どうも、作曲家のサッキー(@sakky_tokyo)です!
今回はHipHop的なヨレたリズムの作り方を解説していきます。
具体的にはこんな感じのリズムです。
正確すぎず、少しヨレた感じが気持ちいいビートです。
こういうヨレたリズムを英語圏では「Drunk Beat(酔っ払ったビート)」と呼ぶことがあるんだとか。
確かに酔っ払ったおじさんが千鳥足で歩いているような不安定さが感じられますよね。
その不安定さが逆に気持ちいいという不思議な魅力があるリズムではないでしょうか。
最近では日本でもHipHopが流行ってきていることもあり、Trapだけでなく、こういったBoomBap系の渋めのビートを作りたいという人も多いと思います。
しかし、こういったビートを初心者が作ろうとすると、普通に気持ち悪いだけのリズムになってしまうので、案外作るのは難しいんです。
そこでこの記事では初心者でもHipHopのヨレたビートを作れるようになる方法を解説していきます。
【今回の動画】
今回の記事と同じ内容の動画をYouTubeで公開しています。
動画で内容をチェックしたい方はYouTubeから、文字で読みたい方はこのまま記事を読み進めてみてください。
ヨレたリズムを簡単に再現する方法【感覚論無し】
こういったリズムを作る方法として良く解説されるのが
- クオンタイズ(リズム修正)をしないで打ち込む
- リズムを少し早くしたり、逆に少し遅くしたりする
という方法です。
ですけども、こういった方法って結局作る人の感覚頼りなんですよね。
リズム感の無い人がクオンタイズせずに打ち込んだら、それはヨレではなく、ただのミスです。
また、少しリズムを早くしたり遅くしたりというのも具体的にどのくらいずらしていくのかは個人の感覚頼りになってしまいます。
そこで、今回はこういった感覚に頼らずともHipHopらしいヨレを得られる方法を解説していきましょう。
具体的には以下の方法です。
- イーブンなノリのドラムビートを作る
- 5連符、7連符、9連符、いずれかを基本にしてハイハットのビートを置き換える
- 上記を2倍した10連符、14連符、18連符をガイドラインとして作る
- ガイドラインに合っていないところを置き換えていく
これだけだと何を言っているか分からないと思いますので、この記事では具体的にやり方を説明してきます。
ちなみに①の「イーブンなノリのビート」はDAWのグリッドにぴったり合ったリズムのことです。
これは誰でも作れると思いますので解説は省略して、②から解説していきます。
5連符でヨレたビートを作るやり方
ではまず5連符でやる方法を解説しましょう。
手順は以下の通り。
- 5連符のMIDIをハイハットに敷く
- 3:2でハイハットのビートを作る
- 5連符を2倍にした10連符のガイドラインを作る
- ガイドラインに沿っていないものを置き換える
よくわからないと思いますので、それぞれ詳しく解説していきます。
ちなみに動画だと分かりやすいのでぜひ余裕があるときにチェックしてみてください。
(該当部分を時間指定してあるので、すぐにチェックできます)
5連符のMIDIをハイハットに敷く
まずは上の画像のように1拍に5つのノートが入るように、ハイハットにMIDIノートを敷いていきます。
やり方は各DAWによって違うので調べてみてください。
3:2でハイハットのビートを作る
次に5連符の場合は3:2の割合でハイハットのリズムを作っていきます。
この時点ですでにHipHopらしいヨレが感じられてくるんじゃないでしょうか。
5連符を2倍にした10連符のガイドラインを作る
次に別のレーンに、先程の5連符を2倍させた10連符を敷いて、それをガイドラインとしていきます。
このガイドラインはそのまま鳴らすわけではないので、上の画像のようにグレーアウトさせて音がならないようにしておいてください。
ガイドラインに沿っていないものを置き換える
さきほどの10連符のガイドラインを使って、手動でクオンタイズ(リズム修正)をしていきます。
上の画像のようにガイドラインに合っていない部分を、
このようにガイドラインに沿って置き換えてきましょう。
こうするだけでかなりHipHopらしいヨレた感じが出てきますよ!
7連符でヨレたビートを作るやり方
手順は以下の通り
- 7連符のMIDIをハイハットに敷く
- 4:3でハイハットのビートを作る
- 7連符を2倍にした14連符のガイドラインを作る
- ガイドラインに沿っていないものを置き換える
5連符とほどんど同じですね。
少し違うところもあるので、解説していきます。
7連符のMIDIをハイハットに敷く
これは5連符の場合とほとんど同じですね。
4:3でハイハットのビートを作る
7連符の場合は4:3の割合でハイハットのリズムを作っていきます。
7連符を2倍にした14連符のガイドラインを作る
これも5連符と同じように2倍してガイドラインにしていきましょう。
ガイドラインに沿っていないものを置き換える
こちらも同じです!
7連符系はもう少しこだわったこともできる
7連符系は揺れ方が少し細かいので、もっとこだわったこともできます。
例えば下の画像のようにイーブンなビートを14連符分、前後にずらしたりしてみてください。
またクラップを使うときは、下の画像のように14連符1つ分を前に出してあげるとDrunk Beatっぽさが増してきます。
9連符でヨレたビートを作るやり方
9連符系はそこまで大きくヨレないので、HipHop以外のさまざまなジャンルでも使われています。
例えばフュージョンやネオソウル、日本のシティポップなどでもこのタイプのビートは人気があるので、ぜひ覚えておきたい所です。
作る手順は以下の通り。
- 9連符のMIDIをハイハットに敷く
- 5:4でハイハットのビートを作る
- 9連符を2倍にした18連符のガイドラインを作る
- ガイドラインに沿っていないものを置き換える
7連符とほとんど同じです。解説していきます。
9連符のMIDIをハイハットに敷く
5連符、7連符と全く同じなので説明は省略です。
5:4でハイハットのビートを作る
9連符を5:4の割合にしてハイハットのグルーヴを作っていきます。
9連符を2倍にした18連符のガイドラインを作る
これも5連符、7連符と全く同じなので説明は省略。
ガイドラインに沿っていないものを置き換える
これも5連符、7連符と全く同じ。
9連符系もこだわれる
9連符系は7連符系と同じく揺れ方が細かいので、イーブンなところを前後にずらすことでグルーヴを変化させることができます。
前に出すと詰まったような印象になりますし、後ろにずらすとまた違った雰囲気になります。
クラップも7連符系と同じく、ガイドラインで1つ分スネアより前に出してあげましょう。
まとめ:ヨレたビートは初心者でも作れる
HipHopっぽいヨレたリズムの作り方を解説していきました。
初心者でもこの方法を使えば誰でもヨレたビート、いわゆる「Drunk Beat」が手軽に表現できるでしょう。
ちなみに筆者は今回紹介した中でも汎用性の高い9連符系がオススメです。
もちろん5連符系、7連符系も作り方としてはほぼ同じなので覚えておいて損はないと思います。
ぜひ今回紹介したテクニックを使ってビートメイキングをしてみてくださいね。
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