どうもサッキー(@sakky_tokyo)です!
前回の記事の続きということで、自分でハイクオリティなPV・MVを撮影するときのカメラの設定についてお話したいと思います。
タイトルに一眼レフと書いてありますが、ミラーレスでも同じですのでご安心を。
また、前回の記事をお読みでない方は以下からどうぞ
それではいってみましょう!
映像はLog収録で
初っ端から専門用語が出てきましたが、大丈夫、簡単に説明します!
つまるところLog撮影というのは、明るいところから暗いところまで、自然に記録するための撮影方法。
また、後から色を調整することが前提の録画方式でもありますが、Lutというソフトを使うと簡単に色味の調整ができます。
Log撮影の質感と、色を調整した前後がわかりやすい動画を貼っておきます。
最近のミュージックビデオのほとんどはLogで収録されていますので、ぜひ使って欲しい機能です。
Sonyのカメラなら「S-Log」、Lumixなら「V-Log」というふうに、メーカーによって呼び名が変わるので調べてみましょう。
フレームレートは30fpsまたは24fps
パラパラ漫画を想像してもらえば分かりやすいですが、動画というのは静止画をたくさん繋ぎ合わせてできています。
1秒間に詰め込む静止画の枚数のことをフレームレートと呼びます。
単位はfpsを使いますが、これはFrames Per Secondの略です。そのまんまですね。
つまり、30fpsは1秒間に30枚の静止画を繋ぎ合わせた動画ということになります。
最近の一眼カメラでは大体、24fps、30fps、60fpsが選べることが多いです。
fpsが高くなるほどヌルヌル動く、なめらかな映像になってきます。
さて、ミュージックビデオに最適なfps値についてですが、24fpsか30fpsで充分でしょう。
確かにfps値が高いほど滑らかな映像になりますが、60fpsだと逆に滑らかすぎてミュージックビデオに適していないと思うんですよね。
その証拠といっては何ですが、海外のグラミー賞級ミュージシャンが出しているミュージックビデオでもほとんど60fpsは使われていません。
Bruno Marsが例外的に60fpsのミュージックビデオを出していますが、これは狙ってやっているんだと思います。
一応動画を貼っておきますね。YouTube上の設定で最高画質を選んで観てみてください。
動画時間でいうところの33秒くらいからが60fpsの感じを理解しやすいと思います。
このビデオは音楽番組的な演出をしているので、あえて60fpsにしているんだと思いますが、そうではないミュージックビデオだと現実的な映像になりすぎて逆にチープに感じる人が多いのではないでしょうか。
また大抵の映画は24fpsで撮影されているので、映画っぽい質感の映像にしたい場合は24fpsがオススメです。
映像の記録サイズはHDか4K
YouTubeの画質設定のところで1080や、720といった数字を目にすることがあると思いますが、あれが記録サイズです。
記録サイズというのは、つまるところ画素数のことで、数字が大きいほど綺麗な映像になります。
一般的には以下のサイズがよく使われます。
- 3840 × 2160(4K)
- 1920 × 1080(フルHD)
- 1280 × 768 (HD)
ミュージックビデオ用の動画を撮るなら最低でもフルHDは確保したいところです。
4Kでも勿論いいのですが、容量が大きくなってしまうのでSDカードやPCの容量と相談して決めるといいと思います。
撮影モードはマニュアルモードで
最近のカメラは高性能なので、全ておまかせのPモードや、絞り(F値)だけ自分で設定するAモード、シャッタースピード優先のSモードなどがありますが、これらはあくまで写真を撮影するときに最適化されたモードです。
なので動画撮影をするときにはマニュアルモード(Mモード)を選択しましょう。
初めてカメラに触るような初心者さんはマニュアルモードは敷居が高いのでちょっと戸惑うかもしれませんが、大丈夫です。
今回の記事ではマニュアルモードでのカメラの設定をわかりやすく説明します!
マニュアルモードで設定するのは主に、
- F値(絞り)
- シャッタースピード
- ISO
- フォーカスモード
この4つです。
順番に説明します。
F値は撮りたい映像によって変化させる
一眼レフ動画の醍醐味といえばボケ感でしょう。
F値(絞り)というのは、そのボケ感をコントロールする数値で、数字が小さいほどボケが強く明るい動画に、数字大きいほどピントが広範囲に合う暗い動画になります。
え、じゃあボケ感を強くしたいときは動画が明るくなっちゃうの?と思われた方はご安心を。
カメラの明るさは後述するシャッタースピードや、ISOという数値を調整すればコントロールできます。
なので、まず最初にボケ感をコントロールするためにF値を決めてしまいましょう。
F値によるボケ感の違いが分かりやすい動画があったので紹介します。
ミュージックビデオに最適なF値は一概には言えません。
欲しい映像によってコントロールするようにしましょう。
シャッタースピードはフレームレートの1~2倍くらいが自然
シャッタースピードというのは簡単に言えばシャッターが開いている時間のことを指します。単位は秒です。
スピードというと速さを表すような気がしてしまいますが、開いている時間を指すのでご注意ください。
星空の軌跡が分かるような星空の写真を皆さんは観たことがあると思いますが、これはシャッタースピードを非常に長くすることで星の動きをカメラに記録させ続けることで撮影できます。
あれ?動画だとシャッター開きっぱなしじゃない?と思われるかもしれませんが、実は動画撮影のときでもカメラはシャッターを切り続けています。
フレームレートの話の時にも出ましたが、動画というのは静止画の集合体。
つまり、カメラは短時間でシャッターを切りまくって静止画を量産することで動画を作っているんです。
では、PV・MVの動画撮影に適したシャッタースピードはどれくらいなんだということですが、フレームレートの1~2倍くらいが自然な動きの映像になります。
30fpsなら1/30~1/60くらいということですね。
シャッタースピードを長くすることで、上の星空の映像のように、動画を構成する1枚1枚の静止画にブレ(残像)が生じ、滑らかな映像になります。
がしかし、逆にシャッタースピードを短くしすぎてしまうと、ピントが合いすぎてカクカクした印象の動画になってしまうのでご注意ください。
また、蛍光灯がある場所だとフリッカー現象と呼ばれる、明るさがちらつく現象が起こってしまうのですが、シャッタースピードを変えることで抑えることができます。
フリッカー現象を回避するには東日本なら1/50 または1/100、西日本だと1/60 または1/120にシャッタースピードを設定するとうまくいきます。
この原因は電気の周波数に関係するのですが、東日本は50Hz、西日本は60Hzの電気が供給されているため、先程の数値でフリッカー現象を回避することができるわけです。(詳しく知りたい方はググってください笑)
ISOは出来るだけ低く
ISOというのは、映像の明るさをどれだけ増幅するのかということを表した数値です。
ISOが大きいほど光を増幅させて明るい映像になりますし、小さければ暗い映像になります。
しかしながら、明るすぎると無理に増幅させていることになるので、映像がザラついてしまいます。
なので、ISOは出来るだけ低い値で撮影するようにしましょう。
欲しい明るさにISOを設定したとき、映像がザラついてしまった場合は照明などを用意して対応することになります。
また、晴れた昼間の屋外での撮影や花火の撮影など、逆に明るすぎる場合にはNDフィルタという道具を使うことで明るさを軽減することができます。
MDフィルターはレンズの口径によって合う・合わないがあるので、自分の持っているレンズの口径サイズを確認して購入しましょう!
フォーカスモードは撮りたい映像によって変える
フォーカスモードには、カメラが自動で被写体にピントをあわせてくれるオートフォーカス(AF)と、自分でピントをあわせるマニュアルフォーカス(MF)があります。
このモードは撮る映像の内容によって変えた方が無難だと思います。
たとえば、壁を背にギターを弾いたり、歌を歌ったりするような動きの少ない動画だとMFがいいと思います。
逆に、走ったり、カメラを動かしてバンド演奏をするような動きの大きい動画ならAFで撮影しましょう。
しかしながら、F値が小さい場合だとピントが合う場所が少なく、目的の場所にピントを合わせにくいので気をつけてください。
撮影場所
MVやPVを撮影するときには、カメラのセッティングはもちろん重要ですが、撮影場所も重要になってきます。
いくらいいカメラでばっちりなセッティングをしたところで、曲の雰囲気に合わない場所だとせっかくの映像が台無しになってしまいます。
撮影場所としてよく使われるのが、路上や公園などの無料の場所か、撮影スタジオなどの有料で貸し出ししているレンタルスペース。
多くのバンドマン、ミュージシャンはお金がないので路上や公園で撮ろうとする人が多いですが、本来はちゃんと警察などに許可を得なければいけません。
とはいっても、迷惑にならない範囲ならちゃんと許可が下りますので安心してください。
きちんとした本気の映像を撮ろうとするなら、やっぱり個人的には撮影用のスタジオを抑えるのがオススメです。
撮影スタジオというと高いイメージがあるかもしれませんが、最近の撮影スタジオは1時間1000円程度で借りられるところも多く、それくらいの出費できちっとした映像が撮れるならレンタルしたほうが良いと思います。
僕がMVを撮影するときにはスペースマーケットという、レンタルスペースを借りられるサービスを利用することが多いです。
おしゃれなバーのようなスペースや、洋風カフェのようなスペース、古民家などもあったりして曲に合う場所を見つけやすいと思います。(10,000件以上あるらしい)
スペースの写真や映像はもちろんありますし、利用者のレビューも見られるので、実際の雰囲気を確認してからレンタルできます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
カメラの設定は初心者にとっては難しいかもしれませんが、この記事を参考にしてもらえれば素晴らしいミュージックビデオが取れること間違い無しです!
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
それではまた!