「もっと良い音で歌を録りたい」「良い音でゲーム実況や配信をしたい」「リモートワークで音質良く会話がしたい」といったときに必要になってくるのがコンデンサーマイクです。
ですが一口にコンデンサーマイクといっても色々なものがあり、しかも高いものばかり。
安くてもちゃんと使えるマイクがどれなのか知りたいという人は多いんじゃないでしょうか。
今回はコンデンサーマイクの選び方と、安くてもちゃんと使えるおすすめコンデンサーマイクを紹介します!
記事の最後にはコンデンサーマイクを使う上でよくある質問をQ&A形式でまとめているので、そちらもあわせてチェックしてみてくださいね。
まずは選び方から解説していくので、選び方は知ってるからオススメの商品を早く教えて欲しい!という人は下からジャンプしてみてください
コンデンサーマイクとは
マイクには実は2種類あり、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」に分けられます。
皆さんが想像するマイクというのはこんな形なんじゃないでしょうか?
こういうカラオケ店やライブハウスなどによくあるハンドマイクの多くはダイナミックマイク。
一方コンデンサーマイクは一般的にはこんな形をしています。
手に持てるような形ではなく、ショックマウントと呼ばれるホルダーを使うことが多いです。
アーティストがたまに公開する歌のレコーディング風景にはこちらのほうが良く映りますよね。
コンデンサーマイクの方が感度が高く、繊細で高音質な録音ができるので、歌のレコーディングにはダイナミックマイクよりもコンデンサーマイクの方が多く使われています。
昔は業務用の高級品として知られていたコンデンサーマイクも最近では低価格化が進み、高音質で「歌ってみた」や「ゲーム実況」などの動画や配信をしたい人たちにも使われるようになってきました。
ダイナミックマイクとの違いは?
レコーディングスタジオでよく使われるコンデンサーマイクと、ライブスハウスなどでよく使われるダイナミックマイクはどう違って、どちらのほうがいいのでしょうか?
結論から言うとどっちが良いとは簡単には言い切れず、用途が違います。
コンデンサーマイク | ダイナミックマイク | |
---|---|---|
音質 | 感度が高い | 感度が低い |
衝撃への強さ | 弱い | 強い |
湿気への強さ | 弱い | 強い |
外部電源 | 必要 | 不要 |
すごくざっくりいうと、
- コンデンサーマイク:繊細だけれど良い音で録音できるのでレコーディング向き
- ダイナミックマイク:音質はそこまで良くないけれど衝撃や湿気に強いのでライブ向き
といったところ。
もしあなたが、
- 歌を綺麗な音でレコーディングしたい
- 良い音でアコギを録音したい
- 良い音で実況の声を録音したい
と思っているのならコンデンサーマイクがおすすめです。
初めてのコンデンサーマイクは入門モデルがオススメな理由
コンデンサーマイクの入門モデルは大体1万円~5万円程度。少し高い気もしますが高級なものになると20万30万はくだらないのでコンデンサーマイクの中では実は安い部類に入ります。
それに、初めてコンデンサーマイクを買うのならわざわざ高いものを買う必要はありません。
「高いほうが音も良いだろうし、余裕があるなら高いもの買ったほうがいいんじゃない?」と思うかも知れませんが、初心者に高級コンデンサーマイクはあまりオススメできないんです。
その理由を説明しましょう。
コンデンサーマイクは壊れやすい
コンデンサーマイクはダイナミックマイクと違い、衝撃や湿気にとても弱いマイク。
床に落としただけで壊れることもありますし、冬場などは長時間歌ったあとにマイクに水滴が溜まってしまい、そのままにしておくと湿気でダメになってしまうこともあります。
しかも高級機になればなるほど繊細になり、保管も難しいので、雑に扱うと壊してしまう可能性も高いでしょう。
コンデンサーマイクに慣れるという意味でも最初は入門モデルから使っていくのがおすすめです。
高級機は普通の部屋では使いづらい
エアコンの音、車が通った音、壁からの反射音など、家にはノイズの原因となるものばかり。
高級なマイクは本当に些細な音もばっちり拾ってしまうので、普通の家では逆に騒音を拾い過ぎてしまいます。
そもそも高級なマイクはその辺がきちんと整備された録音スタジオでの使用を考えられているので、普通の家にはあまり適していないんです。
コンデンサーマイクの選び方
コンデンサーマイクについて大体わかったところで、選び方を説明しましょう。
初めてのコンデンサーマイクを選ぶときに比べるべきなのは以下のの2点。
- 指向性
- 接続方法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
指向性
指向性というのはマイクが音を拾う位置や角度のこと。
いくつかの種類があるので見ていきましょう。
単一指向性(カーディオイド)
主に一方向からの音のみを録音する指向性。
背面からのノイズに強いので、ボーカルや声、楽器などの収録に適しています。
双方指向性
前後2方向からの音を収録する指向性。
1本のマイクで2箇所の音をまとめて撮れるので、対面形式の対談の録音などに便利です。
無指向性(全指向性)
マイクの周り、360°全ての方向の音を収録する指向性。
大人数の声を1本のマイクで録音するときに使われたり、部屋の響きごと録音したいときに使われます。
接続方法
コンデンサーマイクはパソコン(もしくはスマートフォンやタブレット)に音を取り込んで使うのが一般的。
ただパソコンへの接続方法が機種によって違うので注意しましょう。
USBやLightningケーブルでそのまま接続
コンデンサーマイクは通常、電源となるものが必要なのですがUSBやLightning方式だとパソコンやスマホから電気を供給することができます。
しかも録音した音をケーブルからそのままパソコン・スマホに取り込むことができるので他の機材が必要ありません。
ただ種類が少なく、音楽用途に耐えられるような音質が良いものが多くないのが難点。
そこまで高い音質が必要のないゲーム実況や手軽に歌ってみたを楽しみたい方などに適しています。
オーディオインターフェイスを使う
もうひとつはオーディオインターフェイスを使ってパソコンに接続するタイプ。
オーディオインターフェイスというのはパソコンに音を取り込んだり、逆にパソコンから音を出力したりする機材で、音楽制作では必須になります。
値段はピンキリですが入門用だと大体1万円~3万円程度。
コンデンサーマイクは電源が必要ですが、ほとんどのオーディオインターフェイスには電源機能が付いているので、オーディオインターフェイスに接続するだけでパソコンに音を取り込めるというわけです。
裏技的な方法:「Lightning to USB」ケーブルを使ってiPhoneやiPadと接続する
Lightningで直接接続できるコンデンサーマイクはかなり少ないので、選択肢が限られてきてしまいます。
iPhoneやiPadで、USB接続タイプやオーディオインターフェイスが必要なタイプのコンデンサーマイクを使えないのか、と疑問に思う人もいるでしょう。
そういった場合、裏技的なやり方になりますがLightningとUSBを変換するケーブルやアダプターがあれば使えたりもします。
具体的な接続方法は以下の通りです。
iPhone/iPad → Lightning to USBケーブル → USBケーブル → マイク
iPhone/iPad → Lightning to USBケーブル → USBケーブル → オーディオIF → XRLケーブル→ マイク
このやり方で大抵の場合はiPhoneやiPadでも使えるはずです。
ただ、アプリによっては外部接続のマイクが使えない場合があったり、オーディオインターフェイスによってはiOSに非対応の場合もあるので注意してください。
ご購入の際は使えるかどうか事前に調べてからにしましょう。
あくまで自己責任でよろしくお願いします…!
おすすめのコンデンサーマイク
では実際におすすめのマイクをいくつか紹介していきましょう!
ECM-PCV80U|SONY
指向性 | 単一指向性 |
接続 | USB |
SONY ECM-PCV80Uは、コンデンサーマイクでは珍しいハンドマイク型。
「JOYSOUND.TV plus」に対応しているのでPlaystationに接続すればカラオケが楽しめます。
USBでの接続にも対応しているので、パソコンさえ持っていれば買ったその日からすぐに歌ってみたやゲーム実況を楽しむことが出来るのもメリット。
そして何より低価格なので、初めてのコンデンサーマイクとして手軽に試すことができます。
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MPM-1000、MPM-1000U|marantz Professional
指向性 | 単一指向性 |
接続 | MPM-1000はオーディオIF、MPM-1000UはUSB |
marantz Professional(マランツ・プロフェッショナル)のMPM-1000シリーズは、低価格帯のマイクの中でも特にコストパフォーマンスが高いことで根強い人気を誇る機種です。
1万円を切るお値打ち価格でありながら音質はなかなかクリアなので、「予算はそこまで出せないけど、音質だけはこだわりたい!」という人にもおすすめできます。
ちなみに、ラインナップには以下の違いがあるので注意してください。
- MPM-1000:オーディオIFなどが必要なXLR端子で接続するタイプ
- MPM-1000U:USBで直接コンピュータに接続するタイプ
どちらがいいか迷ってしまう方は、
- 本格的な音楽制作を楽しみたい方やオーディオIFをすでに持っている方:MPM-1000
- リモートワークやゲーム実況、配信での使用がメインの方:MPM-1000U
のように選んでみてはいかがでしょうか。
また、MPM-1000とMPM-1000Uは付属品も変わります。
- ウインドスクリーン
- ショックマウント
- デスクトップスタンド
- XLRケーブル
- マイクホルダー
- USBケーブル
「MPM-1000U」の方はマイクホルダーが付属しますが、マイクスタンドは付属しませんので、マイクスタンドが必要な際は別途購入が必要になります。
ちなみに「MPM-1000J」という型番のものもあるのですが、こちらは「MPM-1000」にクロスやステッカーが付属する日本限定の製品です。(その他の仕様はMPM-1000と変わりません)
こういった付属品の違いにもご注意しながら選んでみてください。
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V67G|MXL
指向性 | 単一指向性 |
接続 | オーディオIF |
「歌ってみた」やDTMのボーカル録音などにおすすめな1万円前後のマイクといったらこちら!
実は結構昔からある商品ですが、低価格なコンデンサーマイクが増えた現在でも人気が高く、ロングセラーになっている商品の1つです。
なめらかで明瞭な音が特徴のマイクで、音質は同価格帯のマイクの中でトップクラスです。コスパは最高レベルと言ってもいいでしょう。
中高音域がスイートスポットになっているマイクなので女性ボーカルにマッチすると評判です。
もちろん、エッジの効かせたアコースティックギターの音を録りたいときなどにも活躍します。
音楽向けの低価格コンデンサーマイクを探しているならぜひ検討して欲しい機種の1つです。
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AM310|AVerMedia
指向性 | 単一指向性 |
接続 | USB |
どちらかというとゲーム実況向きと言われているコンデンサーマイクです。
USBでそのままパソコンに接続することができ、マイク本体にイヤホンを挿せばパソコンの音を聴くことが可能です。
その他にも本体中央ノブを回すことでパソコンの音量を調節できたり、そのノブを押すことでマイクミュートができたりと、実況者・ストリーマーにはかゆいところに手が届く機能も搭載しています。
もちろんリモートワークに良い音質のマイクを手軽に導入したいという人にも非常にオススメです。
卓上用のマイクスタンドも付属するのが嬉しいですよね。
音質も良く、単一指向性ということもあり声だけを狙って録音することも可能です。
もちろん手軽に歌や楽器の録音を楽しみたいときにも使えますよ!
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QuadCast|HyperX
指向性 | 4種類切り替え |
接続 | USB |
こちらQuadCastはゲーミングデバイスで有名なHyperXのコンデンサーマイクということで、ゲーマーやゲーム実況配信者などに人気を博しています。
まず目に入ってくるのがその外観。
黒をベースとした本体にLEDが赤く光るという、見た目にもこだわるゲーミングデバイスの特徴が現れています。
基本バージョンは赤のみですが、「RGBライティング」バージョンを購入すればより自分好みの色に光らせることが可能です。
見た目だけでなく、便利な機能も多数搭載。
- ワンタップでミュートできるタップミュートセンサー
- 内蔵ポップフィルター
- 内蔵ヘッドホンジャック
- マイクゲインコントローラー
まさにゲーマーや配信者の痒い所に手が届く機能ですよね。
音質にもかなりこだわっているようで、音は非常にクリアで低ノイズ。
さらに、このマイクは以下の4種類の指向性を切り替えることもできます。
- 単一指向性
- 双方指向性
- 全指向性(無指向性)
- ステレオ
QuadCastはショックマウントやデスク用スタンドが標準装備されているので、届いたその日から快適に使用することが可能です。
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Blue Yeti|Logicool G
指向性 | 4種類切り替え |
接続 | USB |
BlueのYetiはUSB接続のコンデンサーマイクでありながら音質も良いので、ゲーム実況や配信、音楽制作などありとあらゆる場面で活躍するマイクです。
Blueはレコーディングスタジオなどでも使われる、音楽制作用のマイクを作っている人気のメーカーなので音質も折り紙つき。
おそらくUSBコンデンサーマイクの中でもトップクラスの音質です。
YetiはUSBマイクということで、ゲーマーや配信者向けの機能も搭載しております。
- ミュートボタン
- マイクゲイン調節ノブ
- 内蔵ヘッドホンジャック
- ヘッドホンボリューム調整ノブ
見た目もシックで落ち着いているので、リモートワークなどフォーマルな場面にもマッチすると思います。
さらにこのマイクは以下の4種類の指向性を切り替えることができます。
- 単一指向性
- 双方指向性
- 全指向性(無指向性)
- ステレオ
もちろん、Yetiにも卓上用のマイクスタンドが付属するので届いたその日から快適に使用することが可能です。
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NT1-A|Rode
指向性 | 単一指向性 |
接続 | オーディオIF |
「歌ってみた」の入門用マイクとして定番なのがNT1-A。
マイクだけでなくマイクホルダーやポップガード、ケーブル、専用のポーチもセットになっているので、とてもお得。
マイクスタンドを同時に買えば届いてすぐに本格的なレコーディングをすることができます。
音質もクリアで抜けが良く、入門には十分でしょう!
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AT2020USB+|Audio Technica
指向性 | 単一指向性 |
接続 | USB |
USB接続コンデンサーマイクというと、そこまで音質が良くなくゲーム実況や配信などが精一杯というイメージがあります。
ですがAT2020USBは「歌ってみた」や楽器の録音にも耐えられる音質として有名になりました。
もともとAudio Technicaというメーカーは音楽用マイクメーカーとしても有名で、音質に定評があります。
フラットな音で幅広い音なので「歌ってみた」はもちろん、DTMやゲーム実況、動画撮影にも活躍するでしょう。
マイクホルダー、マイクスタンドが付属します。
また、AT2020にUSB接続ではなくオーディオIFで接続するバージョンもありますので、ご自分の用途に合ったものを選んでみてください。
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AT4040|Audio Technica
指向性 | 単一指向性 |
接続 | オーディオIF |
DTMやレコーディングスタジオなどにも使われる、定番のコンデンサーマイク。
非常にコスパの良いマイクとしても知られていて、レコーディングスタジオなどでは何十万もするマイクと並んで使われています。
マイクだけでなく高級感のあるケースやショックマウント(マイクホルダー)も付属します。
ナチュラルでフラットな音質なので、歌や声だけでなく楽器にもおすすめです。
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C214|AKG
指向性 | 単一指向性 |
接続 | オーディオIF |
C214はプロユースのレコーディングスタジオなどでよく使われているマイク「C414」を低コスト化し、DTMなどにも使いやすいような価格にしたマイク。
上位機種にあたるC414は指向性を切り替えることができますが、C214は単一指向性のみ。
とはいえ歌をメインに考えている人は単一指向性しか使わないことも多いので、こちらの機種で十分でしょう。
ショックマウント、ウィンドスクリーン、キャリングハードケースが付属します。
音質としては高音域がきらきらとして、クリアな印象。ダイナミックレンジが広いので大きな音量の楽器でも歪むこと無く収音できます。
抜けがかなり良い音なので、「歌ってみた」などで存在感のある歌声を録音したい人にもぴったりです。
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コンデンサーマイクQ&A
コンデンサーマイク以外にあったほうがいいものは?
マイクだけでも一応録音はできますが、その他にもあると便利だったり、高音質に録音できる機材も存在します。
よく使われるのは以下の3つです。
- マイクスタンド
- ポップガード
- リフレクションフィルター
マイクスタンドがあると色々な場所に設置しやすく、位置も変えやすいので便利なのはイメージができるでしょう。
ポップガードはよくマイクの前に置いてある網状のもの。歌や声の録音にはほぼ必須といっても過言ではありません。
これがあることによって息の吹かれノイズを軽減することができます。
また、リフレクションフィルターはマイクの周りを囲うようにして設置するフィルターで、マイクの後ろや左右からの反射音を軽減することができます。
一般的な住宅だとどうしても壁や床からの反射音が入り込んでしまいますが、リフレクションフィルターを使うことでそれを軽減でき、より高音質に録音することが可能です。
保管方法は?
コンデンサーマイクは湿気や衝撃に弱いので、湿度が低く安定性がある場所での保管をおすすめします。
手軽に保存するなら、ジップロックなどの密閉できる袋に乾燥剤とコンデンサーマイクを入れて、それを内側がクッションになっているマイクケースにしまうなど。
乾燥剤はシリカゲルというものがいいでしょう。
なお、乾燥剤は徐々に効果がなくなっていくので定期的に交換するようにしてください。
どのくらいの距離で録音すればいいの?
コンデンサーマイクの場合は、口とマイクを15cm~20cmほど離すのが一般的。
その中間にポップガードを置きましょう。
とはいえ、マイクによって音に差がありますし、欲しい音も違うと思うのでそこは適宜変えるようにしてください。
近づくほど低音が強調されていき、離れるほど部屋の響きも一緒に録音されるということを覚えておくと便利です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
さまざまなコンデンサーマイクを紹介しましたが、それぞれ指向性や接続方法などが異なっています。
歌や実況、配信など自分の目的に合ったマイクを見つけてみてくださいね。
その他のコンデンサーマイクについては以下のページも参考にしてみてください
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