DTMerがまず最初に買うプラグインといえばドラム音源じゃないでしょうか。(僕の偏見だったらすみません!笑)
DAWソフトにもドラム音源が付属していますが、よりハイクオリティな音を目指すためには有料のものを買うのが一番効率的です。
そんなドラム音源ですが、最近は数が増えてきて、どれがいいのか迷ってしまう人も多いと思います。
そこで、今回はオススメのドラムソフト音源7種類を比較してみました!
それぞれの音を比較できるように、使用している動画も紹介していきます。
あらかじめお知らせしておきますと、今回紹介するのは以下の7種です。(押すとそれぞれの場所にジャンプできるようになっております)
どれも人気のものばかりですので、自分に合うものが見つかるはずです。
それではいってみましょう!
Addictive Drums 2|XLN AUDIO
おそらく、有料のドラムソフト音源のなかで一番人気なのが、このAddictive Drums 2。
直感的に使えるUIや動作の軽さなど、使っているときのストレスが非常に少ないです。
オススメな人
- 色々なジャンルのキットを組み合わせて購入したい人
- ミックスが苦手な人
- PCのスペックが低い人
最初から作り込まれた音
AD2は音が最初から作り込まれていて、しかも音作りがしやすいのが特徴。
プリセットの音自体が作り込まれていて完成度が高いので、気に入ったセットを軸に微調整するという形がオススメです。
ドラムに必要なエフェクトも全て内蔵されているので、どのエフェクトが良いのか分からない初心者の人も使いやすいと思います。
ただ、音自体は結構大味な感じで、他のドラム音源と比べると繊細さには少し欠けるという評価も。
その分、ロックやメタルなどのゴリゴリ系のドラムの打ち込みやすさはピカイチです。
自分好みのキットを組み合わせて購入できる
Addictive Drums 2はドラムキットの種類が豊富で、ロックやメタルに特化した「Addictive Drums2 Rock & Metal」というバンドルや、ジャズに特化した「Modern Jazz」シリーズという拡張音源など、自分が使いたいさまざまなジャンル用のキットを選んで購入できます。
これらの拡張ドラムキットの中には音の傾向が違う複数のプリセットが入っているため、ひとつ購入するだけでもサウンドの幅をかなり広げられるのもメリット。(下画像の右側、縦に並んでいる部分全てがひとつのキットのプリセットです。)
また、色々なキットを組み合わせて購入したいときには「Addictive Drums 2 Custom」というバンドルがとてもオススメです。
Addictive Drums 2 Customでは
- ADpak(ジャンル別ドラム音源)
- MIDIpak(MIDIパターン)
- Kitpiece Pak(太鼓やシンバルの単体音源)
をそれぞれ3種類ずつ好きなものを選んでお得に購入できます。つまり自分好みにバンドルをカスタマイズできるという夢の福袋みたいな買い方ができます。笑
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Superior Drummer 3|TOON TRACK
Superior Drummer 3は2017年9月に発売された比較的新しいドラム音源です。
235GBという現状のドラム音源の中でも最大レベルの大容量ライブラリを持つことによってリアルな音を追求。
以前のバージョンもかなり有名でしたが、バージョンアップ以降はよりハイクオリティなソフトになり、「ドラム音源ならAD2かBFD3」というドラム音源の勢力図を塗り替えつつあります。
オススメな人
- リアルな音を手軽に打ち込みたい人
- デモやレコーディングなどでドラム音源を使いたいドラマー
- 色々なドラム音源を組み合わせて使いたい人
リアルな音と手軽さを両立
普通、ドラムをリアルに打ち込むためにはドラムの知識が必要だったり、打ち込み自体にもかなり時間がかかるもの。
ですがこのSuperior Drummer3はリアルさと手軽さを高次元で両立させています。
まず音自体の情報量が素晴らしく、ベタ打ちでもそこそこリアルに鳴ってくれるので、初心者でも扱いやすい。
それに微調節を加えるだけで本物さながらのドラムトラックがすぐにできてしまうので、ドラマーやドラムの知識がある作曲家ならあっという間にドラムの打ち込みができてしまいます。
便利機能てんこ盛り
最近バージョンアップされたばかりということもあり、他のドラム音源にはない便利機能がたくさん使えるのもSuperior Drummer3のメリット。
さらに、手で適当に叩いたものに近いMIDIパターンを探してきてくれる「Tap2Find機能」や、Superior Drummer3以外の音源を取り込める「X-drum機能」など制作を効率化する機能がてんこ盛りです。
もちろんMIDIプリセットも大量に付属し、それらを「GROOVE」という機能で簡単に検索できます。
また、スネアやシンバルなど、キットの名前が実機のままなので、ドラマーが理想のキットを作りやすかったり、ドラムトリガーの音源としても使いやすいのではないでしょうか。
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EZ Drummer 2|TOON TRACK
EZ Drummer 2はイージードラマーという名前の通り、非常に簡単にリアルな音が出せるドラム音源。
先程のSuperior Drummerの下位バージョンに位置づけられます。
下位バージョンと言ってもデモとかではなく完全に別物で、どちらかといえば中級者や上級者向けだったSuperior Drummerを初心者用に作り直した感じです。
価格もその分抑えられているので、初めてのドラム音源に最適でしょう。
オススメな人
- ドラム打ち込みに自信がない人
- ドラムの打ち込みに時間をかけたくない人
- コスパ重視の人
ドラム打ち込み初心者でも簡単に使える
大量のMIDIパターンが収録されていたり、プリセットの時点でかなり音が作り込まれていたりと、とにかく簡単にドラムの打ち込みができるように開発された音源で、初めてのドラムの打ち込みにぴったり。
しかも大量にあるMIDIパターンは「グループ検索機能」というものを使うことによって曲に合ったものをすぐに探し出せます。
ロック系のMIDIパターン、ファンキーなMIDIパターン、2小節のロック系フィルインなどを検索からどんどん選んでいき、それをDAWに貼り付けるだけであっという間にドラムトラックが完成というわけです。
容量が4GB程度で、価格も控えめなので、そういった点でもDTM初心者に優しい音源だと言えます。
音作りは簡単だけど細かい作り込みは難しい
初心者にも簡単に使いやすいように、音としては最初から作り込まれているのがEZdrummerの特徴。
音源内部に付属しているコンプやリバーブなどはノブが少なく、簡単に音作りをすることができます。
ただ、細かい音作りは難しく、EZ Drummer単体ではそこまで音を作り込むことができません。
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MODO DRUM|IK Multimedia
MODO DRUMは2019年に発売されたばかりの、ドラム音源の中ではかなり新しい部類に入る製品です。
このドラム音源の特徴はなんといっても「フィジカル(物理)モデリング方式」を採用しているドラム音源だということ。
それによってカスタマイズ性がアップしていたり、音源の容量もかなり抑えられています。
オススメな人
- ドラムセットを自分好みにカスタマイズしたい人
- パソコンの容量にそこまで空きがない人
フィジカルモデリングによるカスタマイズ性
先ほども書きましたが、このMODO DRUMはフィジカルモデリング方式を採用しています。
これによって、各太鼓の素材、直径や深さ、バスドラムのペダルやスティックまでもをカスタマイズ可能です。
ドラムセットも10種類収録されており、この音源だけでかなりバラエティに富んだ音作りができることでしょう。
ただ、はっきり言ってDTM初心者だとここまでカスタマイズできたところで、迷ってしまって結局うまく活用できないかもしれません。
個人的にはMODO DRUMは「DTM上級者向けのドラム音源」だと感じており、音作りを追い込むのが結構難しいですし、パラアウトの仕様も独特で他のドラム音源とは違ったりします。
また、MODO DRUMのフィジカルモデリング方式はタイコ類だけに採用されており、シンバル類は今までのドラム音源と同じくサンプリング方式なので、この点も注意しましょう。
現状のモデリング技術は金属的なサウンドのニュアンスを再現できるまでに至っていないらしく、今後に期待ですね。
コンパクトな容量でストレージを圧迫しない
いままでのサンプル音源に比べてMODO DRUMはフィジカルモデリングを採用することによって比較的容量が少なく収まっています。
大体総容量にして12GB程度。
最近のドラム音源は50GB以上のものが多く、場合によっては100GBを超えるということもあり、HDDやSSDの容量を大量に消費してしまっていました。
もちろん12GBなので決して少ないとは言えませんが、他のドラム音源に比べたら容量が少ないノートパソコンなどにもインストールしやすいのではないでしょうか。
ただ、容量としては小さいですがCPU負荷は結構高めなので注意です。
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BFD3|FXpansion
今回紹介したなかで、一番音がリアルなドラム音源がこちら、BFD3です!
とにかくリアルな音を追求したドラム音源で、ライブラリーの容量も非圧縮なら155GBという大きさ。(ロスレス圧縮をしていて、実際の容量は55GB程度です)
前述のSuperior Drummer3が発売されたことで地位が危うくなるかと思いきや、「やっぱりリアルなドラム打ち込みにはBFD3が必要」という根強い声が多いです。
オススメな人
- 何としてでも超リアルなドラムを打ち込みたい人
- ハイスペックPCを使っている人
- ドラム音源で遠回りをしたくない人
到達出来るレベルは最高峰だけど、操作が難しい
BFD3は音がとにかく本物に近く、プロドラマーが電子ドラムにBFD3をセットして、ライブで叩いていたというくらいのレベル。
しかしながら、リアルに聴かせるためにはそれなりの調整が必要なので、ドラムの知識を持っている人とそうではない人で使い方がかなり違ってきます。
音も、録音してそのままの「素の音」に近く、CDなどで聴くようなドラムの音にするためにはそれなりの知識と経験が必要です。
たとえばマイキングひとつとっても、BFD3はかなりの本数のマイクを使って録音してあるので、自分にとってどのマイクが必要でどれが不要かということを判断しなければいけません。
逆にプロの人などは、その方が自分好みにカスタマイズしやすいので使いやすいのですが、初めてドラムの打ち込みをする人や、ドラムという楽器自体をよく知らない人にとってはなかなか扱いが難しい音源だと思います。
作曲家としてプロを目指したい人だったり、本物と間違えるようなドラムを打ち込みたいという人にぜひ使ってほしい音源です。
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SSD5|Steven Slate Drums
ドラム音源の老舗メーカーとしても有名なSteven Slate Drumsのドラム音源。
もともとは海外のドラムサウンドエンジニアが手がけていた音源ということもあり、洋楽っぽい乾いた雰囲気のタフな音を特徴としています。
オススメな人
- ロックなドラムを打ち込みたい人
- 骨太な音が好きな人
- ドラムのミックスが苦手な人
ロック特化の作り込まれた音
Steven Slate Drumsのドラム音源はとにかくロックやメタルに特化した骨太な音が魅力。
1音1音がロックのために作り込まれているような感じで、ラウドなドラムを打ち込むときには非常に使い勝手がいいドラム音源です。
プロの間でも人気が高い音源として知られていて、ロックサウンドのアニソンなどによく使われていることで知られています。
プリセットの音の作り込みは前述のAddictive Drums以上で、おそらくドラムのミックスを全くやったことがない人でも、すぐにかっこいいドラムパートを作ることができるでしょう。
もちろん、立ち上げてすぐにカッコイイ音が鳴るので、ドラムの打ち込みをささっと済ませたい人にもオススメです。
カッコイイ音だけど細かい表現が苦手
最初から音が作り込まれているのがSSDの最大の魅力ですが、細かい表現は少し難しいでしょう。
特にゴーストノートなどは苦手な印象で、細かい連符などを表現しようとすると打ち込みっぽさが出てしまいます。
その分ワンショットの説得力があるので、細かいゴーストノートなどを入れる必要がないロックに本当に特化しているといえますね。
ベロシティを細かく調整したい人や、リアルで臨場感のある音が好きな人は他の音源にしたほうがいいかもしれません。
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Battery 4|Native Instruments
Battery4はエレクトロミュージックやヒップホップにぴったりなドラムマシン/サンプラー。
最近のDAWにはドラム用のサンプラーが付属していることが多いのでそれを使うことが多いかも知れません。
とはいえ、もっと高機能なドラムサンプラーがほしい人もいるんじゃないでしょうか。
そんな人にオススメなのがこのBattery4。
Native Instrumentsの大人気バンドルKompleteシリーズに付属こともあって、サードパーティ製のドラムサンプラーとして一番人気と言っても過言ではないプラグインです。
オススメな人
- エレクトロ系のドラムを打ち込みたい人
- DAWのドラムサンプラーでは満足できない人
- EDMなどで定番のドラムのサンプル素材が欲しい人
大量のサンプルとキットが付属
Battery4には最初からヒップホップやエレクトロミュージックにぴったりな143ものドラムキットが付属し、4.5GBものサンプルも付属。
人気のソフトということもあり、サンプル自体もどこかで聞き覚えがある定番のものばかりです。
EDMやヒップホップを作ろうと思っている人なら「これこれ!」と言ってしまうような音が大量に手に入れられるのもBattery4を使うメリットでしょう。
サンプルの編集やルーティングも自由自在
Battery4はGUIの視認性もよく、サンプルの編集もとてもしやすいんです。
例えばサンプルのスタート、エンドを変えるのも一瞬。
それだけでなく、フェードをすぐに作れたり、リバースもボタンひとつ。コンプやEQといった基本的なエフェクトも付属していますし、ヒューマナイズもBattery内でできます。
もちろん付属サンプルだけでなく自身で用意したサンプルやループ素材も自由自在に編集することができるので、自分で用意したサンプルをとりあえずBatteryに突っ込んで使うという人
もかなり多いですよ。
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NATIVE INSTRUMENTS ネイティブインストゥルメンツ / KOMPLETE 12
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回紹介したドラム音源はどれもおすすめのものばかり。
自分にあったものを選んでみてください。
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