DTMで初めて曲を作ったとき、「あれ、なんだか他の人の曲に比べて音量が小さいな」とか「書き出してみたら音割れが酷くなってしまった」となるのは誰もが通る道。
そういうときにマキシマイザー、リミッターは活躍するプラグインです。
とはいえ、今は種類もだんだんと多くなってきたので、どれを使えば良いのか迷ってしまう人もいるんじゃないでしょうか。
今回はそんな皆さんに、マキシマイザー・リミッターのおすすめを紹介します!
マキシマイザー、リミッターとは?
そもそも、マキシマイザーやリミッターとは何かということを先に解説しておきましょう。
DTMで使うマキシマイザーというのは、簡単に言えば音圧を上げてくれるプラグインのことを指します。
音を「MAX化(Maximize)」するからマキシマイザー。
それとほぼ同じ使われ方をする言葉がリミッターです。今の音楽制作現場では「リミッター=マキシマイザー」になっています。
以前はリミッターというと、音が0dbを超えて音割れしないようにリミッティング(音量を制限)してくれる機材・プラグインを指していました。
しかし、最近のマキシマイザーにはリミッティング機能が搭載されていることがほとんど。(逆に言えばリミッターに音圧を上げる機能がついているとも言えますが)
そんなこんなで、マキシマイザーとリミッターは同じものを指す言葉になってしまったわけですね。
このページではマキシマイザーという言葉を使うことにしましょう。
そんなマキシマイザーですが、DTMではマスタリング用途で使うことが多いプラグインです。
マスタリングというのは、音源制作の最終段階、音を調節して聴きやすくする工程のこと。
このマスタリングのときに、マキシマイザーで音圧を上げることで、かっこいいサウンドになり、リスナーに届けられます。
人間の耳は音量が大きいほど「いい音」に感じられる構造なので、音割れせず音圧を上げてくれるマキシマイザーはマスタリングにほぼ必須なプラグインと言えるでしょう。
おすすめのマキシマイザー
2010年くらいまでは、DTMプラグインといえばWAVESという時代でした。
昔のWAVESはそれこそ、プロ御用達の高価格プラグインで、商用音源にもたくさん使われています。
そんな理由で、多くのDTMer向けWEBサイトなどでは、おすすめのマキシマイザーとしてWAVESの「Lシリーズ」を挙げているところが多いんじゃないでしょうか。
確かに、今でも「L3」をプロでも使っている人が結構います。
ですが「今から初めてマキシマイザーを買うならわざわざLシリーズじゃなくていい」というのが僕の意見です。
もちろん、好きでWAVES Lシリーズを使うのならいいんですが、今はWAVESよりも手軽で、しかもハイクオリティな音に仕上げてくれるマキシマイザーがたくさんあります。
今回はそんなもっと便利なマキシマイザーをいくつか紹介しましょう。
A.O.M. / Invisible Limiter G2
筆者のイチオシなマキシマイザーがこちら、Invisible Limiter G2。
とにかくナチュラルかつクリアなまま、音圧をしっかり上げてくれるプラグインです。しかも日本製。
プロアマを問わず、色々なところでかなり評判がよく、最近の曲ではよく使われている印象があります。
もちろん海外でもよく使われるプラグインになりました。
WAVES Lシリーズのような、ある程度の音圧以降はギチギチした飽和サウンドになってしまうことがほとんどなく、どこまで言ってもナチュラル・クリア。
ノブが少し多いので、初心者は混乱してしまうかもしれませんが、基本的には左側にある「GAIN」ノブを回していくだけで音圧が上がっていきます。
またそれ以外にも、いくつかのモードを選択することでアナログ感を付加したり、ゲインマッチングした状態でのモニターも可能など、さまざまな便利機能も搭載。
それに加えこのプラグインは、最初の1年間は約5000円だけで使用することができ、それ以降に無期限で使用したいときにはフルライセンス版の差額を払うだけでOKという使い方ができます。
使ってみて途中でより良いプラグインを見つけたときにも、なるべく損をすることがないので、こういう販売方法はいいですよね。
もちろん、機能制限バージョンのデモもあるので、試しにデモを使ってから1年間契約をしてみるというのがオススメです。
「Invisible Limiter G2」動画
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FabFilter / Pro-L2
FabFilterは「Pro-Q」シリーズというイコライザーが有名なメーカーというイメージがあるかもしれませんが、この「Pro-L2」というマキシマイザーもかなり優秀。
こちらもかなりクリアかつ自然に音圧を上げることができる、現代的なマキシマイザーです。
Pro-L2は8種類のリミッティングアルゴリズムを切り替えることができ、さまざまな音質を切り替えながら選ぶことができるのも素晴らしい。
またトゥルーピークを超えないようにリミッティングしてくれたり、ステムマスタリング用にサイドチェインを使えたり、と便利機能もたくさん搭載されています。
筆者が思う、このプラグインの素晴らしいところはUIのわかりやすさ。
とにかく視認性がよく、音がどのようにリミッティングされているのかが一目瞭然です。
マキシマイザーがどういうものかよく分かっていない初心者も、このUIなら何をやっているのかがわかりやすく、音の調整もやりやすいのではないでしょうか。
「FabFilter Pro-L2」動画
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iZotope / Ozone
Ozoneはマキシマイザーというよりも、マスタリングのためのプラグインバンドル。
これを買うだけでマキシマイザーだけでなく、マスタリング用のEQやコンプ、エキサイターなどが全て手に入れることができます。
わざわざ個別でプラグインを買うのが面倒な人は助かりますよね。
ですが、Ozoneの素晴らしいところはこれだけではありません。
Ozoneにはさまざまな便利機能が搭載されていて、DTM初心者が1日かけて終わらせていたマスタリング作業をたった1分で終わらせることができるんです。
このOzoneには「Master Assistant(マスターアシスタント)」というものが搭載されており、これはAIを使って曲を自動分析し、Ozoneが自動でマスタリングをしてくれるという非常に便利な機能。
自動分析のクオリティがかなり高く、初心者が自分でマスタリングするよりもかなり素晴らしいものができるはずです。
さらに、Reference機能を使えば、あなたが用意した参考音源と似た音質に近づけてくれたりもします。
もちろん、自動マスタリングの結果が気に入らなければ自分の手で微調整をすることも可能です。
「Ozone」動画
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おわりに
以上がおすすめのマキシマイザーの紹介でした!
- ある程度自分でマスタリングできる人で、自然に音圧が上がるマキシマイザーが欲しい人は「Invisible Limite G2」
- マスタリングを自分でやってみたいけどマキシマイザーを初めて使うという人は「Pro-L2」
- 面倒くさいからマスタリングを自動で終わらせたいという人は「Ozone8」
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