ギターを自宅で練習するときに、大きな音を出すとご近所迷惑になったり、家族に嫌がられたりと、大きなアンプを使いたくてもなかなか使いにくいですよね。
そんな自宅練習には、やっぱり小型のアンプがおすすめです。
昔からギターをやっている人だと「小型のアンプは音がしょぼい」というイメージを持っているかもしれませんが、最近のミニアンプは小さいのに音のクオリティが高いものが増えてきているんです。
今回はギター歴15年以上の筆者サッキー(@sakky_tokyo)が、ギターを自宅練習するときにオススメなミニアンプをいくつか紹介します!
動画でサウンドも聴けますので、あわせて確認してみてくださいね。
Positive Grid Spark
- スマホやiPadを使って便利に演奏や練習がしたい
- 一台でいろんなジャンルの音作りに対応できる小型アンプを探している
- 自宅練習でも重低音までしっかり鳴るアンプを使いたい
- 高品質なエフェクターが内蔵されている小型アンプを探している
そんなあなたに、このPositive Grid Sparkはいかがでしょうか。
Positive Gridは「真空管アンプのモデリング」にこだわったDTM用のアンプシミュレーターソフトで一気に有名になり、ハードウェアの世界でも徐々に人気が高まっているメーカー。
そんなPositive Gridが自宅練習用のためのモデリングアンプとして開発したのがこのSparkです。
Sparkの大きな特徴としてまず挙げられるのが、小型のデジタルアンプとは思えないサウンド。
アンプタイプは以下の7つのカテゴリーがあります。
- ACOUSTIC
- BASS
- CLEAN
- GLASSY
- CRUNCH
- HI-GAIN
- METAL
(カテゴリーが7タイプというだけで、アンプモデル自体は30種類が内蔵されています)
どのアンプも「さすがPositive Grid」と思えるクオリティで、これ1台で王道の音作りにはほとんど対応可能でしょう。
またSparkは、20-20,000 Hz対応の40Wフルレンジスピーカーが2発搭載されているので、小型アンプでありながらメタル系などの音作りでもきちんと重低音の「ズンズン感」が得られるのも特徴といえます。
さらに嬉しいのが内蔵されているエフェクターの種類と品質です。
従来の小型アンプに内蔵されているエフェクターというと簡易的なものが多く、不満を感じてしまう人が多かったのではないでしょうか。
ですが、このSparkに内蔵されているエフェクターは今までの小型アンプの常識を覆すほど本格的。
エフェクターは以下の6つのカテゴリーに分かれ、全40種類が内蔵されています。
- ノイズ・ゲート
- コンプレッサー
- ディストーション(歪み系)
- モジュレーション
- ディレイ
- リバーブ
Positive GridはDTMで使われるギターやベース用のエフェクターソフトを作っているメーカーでもありますから、ここも「さすがPositive Grid」と思える特徴です。
しかもこれらのアンプやエフェクターは、スマホやタブレットと接続し専用アプリを使えば、より細かい音作りをすることが可能になっています。
むしろこのアプリが便利すぎるので、ほとんどの人は本体のツマミではなく、このアプリを使って音作りをすることが多いのではないでしょうか。
ちなみにこのアプリを使ってSpotifyやApple Musicから音楽を流して演奏することができたり、YouTubeの楽曲のコードとその押さえ方をタイミングに合わせて自動的に表示してくれるという便利機能まであります。
しかも前述の通りSparkは、20-20,000 Hz対応の40Wフルレンジスピーカーが2発搭載されているので、小型の音楽リスニング用スピーカーとしても結構優秀です。
加えて、このSparkはオーディオインターフェイス機能も搭載されており、DAWソフトの「Presonus Studio One Prime」まで付属しています。
音や機能も素晴らしいのに価格もそこまで高くなく、何もかも至れり尽くせりといった感じのアンプではないでしょうか。
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YAMAHA THRシリーズ
最近の自宅用ミニアンプのトレンドといえば「モデリングアンプ」と呼ばれるものが多いですよね。
モデリングアンプは真空管ならではの歪み方をモデリングし、それをデジタルで再現するというアンプです。
本物の真空管アンプの場合、それなりの音量を出さないとペラペラな音になってしまいますし、真空管を温める手間もあるので、自宅練習ではなかなか気軽に使えるものではありません。
なので、真空管っぽい歪み方をするけれど、真空管を用いずに管理や使用の手間を省いたモデリングアンプが、今のミニアンプの主流になっています。
このYAMAHA THRシリーズはそんな家庭用モデリングアンプを普及させたきっかけとも言えるアンプで、今までの「モデリングアンプは音が悪い」というイメージを払拭しました。
THRシリーズの中でも、自宅練習におすすめな機種は以下の通りです。
- 出力:5W+5Wモデル
- 寸法:271mm×167mm×120mm
- 重量:2.0kg
- アンプシミュレーション:CLEAN, CRUNCH, LEAD, BRIT HI, MODERN(Guitar Ampモデル全5種類)
- エフェクト:CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, DELAY, DELAY/REVERB, SPRING REVERB, HALL REVERB, COMPRESSOR, NOISE GATE
- Bluetooth機能:なし
- 出力:10W+10Wモデル
- 寸法:368mm×183mm×140mm
- 重量:3.0kg
- アンプタイプ:Guitar Ampモデル15種類、Acousticモデル3種類、Bass Ampモデル3種類、Flatボイシング3種類
- アンプシミュレーション:CLEAN, CRUNCH, LEAD, HI GAIN, SPECIAL, BASS, ACO, FLAT
- エフェクト:CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, ECHO, ECHO/REV, SPRING REVERB, HALL REVERB, COMPRESSOR, NOISE GATE
- Bluetooth機能:あり
- 出力:通常時10W+10W、バッテリー駆動時7.5W+7.5Wモデル
- 寸法:368mm×183mm×140mm
- 重量:3.2kg
- アンプタイプ:Guitar Ampモデル15種類、Acousticモデル3種類、Bass Ampモデル3種類、Flatボイシング3種類
- アンプシミュレーション:CLEAN, CRUNCH, LEAD, HI GAIN, SPECIAL, BASS, ACO, FLAT
- エフェクト:CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, ECHO, ECHO/REV, SPRING REVERB, HALL REVERB, COMPRESSOR, NOISE GATE
- Bluetooth機能:あり
- バッテリーでの駆動が可能
- 別売りのLine 6 G10Tトランスミッターを使うとギターとアンプの接続をワイヤレス化可能
- 出力:通常時10W+10W、バッテリー駆動時7.5W+7.5Wモデルモデル
- 寸法:420mm×195mm×155mm
- 重量:4.3kg
- アンプタイプ:Guitar Ampモデル15種類、Acousticモデル3種類、Bass Models3種類、Flatボイシング3種類
- アンプシミュレーション:CLEAN, CRUNCH, LEAD, HI GAIN, SPECIAL, BASS, ACO, FLAT
- エフェクト:CHORUS, FLANGER, PHASER, TREMOLO, ECHO, ECHO/REV, SPRING REVERB, HALL REVERB, COMPRESSOR, NOISE GATE
- Bluetooth機能:あり
- バッテリーでの駆動が可能
- 別売りのLine 6 G10Tトランスミッターを使うとギターとアンプの接続をワイヤレス化可能
THRシリーズは、スマホやタブレットとBluetooth接続することもできます。
「THR Remote」というアプリを使えば、スマホやタブレットからも音作りができるようになるのも特徴です。
「THR Remote」では、本体だけではできないより細かい音作りが可能だったりするのも嬉しいですよね。
また、THRシリーズのすべてにオーディオインターフェイス機能が付属しているのも特徴のひとつ。
DAWソフト「Cubase AI」が付属しているので、届いたその日からDTMをすることが可能なので、「弾いてみた動画」などを作ろうと思っている人にもオススメできます。
デザインもおしゃれですし、部屋に置いておくだけでカッコイイのもおすすめポイントです!
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LINE6 Relay G10T ギターワイヤレス トランスミッター
Vox AV15
最近の小型アンプ界隈ではデジタルのモデリングアンプが流行っていますよね。
「そういうのも悪くはないけど、どちらかというとちゃんと真空管を使っているアナログなアンプで練習したい」という人も多いんじゃないでしょうか。
とはいえ真空管を使ったアナログ回路の小型アンプの場合、モデリングアンプのようにたくさんのアンプタイプが用意されていることが少ないですよね。
「一台で色んな音を作りたい場合は結局デジタルを選ぶしかない…」となってしまいがちです。
そんな状況のあなたにオススメしたいのが、Vox AV15です。
このアンプの最大の特徴は真空管が搭載されているアナログ仕様のアンプでありながら8種類のアンプタイプが搭載されているという点です。
真空管アンプというとフルチューブ仕様だけでなく、「プリアンプだけに真空管が使われているタイプ」「パワーアンプだけに真空管が使われているタイプ」といったものもあります。
じゃあこのAV15は?というと、1本の真空管(12AX7)をプリアンプとパワーアンプで分けて使用しているという、なかなか珍しい仕様。
そうすることによって小型アンプでありながら真空管ライクな音を実現しているということですね。
ちなみにより出力が大きいAV30、AV60の2機種は、真空管を2本(プリアンプとパワーアンプで1本ずつ)搭載されています。
気になるアンプタイプについてですが、以下の8種類が内蔵されています。
- CLEAN1(Fender Twin Reverb系モデル)
- CLEAN2(Fender Bassman系モデル)
- CRUNCH1(VOX AC15モデル)
- CRUNCH2(トップブースト回路搭載VOX AC30モデル)
- OD1(70年代Marshall系モデル)
- OD2(80年代Marshall系モデル)
- H.GAIN1(90年代ハイゲイン系モデル)
- H.GAIN2(モダンハイゲイン系モデル)
この8種類もデジタルで再現しているわけではなく、プリアンプの回路を8種類内蔵して音を変化させているんだとか。
エフェクトはというと、「モジュレーション」「ディレイ」「リバーブ」の3種類が搭載されているので、必要十分といった感じですね。
もちろんEQはも搭載されています。
それに加えて、AV15では真空管の回路特性を変更できる以下のようなスイッチが用意されていて、真空管アンプをモディファイするような多彩な音作りが可能です。
- プリアンプ:BRIGHT、FAT
- パワーアンプ:BIAS、REACTOR
その他にもヘッドホンアウトにVOX amPlugシリーズのスピーカーシミュレーターが搭載されているので、ヘッドホンで練習するときにもいい音で演奏ができるといった特徴があったりと、自宅でいながら真空管サウンドを快適に楽しむための工夫がたくさん搭載された製品です。
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VOX PATHFINDER10
「モデリングアンプなんて小難しいのはいらない!シンプルにアンプの機能だけあればいい」という人にオススメなのがこちらのアンプ。
家庭用アンプのベストセラー、VOX PATHFINDER10です。
かなりド定番なアンプなので、おそらくギター経験がある人なら一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
何か特筆すべき特殊な機能などはありませんが、アンプとしての音と操作性を小型アンプでどれだけ追求できるか、という一点にのみ力を注いでいるようなアンプで、音とコスパは最高クラス。
最近はモデリングアンプの勢いに押され気味ではありますが、まだまだ現役で使える小型アンプのひとつです。
特にクリーントーンやクランチが素晴らしいので、そういったサウンドが好きな人はぜひ使ってみてください。
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BOSS WAZA-AIR
自宅練習をより便利かつ手軽にしたい方には、このBOSS WAZA-AIRもオススメです。
こちらはなんとワイヤレスヘッドホン型のギターアンプという、一風変わった製品。
しかも、ただ単にヘッドホンからギターアンプのサウンドが聞こえるというだけではありません。
WAZA-AIRはジャイロセンサーを内蔵しており、ギターを演奏しながらVRのようなサウンド体験ができるのが最大の特徴です。
どういうことかというと「後ろからギターアンプの音が聞こえていたが、振り返ると今度は目の前から鳴っている」みたいな体験ができようになっているというわけですね。
「実際どんな感じに聴こえるの?」と思う方も多いと思いますが、下の動画の1つ目をイヤホンかヘッドホンをしてご覧いただくと、雰囲気が掴めると思います。(ちょうどいい場所に時間指定してあります)
しかもワイヤレスヘッドホンということで体を動かしながら演奏してもケーブルが絡まってしまうということがありません。
音の遅延についてはというと、超低遅延接続を実現しており、遅延をほぼ感じることはないでしょう。
その他にも、例えばBluetooth接続をしてスマホで音作りが出来たり、スマホから音楽を流して演奏することも可能です。
もちろんサウンドにもこだわっていて、音作りの幅も広いのは言うまでもありません。
クリーンサウンドからハイゲインサウンドまで、王道の音作りには対応できるようなアンプとエフェクトを搭載しています。さすがBOSS製品という感じですね。
便利で手軽かつ、自宅でライブ気分も味わえるということで、練習が相当捗ること間違いなしです!
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BOSS KATANA-MINI
KATANA-MINIは、エフェクターメーカーとして有名なBOSSが出している手のひらサイズのミニアンプ。
見た目はコンパクトですが音はかなり良く、自宅練習くらいならこれで十分という人でも多いのではないでしょうか。
このサイズではありますが、しっかりと気持ち良く歪むのは「さすがエフェクターメーカー」という印象です。
もちろんクリーンやクランチもしっかりと鳴ります。
このアンプは線の太い歪みが得意なので、モダンな粒の細かいハイゲインサウンドなどはエフェクターなどで対応してみてください。
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Blackstar FLY3
こちらFLY3はアンプ・エフェクターメーカーのBlackstarが開発したミニアンプ。
非常に小さいサイズでありながらも、しっかりとした出音で、自宅内で練習するような小さい音から、ちょっとしたパーティなどでも使える大きめな音まで出すことができるのが魅力です。
音質はもちろん素晴らしく、歪みも真空管ライクな心地いいサウンドです。
EQにはISFという機能が搭載されていて、「アメリカンサウンド」から「ブリティッシュサウンド」へと変化させていくことで好みの音作りができるようになっています。
細かい音作りをしなくても簡単にかっこいい音が作れるので、音作りが苦手なギター初心者の方にもオススメです。
さらに、このアンプは別売りのFLY103を組み合わせることで、ステレオスピーカーとしても機能するという特徴があります。
ステレオスピーカーならではの空間系を活かしたギタープレイはもちろん、Line INやBluetoothでスマホと接続することで高音質な音楽プレイヤーにもなるスグレモノです。
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Marshall Code25
そんなマーシャルからも「Marshall Code」というシリーズ家庭用の小型デジタルアンプが出ています。
CODEにはいくつかワット数・サイズが違う製品がラインナップされておりCODE25はその中でも一番小型の25W・10インチのアンプ。
このサイズでありながらも低音から高音までバランス良く鳴り、かつトーンも「マーシャルサウンド」そのものなので、非常に楽しく練習ができるようになるでしょう。
また、スマートフォンアプリと連動させることで、より幅広い音作りができたり、追加プリセットのダウンロードができるようになるのも便利です。
更にCODE専用ペダルである別売りの「PEDL-91009」を購入すれば、30種類のプリセットの作成ができ、それらを瞬時に呼び出せたり、エフェクトの切り替えなどもできるようになります。
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VOX Adio Air Gt
Adio Air Gtは、YAMAHAのTHRに押され気味だったVOXがついに出した、家庭用モデリングアンプ。
音はもちろん素晴らしいです。後発の強みを活かしているのか、他のモデリングアンプと比べてもかなり音が良くなっているように感じます。
しかも、それだけではTHRに勝てないと踏んだのか、かなり色々な機能が付いているのもおすすめポイント。
例えばこのAdio AirはスマホとBluetoothで接続することができ、特殊なケーブルなど不要で、スマホから音楽を流してギター練習ができたりします。
あと、このアンプには「Acoustage」という疑似サラウンド機能が搭載されていて、スイッチをオンするだけで音がめちゃくちゃ広がるので、空間系エフェクトをかけるとかなり気持ちよく練習できます。
Adio Air GTに関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
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Vox amPlugシリーズ
ヘッドホンでの練習を考えている人ならVOX amPlugシリーズもオススメです。
こちらはシールドジャックに直接挿し込むことができ、ヘッドホンやイヤホンで音を聴くというタイプのギターアンプです。
AUXイン端子が付いているので、もちろんスマホやパソコンから音楽を流しながら練習も可能になっています。
Vox amPlugシリーズのラインナップは以下の通りです。
オモチャみたいな見た目なので、音が悪そうな感じがしてしまいますが、見た目に反して実は結構いい音します。
自宅練習には困らないでしょう。
ちなみに、アンプラグ用のキャビネットもあります。
スピーカーから音を出したい場合はこれを活用するのもいいかもですね。
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おわりに
ミニアンプといってもいろいろな種類がありましたね!
今回紹介したものは、どれもかなりオススメですが、それぞれ音の傾向や操作性が異なっています。
好きな音が出せるアンプ、操作しやすいアンプなど、自分にぴったりなものを使えば練習も捗ること間違いなしです!
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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