どうも、サッキー(@sakky_tokyo)です!
今回は、Lofi Hip Hopの作り方について、筆者が作ったデモソング付きで解説していきたいと思います。
Lofi Hip Hopとは?
Lofi Hip Hopのことをあんまり知らない人ももちろんいると思うので、少し解説しておきます。
このジャンルの名前を見たり聞いたりしたときに一番気になるのが「lofi(ローファイ)って何…?」ってことなんじゃないでしょうか。
結論からいってしまえば、lofiというのは正式には「Lo-Fi」と表記し、音質を表現する言葉で「低音質な」といった意味です。
低音質といっても音割れした不快な音だけでなく、レコードの音のように丸みを帯びた温かみのある古臭い音もLofiと表現します。
逆に「高音質な」という意味の「Hi-Fi(ハイファイ)」という言葉もあります。ハイとローでわかりやすいですよね。
つまりLofi Hip Hopというのは、ざっくり言ってしまうと「レコードの質感を感じられるようなHip Hop」という意味です。
ジャンルの成り立ちなどはさまざまな説がありますが、ざっくりこれだけ覚えていればLofi Hip Hopとはどんなものか分かるんじゃないでしょうか。
Lofi Hip Hopに必要な要素
では、実際に作り方を解説していきます。
まず作る前に、Lofi Hip Hopを成り立たせるための要素を確認しておきましょう。
結論から言えば、Lofi Hip Hopに必要な要素は以下の3つ。
- チルいウワネタ
- ブーンバップのビート
- レコードの質感
この3つを気をつけるとLofi Hip Hopがかなり作りやすくなります。
わからない人のために、それぞれの要素を簡単に解説しておきましょう。
チルいウワネタ
チル(Chill)というのは、わかりやすくいえば「リラックスできる」といった意味。
この辺は音楽をやっている人ならわかりやすいですよね。
また、ウワネタというのは、「曲のドラム以外の部分」を指すHip Hop独自の用語です。
もともとHip Hopというのはサンプリングでトラックを作っていく文化だったので、サンプルのことを「ネタ」と呼んでます。
そこからビート部分以外のネタのことを、「上に乗っけるネタ」つまり「ウワネタ」と呼ぶようになりました。
つまりLofi Hip Hopでは、リラックスできるようなループのサンプル音源がよく使われるということです。
具体的に言えば、ジャズや落ち着いた弾き語り曲、またはピアノのソロ曲などがとても多く使われています。
また、サンプルの使い方にも特徴があって、Lofi Hip Hopでは「カットアップ」という音源を切り刻んで再構成する手法がそれほど多く使われず、サンプリングした音源をそのまま使うパターンが主流です。
ブーンバップのビート
現在のHip Hopの主流はTrapと呼ばれる、どちらかといえば電子音系の打ち込みサウンドを多く使うジャンルですよね。
それに対して、Lofi Hip Hopではブーンバップと呼ばれる、1990年代に流行ったようなアコースティックなドラムをサンプリングした音源がよく使われています。
リズムもTrapとは大きく違い、90年代のHip Hop的なビートがよく使われるので、ブーンバップのサウンドやリズムを確認しておきましょう。
レコードの質感
Lofi Hip Hopではサウンドをわざとレコードのように少し劣化させるのがほぼ前提条件になっています。
やり方としてはいくつかありますが、だいたい以下の2パターン。
- iZotope Vinylなどのレコードの質感を再現するプラグインを使う
- EQやサチュレーター、ヴァイナルノイズのサンプルなどを使って自分でレコードの質感を演出する
どちらでもいいので、とりあえずレコードっぽい音を作ることを目指してみてください。
実際に作ってみよう
要素がわかったので後は手を動かすだけです。
以下では筆者が作ったサンプル音源を使って、実際にどう作っていくのかを解説していきます。
サンプル音源を集める
まずはサンプル音源を集めるところからスタートしましょう。
筆者の場合は大抵「Splice Sounds」というサービスを使ってサンプル音源を集めています。
ちなみにSplice Soundsは有料ですが、月額大体900円~で使用することができ、しかも他のサンプル音源サービスに比べてかなりコスパが高いので非常にオススメです。
さて、さっそくSplice Soundsの検索窓に「Lofi」といった検索ワードを入れてサンプルを探していきましょう。
このときにウワネタになるチルいループ素材と、ドラム用のサンプルをどちらも探していきます。
ビートを組む
ループ素材をDAWに貼り付けて、ダウンロードしたドラムサンプルを使ってビートを組んでいきます。
今回はこんな感じのビートを組みました。
ビートを打ち込んでいるときに気をつけるのは「クオンタイズしない」ということ。
基本的にブーンバップ的なHip Hopの場合はリズムが多少ヨレていた方がそれっぽさが出ます。
あまりにヨレすぎても問題がありますが、タイミングを修正するときもできるだけ手作業で直しましょう。
べースを入れる
次にべースを入れていきましょう。
Lofi Hip Hopでは、エレキベース、ウッドベース、シンセのサブベースなど、さまざまベースが使われています。
今回はシンセのSine波を使ってベースを作っていきました。
ベースを打ち込む時にはオクターブをいくつか上げると音を外しにくくなります。
また、このときにドラムのキックをトリガーにしたサイドチェインコンプを、ループ素材とベースに対してかけることで独特のうねりを出すことができます。
イントロをつける
最後にイントロを作りましょう。
やり方はいくつかありますので、お気に入りの曲を真似してみてください。
筆者は環境音などで始まるタイプが好きなので、Spliceで「Environment Cafe」といった検索ワードで街中の環境音を探しました。
こんな感じでたくさん出てきます。
その環境音に対してEQでハイとローをカットし、ステレオ幅を狭めることでよりLofiらしさを演出していきます。
そのように作ってこのようになりました。
イントロからビート部分への繋ぎは今回声ネタを使用しましたが、さまざまな方法があるのでYouTubeなどでチェックしてみてください。
おわりに
以上がLofi Hip Hopの作り方の解説です!
Lofi Hip Hopはサンプル音源をメインに使っていくので、DTM初心者の方でも比較的作りやすいジャンルだと思います。
ぜひ、かっこいいビートを自分の手で作ってみてくださいね。
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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