DTMや音楽制作をより便利にしてくれるフィジカルコントローラー。
これを使うだけで音量調整や、ドラムの打ち込みなど、音楽制作の効率アップやライブパフォーマンスの向上にもつながります。
とはいえ最近はフィジカルコントローラーの種類も増えてきて、どれが自分に合っているのか分からないという場合も多いですよね。
そこで今回はフィジカルコントローラーの選び方や、実際に筆者がオススメの機種について解説したいと思います!
フィジカルコントローラーとは?
まずはフィジカルコントローラーというものがイマイチよくわからないという人のために、簡単に解説しましょう。
DTMや音楽制作におけるフィジカルコントローラーとは、簡単に言えば物理コントローラーのことです。
昔の音楽制作現場では、ほとんどの場合で上の画像のようなフェーダーがたくさん並んでいる大きなミキサーで音楽を作っていたのですが、最近ではコンピューターの内部でも完結できるようになりました。
それはそれで非常に便利になったことが多い反面、パソコンではご存じのようにマウスやキーボードを使って入力していくため、直感的な音量のコントロールなどが難しくなってしまったんですね。
そういったコンピューターを使った音楽制作のデメリットを補うために作られたのがフィジカルコントローラーです。
一応マウスやキーボードでもでも音量やコントロールできるのですが、外部デバイスとしてフェーダーやノブが搭載されたフィジカルコントローラーを接続することで、より直感的かつ効率的に音楽制作ができるようになります。
フィジカルコントローラーの選び方
フィジカルコントローラーについては分かっていただけましたか?
次にフィジカルコントローラーを実際に購入するときに注意したいことをいくつか説明していきましょう
フェーダー、ツマミの数
フィジカルコントローラーを選ぶときに、音量を操作するフェーダーや、さまざまな機能をアサインしてコントロールするツマミ(ノブ)の数を気にして選んでみましょう。
フェーダーやツマミが多いほうが一度に操作できるパラメーターが増えるので、作業が効率的になります。
選択するトラックやパラメーターを変えれば、フェーダー・ツマミが少なくても一応操作はできますが、やっぱり面倒です。
フェーダーの性能
フェーダーの数だけでなく、フェーダー自体の性能も重要になってきます。
フェーダーを選ぶ際には以下の2点に注目するといいでしょう。
- ストロークの長さ
- モーターフェーダーかどうか
ストロークの長さは、フェーダーの可動域の広さのことで、ストロークが長いほど繊細なコントロールが可能になります。
ただ、ストロークが長いフィジカルコントローラーは大型化する傾向にありますので、デスクのスペースが小さい場合や持ち運びを考えたときにはストロークが短いものがオススメです。
後者のモーターフェーダーは、別名ムービングフェーダーとも呼ばれ、DAW内部のフェーダーに追従して自動でフェーダーが動く機能を指します。
自動で動かないものだと、セーブしたプロジェクトを開いたりトラック選択を変えたりしたときに、DAW内部のフェーダーの位置と物理フェーダーの位置が違ってしまうんですね。
そのときに物理フェーダーを動かしてしまうと、DAW内部のフェーダーが大きくジャンプしてしまうので、いちいち合わせる手間がかかります。
ミックスをより効率的にしたいときにはモーターフェーダーがオススメです。
パッド搭載かどうか
パッド搭載のフィジカルコントローラーはドラムの打ち込みが非常に便利になります。
フィジカルコントローラーによってパッドの数や、ベロシティ対応・非対応が変わってくるので、購入の際はチェックしましょう。
また、本格的にフィジカルコントローラーでのドラム打ち込みを考えているのなら、ドラムパッドと呼ばれるタイプの製品の購入もオススメです。
以下のページではドラムパッドのオススメ商品を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
DAWとの相性
フィジカルコントローラーの中には、特定のDAWでしか使えないものもあります。
例えばAbleton Live専用のフィジカルコントローラーなどがありますが、Liveユーザー以外は当然使うことができません。
購入の際にはしっかり自分のDAWに対応しているかチェックしてみてください。
おすすめのフィジカルコントローラー
選び方がわかったところで、実際にオススメの機種をいくつか挙げてみましょう!
KORG nanoKONTROL2
「とりあえず安いのでいいからフィジカルコントローラーを試してみたい!」という人にオススメなのが、こちらのnanoKONTOROLです。
8本の小さいフェーダーが搭載されたこの製品はなんと5000円程度で購入することができ、コスパは最高クラス。
サイズも小さいので、持ち運びを考えている人にも最適です。
このサイズ、価格にしてきちんと再生・停止ボタンやパンポットも搭載しているので、フィジカルコントローラーとしての機能も十分ではないでしょうか。
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KORG nanoKONTROL Studio
さきほどのnanoKONTROLの機能を拡張し、より便利にしたのがこのnanoKONTROL Studio。
左下にジョグホイールが搭載されたことによって、トラック選択が簡単になり、より効率的にミックスや作曲を行うことができます。
またこちらはワイヤレス接続にも対応しているので、わずらわしいケーブルが嫌いな人にもオススメです。
割と薄くて小さめなので、持ち運びを考えている人にも便利だと思います。
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BEHRINGER X-TOUCH ONE
コストパフォーマンスに優れた音楽機材を作っていることで知られるBEHRINGER(ベリンガー)のフィジカルコントローラー。
こちらは、2万円程度にもかかわらずモーターフェーダーが搭載されています。
フェーダーの感度もよく、ストロークも長いので、これがあるだけでミックス作業がかなり捗ること間違いなしです。
また、ほとんどすべてのDAWですぐ使えるようにプリセットが搭載されているので、DAWとの相性を考えなくていいのも素晴らしいですね。
複数のDAWを使い分けている人でも使いやすいと思います。
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BEHRINGER X-TOUCH ONE
こちらもベリンガーのフィジカルコントローラーです。
このモデルはモーターフェーダーを搭載していませんが、それぞれのノブが光ってくれるので、パラメーターが視覚的にわかりやすくなります。
さまざまなDAWに対応できるので、DAWとの相性もそこまで気にしなくてOKです。
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Presonus Faderport
Studio Oneで知られるPreSonusが製造しているフィジカルコントローラー。
こちらは1本のモーターフェーダーが付属していて、ミックス作業の効率を格段にアップしてくれます。
ただ、FaderportはStudio Oneに最適化されており、他のDAWで使用するときには手間がかかるという情報も。
Studio One以外のDAWユーザーはいろいろと調べてから買ったほうが無難です。
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PreSonus FaderPort 8
こちらは、先程のFaderportのフェーダー数が8本に増えた上位モデル。
フェーダー上部には液晶が搭載され、トラックやPANの状態がわかりやすくなっています。
こちらもネイティブ対応はStudio Oneだけなので、他のDAWユーザーはよく調べてから購入しましょう。
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AKAI APC mini MK2
APC miniはAbleton Liveに最適化されているフィジカルコントローラー。
初めてフィジカルコントローラーを使うAbleton Liveユーザーにぴったりな製品です。
3色に光るパッド部分はAbleton Liveのセッションビューに対応していて、クリップの状態がひと目でわかるようになっています。
フェーダーは9本搭載され、この価格では十分でしょう。
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Ableton Push 2
出典:amazon.co.jp
Abletonが自社のDAW「Live」をもっと快適に使えるように、と開発されたフィジカルコントローラーがこのPUSHシリーズです。
Liveユーザー以外は使うことができませんが、Liveユーザーなら一度使うと手放せないくらいに便利になります。
ほとんどの作業をPush 2だけで行うことができ、ありとあらゆることが直感的にこなせるようになるでしょう。
64個のパッドはベロシティにも対応し、ドラムの打ち込みだけでなく、鍵盤など音程楽器の打ち込みも効率的になります。
本体上部の液晶で波形を見ながら編集できるので、サンプリングで作っていく派の人にもオススメです。
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Leap Motion
出典:amazon.co.jp
Leap Motionは手の動きに反応して、入力が行えるコントローラーデバイス。
こちらは厳密に言うと音楽専用につくられているわけではないのですが、DTM用途にも使えます。
Leap Motionが真価を発揮するのはバイオリンやトランペットなど、生楽器の打ち込み。
打ち込みで生の臨場感を出すためにはベロシティやエクスプレッションなどを、ものすごく細かく調整しなければいけないのですが、Leap Motionを使うとそれが簡単になります。
(この動画がわかりやすいです)
もちろん、生楽器の打ち込みだけでなく、シンセのパラメーターの変化にも最適。
打ち込みには動きをMIDI CCに割り当てられるGECOというソフト(無料)を使うのが定番です。
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おわりに
一言にフィジカルコントローラーといっても、いろいろな種類のものがありましたね。
自分の用途にあったものを選ぶことでミックスや作曲がかなり捗ることは間違いありません。
ぜひ、自分にぴったりな製品を調べて購入してみてくださいね。
また、筆者は音楽関連の講座動画をYouTubeでたくさん公開しているので、よかったらチャンネル登録お願いします!
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