際どんな感じに聴こえるの?」と思う方も多いと思いますが、下の動画の1つ目をイヤホンかヘッドホンをしてご覧いただくと、雰囲気が掴めると思います。(ちょうどいい場所に時間指定してあります)
しかもワイヤレスヘッドホンということで体を動かしながら演奏してもケーブルが絡まってしまうということがありません。
音の遅延についてはというと、超低遅延接続を実現しており、遅延をほぼ感じることはないでしょう。
その他にも、例えばBluetooth接続をしてスマホで音作りが出来たり、スマホから音楽を流して演奏することも可能です。
もちろんサウンドにもこだわっていて、音作りの幅も広いのは言うまでもありません。
クリーンサウンドからハイゲインサウンドまで、王道の音作りには対応できるようなアンプとエフェクトを搭載しています。さすがBOSS製品という感じですね。
便利で手軽かつ、自宅でライブ気分も味わえるということで、練習が相当捗ること間違いなしです!
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
BOSS KATANA-MINI
KATANA-MINIは、エフェクターメーカーとして有名なBOSSが出している手のひらサイズのミニアンプ。
見た目はコンパクトですが音はかなり良く、自宅練習くらいならこれで十分という人でも多いのではないでしょうか。
このサイズではありますが、しっかりと気持ち良く歪むのは「さすがエフェクターメーカー」という印象です。
もちろんクリーンやクランチもしっかりと鳴ります。
このアンプは線の太い歪みが得意なので、モダンな粒の細かいハイゲインサウンドなどはエフェクターなどで対応してみてください。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
Blackstar FLY3
こちらFLY3はアンプ・エフェクターメーカーのBlackstarが開発したミニアンプ。
非常に小さいサイズでありながらも、しっかりとした出音で、自宅内で練習するような小さい音から、ちょっとしたパーティなどでも使える大きめな音まで出すことができるのが魅力です。
音質はもちろん素晴らしく、歪みも真空管ライクな心地いいサウンドです。
EQにはISFという機能が搭載されていて、「アメリカンサウンド」から「ブリティッシュサウンド」へと変化させていくことで好みの音作りができるようになっています。
細かい音作りをしなくても簡単にかっこいい音が作れるので、音作りが苦手なギター初心者の方にもオススメです。
さらに、このアンプは別売りのFLY103を組み合わせることで、ステレオスピーカーとしても機能するという特徴があります。
ステレオスピーカーならではの空間系を活かしたギタープレイはもちろん、Line INやBluetoothでスマホと接続することで高音質な音楽プレイヤーにもなるスグレモノです。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
Marshall Code25
そんなマーシャルからも「Marshall Code」というシリーズ家庭用の小型デジタルアンプが出ています。
CODEにはいくつかワット数・サイズが違う製品がラインナップされておりCODE25はその中でも一番小型の25W・10インチのアンプ。
このサイズでありながらも低音から高音までバランス良く鳴り、かつトーンも「マーシャルサウンド」そのものなので、非常に楽しく練習ができるようになるでしょう。
また、スマートフォンアプリと連動させることで、より幅広い音作りができたり、追加プリセットのダウンロードができるようになるのも便利です。
更にCODE専用ペダルである別売りの「PEDL-91009」を購入すれば、30種類のプリセットの作成ができ、それらを瞬時に呼び出せたり、エフェクトの切り替えなどもできるようになります。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
VOX Adio Air Gt
Adio Air Gtは、YAMAHAのTHRに押され気味だったVOXがついに出した、家庭用モデリングアンプ。
音はもちろん素晴らしいです。後発の強みを活かしているのか、他のモデリングアンプと比べてもかなり音が良くなっているように感じます。
しかも、それだけではTHRに勝てないと踏んだのか、かなり色々な機能が付いているのもおすすめポイント。
例えばこのAdio AirはスマホとBluetoothで接続することができ、特殊なケーブルなど不要で、スマホから音楽を流してギター練習ができたりします。
あと、このアンプには「Acoustage」という疑似サラウンド機能が搭載されていて、スイッチをオンするだけで音がめちゃくちゃ広がるので、空間系エフェクトをかけるとかなり気持ちよく練習できます。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
Vox amPlug2シリーズ
ヘッドホンでの練習を考えている人ならVOX amPlug2シリーズもオススメです。
こちらはシールドジャックに直接挿し込むことができ、ヘッドホンやイヤホンで音を聴くというタイプのギターアンプです。
AUXイン端子が付いているので、もちろんスマホやパソコンから音楽を流しながら練習も可能になっています。
Vox amPlug2シリーズのラインナップは以下の通りです。
オモチャみたいな見た目なので、音が悪そうな感じがしてしまいますが、見た目に反して実は結構いい音します。
自宅練習には困らないでしょう。
ちなみに、アンプラグ用のキャビネットもあります。
スピーカーから音を出したい場合はこちらを活用してみてください。
動画でサウンドをチェック
現在の価格をチェック
おわりに
ミニアンプといってもいろいろな種類がありましたね!
今回紹介したものは、どれもかなりオススメですが、それぞれ音の傾向や操作性が異なっています。
好きな音が出せるアンプ、操作しやすいアンプなど、自分にぴったりなものを使えば練習も捗ること間違いなしです!
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
筆者のツイッターはこちら!