ギタリストにとって「理想の歪みエフェクターを見つける」というのは、果てしない海へ冒険に行くようなもの……
ということで今回はおすすめのディストーションペダルについてです!笑
私は(一応)ギター歴が10年以上で、結構な数のディストーションペダルを使ってきました。
そんな私が実際に弾いてきたエフェクターの中でも10個のディストーションを厳選し、紹介するというのがこのページ。(正直言って好きなエフェクターが多すぎて選ぶのにかなり苦労しました。)
文章だけじゃ伝わらないこともあるので、もちろん動画ですぐに音を聴けるようにしてあります。
また今回は以下の5項目を、☆で5段階評価してみました。
- 歪みの量:星が多いほどMAXの歪み量が多い。
- 粒の細かさ:星が多いほど粒の細かい、モダンな印象の歪み。
- ヴィンテージ感:星が多いほどヴィンテージライクな歪み。
- 分離の良さ:星が多いほど分離が良い。
- 操作性:星が多いほど音作りがしやすい。
主観での評価になりますが、こちらも参考にしてみてください。
ちなみに、今回紹介する機種を最初に申し上げていくと以下の通りです。(押すとその場所にジャンプできるようになっています)
それでは早速行ってみましょう!
BOSS DS-1X
歪みの量 | 4 |
粒の細かさ | 3 |
ヴィンテージ感 | 3 |
分離の良さ | 3 |
操作性 | 4 |
ディストーションの定番といえば、BOSSのDS-1やDS-2といった歴代の名機ですよね!
筆者もギター初心者の頃からDSシリーズにはお世話になっていますし、ほとんどのギタリストが所有しているのではないでしょうか?
ですが、これらの機種は開発から数十年以上が経っており、必ずしも現代的な曲に合うとは言えなくなってきました。
そこでDSシリーズの最新バージョンとして開発・販売されたのがこのDS-1Xです。
DS-1XではDSシリーズのコアとなるイメージはそのままに、超低ノイズ化や分離感の向上などより現代的なサウンドに生まれ変わっています。
以前DSシリーズは真空管スタックアンプと組み合わせるのが定番でしたが、DS-1Xではトランジスタアンプでも豊かな歪みが得られるようになったので、リハーサルスタジオなどによく置いてあるJC-120(ジャズコーラス)にもよく合います。
筆者も最近試奏したのですが、以前のBOSSのオールドスクールなイメージ(それはそれで良かったんですが)を拭い去るような、高級感のある現代的なサウンドになっていました。
コードの分離感もよく、ノブの効きも良いので色んな音楽ジャンルに適応できるポテンシャルの高さを感じます。
まさに「優等生」って感じです。
ただBOSSは使っている人がとても多いので人と被ることがよくあります。ですがそれだけ使いやすいということでもあるので、初心者の方にもオススメです。
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Suhr Riot
歪みの量 | 4 |
粒の細かさ | 4 |
ヴィンテージ感 | 4 |
分離の良さ | 4 |
操作性 | 4 |
最近のディストーションペダルの中でも、特に人気なのがこのSuhr Riot。
2009年に発売というディストーションの中では割と後発組のエフェクターではありますが、実力が認められ、今では定番エフェクターのひとつになりました。
メーカーが「大出力スタックアンプをフルアップしたときのような歪み」と謳うように、ナチュラルでウォームな歪みを得ることができます。
筆者が思う、Riotのスゴイところはどこまで行っても分離感が損なわれないところ。
かなり深く歪ませてもアタック感が潰れず、コード感を出すことができるんです。
またハムバッカー、シングルコイルを問わず、どんなギターにでもよく合います。
中央に3段階のスイッチがついており、それによって3種類の異なった歪みが得られるというのも、オススメポイントです。
最強ディストーションと言われることも多いですが、決して安いわけでもないので、予算と相談してみてください。
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BOSS ST-2 Power Stack
歪みの量 | 5 |
粒の細かさ | 3 |
ヴィンテージ感 | 4 |
分離の良さ | 3 |
操作性 | 4 |
「1台でクランチからハイゲインまで、幅広い歪みに対応できるペダルが欲しい」という人も多いんじゃないでしょうか。
BOSS ST-2はそんな人にぜひオススメしたい1台です。
このペダルは、デジタル回路を使いスタックアンプの独特な箱鳴り感を再現したというエフェクターで、マーシャル系っぽい歪み方をします。
「SOUND」というツマミがあるのですが、そのツマミの周りに「CRUNCH」「DRIVE」「ULTRA」と書かれているように、クランチトーンからハイゲインまで対応可能。
面白いのがその効果で、SOUNDツマミを回すと歪みの量に合わせて、歪み自体の質やトーンが自動的に変化するような感覚があります。
CRUNCH側はヴィンテージ感のある暖かく粒立ちのいい音、Driveに近づけていくとマーシャルの「JCM2000」を思わせるような歪み、ULTRA側に回すと粒がより細かい現代的な歪み、といった具合に、その歪み量に最適な質感に変わっていく感じです。
かといって、音のキャラクターがツマミのどこかで急激に変化してしまうという訳ではなく、あくまで「スタックアンプ感のあるサウンド」という芯が保たれたまま変化していくので、それがとても心地いいんですよね。
もちろんトランジスタアンプと組み合わせても真空管っぽいサウンドを再現できるので、JC-120(ジャズコーラス)対策用のエフェクターとしても人気があります。
音の傾向としては、ミッドが若干強調されているような印象で、アンサンブルの中でも抜けの良いサウンドです。
逆に、アンサンブル全体でミッドが渋滞してしまう場合や、アンサンブルにギターを馴染ませたい場合はBASS、TREBLEツマミを回してバランスを取ってあげるといいでしょう。
サウンドの質自体もかなり評判がよく「1万円台ではあるが、高価なブティック系エフェクターに劣らない」という評判もよく聞くペダルです。
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Effects Bakery Croissant Distortion
歪みの量 | 2 |
粒の細かさ | 3 |
ヴィンテージ感 | 4 |
分離の良さ | 3 |
操作性 | 3 |
Effects BakeryのCroissant Distortion(クロワッサン・ディストーション)は、「安さ重視だけど、ちゃんとしたディストーションが欲しい!」という方にオススメしたい1台。
なんと5000円以内で買えてしまうディストーションペダルです。
5000円以内の安価なエフェクターというとプラスティックの筐体で安っぽいことが多いんですが、Croissant Distortionはちゃんと金属製で重みがあり、安っぽさは全く感じさせません。
しかもミニペダルタイプなので、エフェクトボードの中身を圧迫しないというメリットもあります。
ちなみにCroissant Distortion(クロワッサン・ディストーション)という名前の通り、本体にはクロワッサンのキャラクターが描かれていて可愛らしい!笑
もちろん見た目だけでなく音にも相当なこだわりを感じられるのもこのペダルの特徴です。
具体的に言うと、歪み方としてはマーシャル系で、見た目に反して相当骨太な印象のサウンド。
「エフェクターで作ったっぽい歪み」というよりも「アンプ感のある歪み」といった感じの、ヴィンテージライクなキャラクターです。
このクオリティーでこの価格って、コスパが高すぎですよね。
ただ「ディストーション」と名前には付いていますが、歪みの量は他のディストーションペダルと比べると少なめな感じがします。
おそらくGAINツマミをマックスまで回してディストーションの範囲にギリ入ってくるか、人によっては「深めのオーバードライブ」と判断する人もいるだろうな、という歪み方です。
とはいえ、だいたいのポップスやロックならこのくらいの歪み量でも十分対応可能だと思います。
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JHS Pedals Angry Charlie、Sweet tea
引用:amazon.co.jp
歪みの量 | 5 |
粒の細かさ | 5 |
ヴィンテージ感 | 3 |
分離の良さ | 4 |
操作性 | 5 |
結構マイナーなエフェクターではありますが、筆者の最近のイチオシがこちらJHS Pedals Angry Charlie。
モダンハイゲイン・エフェクターの中でもトップクラスに音のクオリティが高く、音作りの幅もかなり広いんです。
ゲインを下げればクランチ、オーバードライブにもなります。
イコライザーの効きもかなり良く、一台で対応できる幅がかなり大きいペダルです。
これと同じくJHS製品の中に「Sweet tea」というものがありまして、これは「Angry Charlie」と、これまたJHSが出しているチューブスクリーマーレプリカの中でも最強と言われる「JHS-808」を一台に合体させたという狂気のエフェクター。
引用:amazon.co.jp
簡単に言えばディストーションとブースター、オーバードライブを1台で済ませてしまおうというのがSweet teaのコンセプトです。
こっちも最近試奏してきたんですけどかなり素晴らしいんですよ。
Angry Charlieの良さは書いたとおりですが、JHS-808部分もかなりクオリティが高かったです。値段は結構しますが、それにも納得できます。
筆者はSweet teaの存在を知らず先にAngry Charlieを買ってしまいましたが、知っていたらSweet tea買っていたと思います。笑
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Proco RAT2
歪みの量 | 4 |
粒の細かさ | 2 |
ヴィンテージ感 | 4 |
分離の良さ | 2 |
操作性 | 3 |
80年代にジェフベックが使用したことがきっかけとなり人気に火がついたRAT。
ディストーションの中でも定番という位置づけで、椎名林檎さんの『丸の内サディスティック』の歌詞にもRATは登場します。
音の傾向としては、とにかく太く存在感があるサウンドと言えるでしょう。
深く歪ませても、バンドの中でも埋もれず前に出てくるので、ギターソロなどに重宝します。
歪みの量によってはディストーションだけでなく、クランチやオーバードライブ、ファズサウンドも得られるので、これ1台で多彩な音作りが可能です。
ただ、結構ハイが耳に痛いので、シングルコイルのギターなど、場合によってはイコライザーでカットしてあげたほうがいいかもしれません。
また、自然に音量・音圧を上げることができるので、ブースターとしてもおすすめできます。
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MXR M-104 DISTORTION+
歪みの量 | 3 |
粒の細かさ | 1 |
ヴィンテージ感 | 5 |
分離の良さ | 2 |
操作性 | 2 |
MXR M-104はランディー・ローズが使用していたことをきっかけに広まった、80年代を代表するディストーションペダルです。
やはりランディー・ローズをイメージさせるような荒々しい歪みで、深く歪ませればファズのようにもなります。
ただ、実際には音が潰れる一歩手前くらいの歪み方が非常に使いやすいので、そこまで歪ませている人は少ないです。
ディストーションと銘打ってますが、僕の周りではオーバードライブとして使っている人が多いですね。
筆者が思うに、このエフェクターはブースターとして使うのが一番オススメです。
メインの歪みはアンプや他のエフェクターで作って、ブースターとしてこいつを使うのが一番しっくり来ました。
アンプでクランチ程度まで作っておいて、これを挟むだけで粘り気のある極上のオーバードライブサウンドになりますよ。
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Leqtique 9/9
引用:amazon.co.jp
歪みの量 | 5 |
粒の細かさ | 5 |
ヴィンテージ感 | 2 |
分離の良さ | 4 |
操作性 | 2 |
Leqtiqueは数あるエフェクターメーカーの中でも高級路線を走り、いわゆるブティック系と呼ばれるエフェクターを制作しているメーカー。
このメーカーのエフェクターは、なんと塗装がハンドメイドで、1つ1つ模様が異なっています。
その中でも特にオススメなのが9/9。
非常にモダンな歪み方をするエフェクターで、サウンドの密度が濃いのが特徴です。
ノブのパラメーターが隠されていますが、大きな3つのノブはそれぞれ「Volume」「Gain」「Bottom」、真ん中Bottomの左にある小さなノブが「Treble」です。
また、裏蓋を開けるとミドルをカットできる内部トリマーも搭載されており、使うと音作りの幅がより広がります。
ノブのパラメーターが見えないこともあり初見だと音作りしににくく、そのため操作性の評価は低くなってしまいますが、慣れたら普通のエフェクターと同じように操作できるようになるのでご安心を。
歪み量としては「ウルトラハイゲイン」を謳うエフェクターということで、かなり深くまで歪ませられますが、かといって「ハイゲイン専用」という感じでもありません。
ゲインを絞ればオーバードライブとしても使うことができるでしょう。
歪みの質的には現代的な印象で、粒立ちは細かめです。
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Vivie Modern Raven
歪みの量 | 4 |
粒の細かさ | 4 |
ヴィンテージ感 | 3 |
分離の良さ | 3 |
操作性 | 5 |
Vivieは、日本のエフェクターメーカーとして結構有名ですよね。
Modern RavenはそんなVivieが製造しているディストーションペダルで、カラスのマークがトレードマークになっています。(Vivieのエフェクターはそれぞれ動物をあしらったデザインが特徴です)
音はもちろん素晴らしく、この価格帯でSuhr Riotなどと肩を並べるようなクオリティと評判が良いです。
実際に使ってみましたが、確かに音は素晴らしく、かなり深くまで歪ませても輪郭がはっきりしています。
ピッキングへの反応もかなり速い。ですが本当にめちゃくちゃ反応が良いので、シングルコイルを使っている初心者の人などは下手なのがすぐバレます。(笑)
また、ディストーションペダルの中でもトップクラスに汎用性が高いペダルなので、ヴィンテージっぽい歪みから現代っぽい粒が細かく深い歪みまでこれ一台でそれなりに対応できます。
ディストーションとしては珍しく3バンドイコライザーがついているので、手元で追い込んだ音作りをしたい人にもオススメです。
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Emma ReezaFRATzitz 2
歪みの量 | 5 |
粒の細かさ | 3 |
ヴィンテージ感 | 3 |
分離の良さ | 4 |
操作性 | 3 |
ReezaFRATzitz IIは真空管をシミュレートしたウォームな歪みが特徴のハイゲインエフェクターです。
かなり歪みが深く、ゲインが低めでもかなり歪んでしまうのでオーバードライブサウンドなどには適しませんが、その分ハイゲインサウンドはかなり良い音がします。
独自の「アントゥルー・バイパス」という仕様によって、トゥルーバイパスのにありがちなスイッチング時の音切れやノイズが発生しないというのも素晴らしいです。
1から2にバージョンアップしたことでついた「バイアスコントロール」というノブを使えば、真空管のバイアス値をいじったような、独特の倍音をコントロールすることが可能。
これによってソロやリード用のサウンドはもちろん、バッキングに適した「前に出過ぎないサウンド」までカバーできます。
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Friedman BE-OD
歪みの量 | 5 |
粒の細かさ | 4 |
ヴィンテージ感 | 2 |
分離の良さ | 5 |
操作性 | 5 |
Friedmanはもともとはアンプのメーカー。
現代最高のマーシャル系アンプとも評価される「FRIEDMAN BE-100」というアンプを作っているメーカーですが、そのBE-100のサウンドをエフェクターで再現したのがこのBE-ODです。
OD(オーバードライブ)という製品名ではありますが、かなり歪みの幅が広いのでディストーションサウンドももちろんカバーできます。
「Volume」「Gain」に加え、「Bass」「Treble」「Presence」そして「Tight」という珍しいパラメータ、あわせて6つのノブを搭載。
Tightは回すことによって、音をタイトに引き締めたり、逆にブーミーに分厚くしたりといった効果があります。
内部にあるトリムで歪み量の調節もできるので、音作りの幅はかなり広めです。
サウンドの特徴としてはアンプメーカーが作ったこともあり、かなりアンプライクな歪み。
温かみのあるマーシャル系の歪みが好きな人にはイチオシのエフェクターです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
どれもかなりおすすめですが、エフェクターごとにサウンドや操作性はかなりバラバラです。
しかも最近のエフェクターは正直言ってどれも甲乙付け難く、この10機種を選ぶのもかなり迷ってしまいました。
とはいえ、最終的には使っている人の好みなので、皆さんも一度実際に聴いたり試奏してみたりすることをおすすめします。
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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