ボーカルのレコーディングに欠かせないものといえばマイクです!
レコーディングスタジオなどでは、ボーカルを録音するときにコンデンサーマイクと呼ばれる高感度なマイクを使うことが一般的。
最近ではDTMや「歌ってみた」など、趣味でボーカルレコーディングをする人も増えたので、それに伴って個人でも所有できる低価格なコンデンサーマイクが増えてきました。
そんなコンデンサーマイクですが、種類が多くどれを買えばいいのか迷っている人も多いと思います。
そこで、今回は価格帯別におすすめのコンデンサーマイクをまとめてみました。
価格帯は下記の3種類に分けています。
- 2万円以下(エントリーモデル)
- 2万円~10万円(ミドルクラス)
- 10万円以上(ミドルクラス~ハイエンド)
もちろん音質も比較できるように、そのマイクを使用している動画なども紹介していきます。
ということで、早速行ってみましょう!
2万円以下でおすすめのコンデンサーマイク
この価格帯ではエントリーモデルのマイクが中心。
以前は「価格なりの音」というものが多かったんですが、現在は昔に比べてかなり音のクオリティーが上がってきています。
圧倒的コスパ!「Blue Microphones Ember」
Blueといえば高級マイクの代名詞だったんですが、最近では低価格帯のラインナップも充実してきて、誰もがBlueブランドを手にしやすくなりました。
Emberは低価格でありながら、そんなBlueの雰囲気をしっかりと感じ取れるサウンドのマイクです。
この音が1万円台前半で手に入ると考えれば、すごい時代になったものだと感じます。
ナチュラルな味付けのサウンドなので、ボーカルはもちろん、アコギや打楽器など様々な音に対応できる1本と言えるでしょう。
この機種は指向性の切り替えはできないものの、カーディオイド(単一指向性)ですので、ボーカルやアコギなどのレコーディングをするだけでしたらこれで十分です。
スイートスポットがマイクから近く、集音範囲が少し狭めな感じなので、防音設備がそこまでしっかりしていない自宅環境でもノイズが入りにくく使いやすいと思います。
音質をチェック
現在の価格をチェック
低価格コンデンサーマイクの定番「RODE NT1-A」
「歌ってみた」などでお手軽にコンデンサーマイクのサウンドを導入したい人を中心に大人気になりました。
音質は高音に少し特徴があり、明るく明瞭なサウンドのボーカルが録りたいときにはぴったりです。
指向性はカーディオイド(単一指向性)のみですが、ボーカルならこれで十分でしょう。
しかもこの機種は付属品も豪華なのが特徴です。
- ポップガード付きショックマウント
- マイクケーブル
- マイクダストカバー
他の機材が揃っていなくても、これとマイクスタンドさえ買ってしまえば手軽にコンデンサーマイクを使えるというのもメリットですね。
音質をチェック
現在の価格をチェック
フラットな音が魅力「Audio Technica AT2020」
オーテクのマイクは非常にフラットな特性が魅力で、好きな人はとことんハマる機種を数多く出しています。
このAT2020もその系統のマイクで、音の特性的にはフラットにまとまっている印象。
解像度は高価格帯のものには劣りますが、1万円程度でこの音なら十分良いと思います。
ちなみにエントリークラスのコンデンサーマイクの中ではかなり人気が高い定番モデルなので、ボーカルだけではなくゲーム実況や配信にもよく使われていたりします。
また、AT2020には「AT2020 USB+」というUSB接続タイプもあります。
通常タイプの方はオーディオインターフェイスが必要になるのですが、「AT2020 USB+」は直接マイクからUSBにケーブルで接続でき、オーディオインターフェイスがなくても使うことが可能です。
ただ、音楽制作の場合はオーディオインターフェイスがあったほうが確実に便利なので、よほどの理由がない限り通常タイプの方が個人的にはおすすめですね。
加えて、このAT2020と似たAudio Technicaの製品で「AT2035」というものがあるのですが、AT2035のほうが低ノイズになっています。
小さい声を出したときでもノイズが乗りにくいので、繊細な表現をするボーカルの録音ではこちらAT2035の方がよりおすすめです。
音質をチェック
現在の価格をチェック
2万円以下のコンデンサーマイクのおすすめは以上です。
低価格帯のコンデンサーマイクについては下の記事でより詳細に扱っておりますので、ぜひ読んでみてください。
2万円~10万円でおすすめのコンデンサーマイク
この価格帯は「歌ってみた」やDTMでも定番になっている人気のモデルが多くあります。
ハイエンドモデルの音をそのままに、指向性切り替えなどの機能を削ったモデルなども多くあり、コストパフォーマンスが良い商品を探しやすい価格帯です。
万能系マイク「Blue Microphones Bluebird SL」
かつてのBlue Microphonesといえば、高級マイクの代名詞的な存在でしたが、最近では低価格帯の機種も増えてきています。
こちらBluebird SLは、そんなBlueのサウンドとルックスをしっかりと引き継ぎつつ、手に入れやすい価格を実現した製品です。
指向性切り替え機能がなくカーディオイド(単一指向性)のみにはなりますが、ボーカルの録音でしたらそれで十分ですよね。
音質としては全体的にはフラットにまとめていますが、高音域に少しきらびやかな印象があり、抜けが良い音で録れます。
抜けの良いボーカルを録音したいときに最適なマイクと言えるでしょう。
またBluebird SLには下の画像のショックマウントも付属します。
音質をチェック
現在の価格をチェック
フラットな特性が人気!「Audio Technica AT4040」
こちらAT4040は「オーディオテクニカのマイクといえばこれ!」といった感じの定番機種。
「AT4040」という型番から、通称「ヨレヨレ」と呼ばれていて、レコーディングスタジオなどでも使われている信頼性の高いマイクです。
プロも使うマイクなのでかなり高いのかと思いきや、実は3万円台で買えちゃうというコスパの高い製品なので、趣味でDTMや歌ってみたを楽しむ人にも人気になりました。
音の特性としてはフラットなサウンドと評判で、低音域から高音域まで素直な響きを収録できます。
マイク自体の味付けがそこまでないので、録音した後イコライザーなどで処理をするときなどにも使いやすいでしょう。
また、AT4040には下の画像のショックマウントが付属します。
音質をチェック
現在の価格をチェック
プロが使うマイクの音質を自宅で!「AKG C214」
AKGのマイクといえば、レコーディングスタジオなどでも定番でプロもよく使うC414が有名です。
こちらを「C214」は、C414のサウンドをできるだけ維持し、機能を最小限にすることでリーズナブルにした機種となっております。
具体的に言うとC414とC214は同様のダイアフラムを使用しているのですが、下記のような違いがあります。
- C414:ダイアフラムが2枚内蔵されていて、指向性が複数切り替えられる
- C214:ダイアフラムが1枚内蔵されていて、単一指向性のみ
ボーカルをレコーディングするだけでしたら、殆どの場合は単一指向性で事足りますので、C214でも十分です。
音質はとしては、高音域に独特の特徴があり、キラキラとしている感じがあります。
かといって低音が薄すぎるというわけではなく、しっかりと声の芯や厚みも感じられる音です。
また、C214には以下のものが付属します。
- ショックマウント・ホルダー
- ウィンドスクリーン
- メタルキャリングケース
メタルキャリングケースは結構作りがしっかりしていて、サイズも小さめなカバンくらいはあります。
マイクを持ち運んだり保管するときに、しっかりと保護できるのは嬉しいですよね。
音質をチェック
現在の価格をチェック
圧倒的ノイマンブランド!「Neumann TLM102」
「マイクといえばノイマン」と言われるほど有名なブランドですよね。
レコーディングスタジオでもよく使われているブランドですので、皆さんも一度はノイマンのサウンドをプロの音源などで耳にしていると思います。
このTLM102はノイマンのサウンドをしっかりと継承しつつ、比較的安価で買うことができる機種として人気になりました。
音質的にも非常に素晴らしく、ノイマン独特のシルキーな質感を纏っているので、ノイマンのサウンドを欲している人はぜひ検討してみてください。
ちなみにカラーは、先程の画像の「NICKEL」の他に「BLACK」もあります。
音質をチェック
現在の価格をチェック
10万円以上でおすすめのコンデンサーマイク
10万円を超えてくると「ハイエンド」と呼ばれるモデルが増えてきます。
音質もかなりのもので、レコーディングスタジオに置いてあるモデルもこの価格帯では多いです。
しかしながらこの価格帯は、真空管を使用するなど、繊細な設計のものも増えてくるので保管や手入れが難しくなってきます。
厳密にいうと「コンデンサーマイク」と「真空管マイク」は別物なのですが、最近では「真空管を使用したコンデンサーマイク」という分類をする人も増えているようなので、今回は真空管マイクも合わせてご紹介します。
プロが使うマイクの定番中の定番!「NEUMANN U87Ai」
ノイマンのU87といえば、どこのレコーディングスタジオでもとりあえず置いてある、プロユースマイクの定番機種です。
定番というのはそれほど使いやすい音ということで、さまざまなエンジニア、ミュージシャンに愛されています。
非常に滑らかかつ密度の高い音で、マイク自体にノイマン独特のコンプ感があり、それがいわゆる「あのプロの音」を出すのに一役買っているんですね。
簡単に購入できる価格ではありませんが、ハイエンドマイクを検討しているなら真っ先に候補に挙がるマイクだと思います。
音質をチェック
現在の価格をチェック
超高解像度!「Audio Technica AT5040」
Audio Technicaのハイエンドマイクといえばこの「AT5040」です。
長い間、スタジオではボーカルレコーディングといえばノイマンのU87Aiが「デフォルト」のように使われてきましたが、最近ではこのAT5040を支持する声も増えてきています。
マイクの感度がかなり高く、繊細な音まで拾いますがノイズは少ないので非常に使いやすいと評判です。
非常に解像度の高い音で、Audio Technica特有のフラットな特色も相まって、「素材の音」として最高なものを録音できます。
音質をチェック
現在の価格をチェック
温かく、そしてクリア「Manley Reference Cardioid」
Manleyは真空管を使用したオーディオ機器が有名な業務用スタジオ機器メーカーです。
そんなManleyの真空管マイク「Referenceシリーズ」は、世界のトッププロも愛用していることで知られています。
Referenceシリーズは現在、
の3種類がラインナップされていますが、中でもボーカル録音にはReference Cardioidがおすすめです。
Reference Cardioidは、Reference Goldと同様の電気回路と真空管を使用した単一指向のマイクとなっております。
(とはいえ、実際は3種類とも違うキャラクターの音なので、ぜひ購入を検討する際は実際に試して聴き比べてみるのをおすすめします)
音質としては、真空管独特の温かみがありながらも、現代の音楽にマッチする抜けの良さが共存しているといった印象のサウンドです。
ニュアンスがかなり残るマイクなので、ボーカリストの力量がそのまま出るといっても過言ではありません。
高価ではありますが、欲しい人はそれでも買ってしまうようなマイクです。
音質をチェック
現在の価格をチェック
まとめ
いかがでしたでしょうか。
やはり値段によって、性能には差がありますが、安くても最近のマイクは本当に性能がよくなってきているので、実際のところ使い手次第だと思います。
高いマイクはそれだけ繊細で扱いや管理が難しいということもありますし、最初は低価格帯のものを試しに使ってみるのがおすすめです。
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、ぜひチャンネル登録お願いします!
筆者のツイッターはこちら!